【全起こし】高杉真宙、歯科技工士役に「黙々とする感じは嫌いではなくて、空き時間も楽しく練習した(笑)」映画『笑顔の向こうに』舞台挨拶付き完成披露上映会レポート 全文掲載

MC:そうですか(笑)。映画祭で楽しい思いでがいっぱいできて、良かったですね(笑)。ありがとうございます。そしてモナコでは出演の丹古母鬼馬二さんが助演男優賞を受賞なさったということで、W受賞でおめでたいんですけれども、藤田さんが丹古母さんが演じているお父さんの娘ということで。

藤田:私は医療関係ではなくて、受診する方の、お客さんの役なんですけど、丹古母鬼馬二さんが、身体を張って演じてくださったんですよね。私達って、身体を使ってこの身体で出来得る表現をしていく中で、例えば髪を伸ばしたり切ったり、剃ったり、痩せたり太ったりという中で、丹古母さんは自分のお身体の一部である、歯を全部外して演じて。成果というか、身体を張った部分での演技というのは美しいと思ったんですよね。最初は丹古母さんも、白髪が出てきたら黒く染めたりだとか、入れ歯にしているのを隠していたりとかは当然なんですけど、自分の身体をお使いになって、この役に取り組んだというお姿は、側で見ていて潔く、本当に美しく。丹古母さんの役のイメージだと、とても強くて、怖い感じがしますけど、優しいお父さんの表情がそこにあったんじゃないかと。その表情の変化とか、役だけではなくて物理的な状況とか、精神的なものも醸し出していたんじゃないかなと思うので、真宙くんの美しさとともに、丹古母さんの美しさも見ていただきたいと思います(笑)。

MC:それが伝わったからこその受賞だったんでしょうね。ありがとうございます。それでは高杉さん、安田さん。本作ではまだ半人前だと叱咤激励されるシーンもあったと思いますが、自分自身でまだまだ半人前だなと感じることはありますか?

高杉:(藤田と安田から熱視線を送られて)質問が入って来なかったんですけど(笑)。

MC:両側の視線が鋭かったですね(笑)。

高杉:そうですね(笑)。そもそも自分自身のことを一人前だなと思うことはあんまりないと思っていて。この職業というのは、ライセンスがあるとか、資格が必要とか、そいういわけではない職業なんですね。だから何が一人前なのかも良く分からないところがあって、何が正解で、何が不正解とか、認められる人というのも、現場ではあるかもしれないですけど、見る人達によって価値観の違いとか、感性の違いとかで変わってくるので、あんまりその部分で誰かに決められたりとか、自分で何かを考えることはないですけど、結局何に満足するかだと思いますね。なので、何歳になっても自分が「これでいいや」と諦めた瞬間が、悪い意味での一人前なのかなと思いますけど。それが自分の成長が止まった瞬間だと思っています。

藤田:(小声で)質問は半人前だなと思う瞬間だよ。一人前じゃなくて。

高杉:だから…(笑)、たぶん。自分はずっと半人前かなって。一人前、どうやってなるのかな…(笑)。

MC:ありがとうございます。安田さんはいかがでしょうか?

安田:自分が出た作品とかを観ると、だいたい半人前だなと思いますけど、でもそこに関しては納得してしまうと終わってしまうので、いつまでも納得せずに自分で粗探しじゃないですけど、し続けたいと思います(笑)。大丈夫ですか、これで(笑)。

藤田:大丈夫だったと思います。素晴らしかった。

安田:ありがとうございます(笑)。

高杉:納得がいかない(笑)。