MC:太陽のようなお母さんを失うんですもんね。石橋さんは、大森監督とも久しぶりのお仕事だったんじゃないかなと思いますが。
石橋:あ、そうですね!10年ぐらい?
大森:そう、10何年経ってますね。
石橋:デビュー作品のときに、俺もちょっと偉そうな態度で現場で接してたんですけど、今回は「あ、監督!」ってこう頭下げるような逆転した立場にちょっとムカつきました(笑)。
MC:巨匠感が溢れていたという感じですか?
石橋:そうですね。
大森:なんすかそれ(笑)。
石橋:デビュー作ですから、非常に緊張もなさってたし、非常に必死だったんだなと思いますけれども、今回はかなり余裕があって、見下ろすような態度で(笑)。もうそれだけ、大物になったってことでしょう。
MC:かなり温かい現場だったと、今のお話を聞いて伝わってきました。大森監督、撮影の中で特に印象に残っているシーンはありますか?
大森:俺が好きなのは、安田さんと倍賞さんと蓮司さんが3人で、高い山の上から自分の気持ちを伝えるシーンがあるんですけど、そこはすごく好きだし、松下さんと安田さんのシーンがあるんですけど、松下さんがかなり強くサトシに向かってるシーンがあるんですけど、そこもすごく好きで。あとはやっぱり最後のね、男3人がグズグズしてるところも僕は大好きです。
MC:男性3人のシーンは本当に印象的で、あそこで私は涙が込み上げてきました。
大森:込み上げてきたということは、泣いてない…?惜しかったな。
MC:泣きました!すみません、ちょっと恥ずかしかったので(笑)。流れました、流れました。あのシーンはかなり監督の中でも葛藤があったと伺っていますが。
大森:葛藤…?
MC:葛藤といいますか、どう撮ろうというか、どこまでしていただこうかという。
大森:裸ですか?
MC:はい。
大森:うん、これはねちょっと迷ったんですよ。やっぱり隠すのも大変だし、撮り方も大変だし。ちょっと迷ってたら倍賞さんに、「アンタ、全部脱がせなさい!」って言われまして(笑)。
MC:倍賞さんの鶴の一声で皆さん脱ぐことが決まったと。石橋さんも脱いでらっしゃいましたよね。
石橋:いや、抵抗しましたね!それほどの肉体を持っていませんので(笑)。昔ならいくらでも喜んでやりましたけど、今はもう自信がありません。
MC:安田さん、あのシーンについては思い出されますか?
安田:うん!すごく印象的に覚えてます。あそこはやっぱり、むらじゅんさんですねー。映像を観たときは、作品として見れてたんですけど、はっきり向かい合ってるむらじゅんさんでしたので、何度も何度も、当たり前のことなんでしょうけども、(村上は)手を抜かれないので、「喉枯れないかな、大丈夫かな?」っていうくらい頭から塊でぶつけてこられるんですよ。内容とかじゃなく、村上淳さんっていう役者さんがぶつかってくることで、役としてはお兄ちゃんなんですよ、でも、役者の力っていうのかな、それを生でぶつけられて、ただただ涙が止まらなかったっていう思い出がありましたね。
村上:もう少し聞きたいな。村上淳さんのくだり、もう少し聞きたいな。
(会場爆笑)
安田:結構言いましたよ?(笑)石橋さん、倍賞さんを差し置いて、むらじゅんさんのお話でだいぶいきましたよ。
MC:村上さん、次にいかせていただいてもよろしいでしょうか?すみません。そして、今日もまさに一家団欒といった雰囲気の宮川家なんですけれども、映画のタイトルに『遺骨を食べたい』というワードが入っており、これは遺骨を食べたいほどお母さんを愛おしく思っているということですけれども、皆さんは「食べたい!」と思うほど愛おしいものってありますか?ということで、本日フリップを用意していただきましたので、一斉に発表していただきたいと思います。では皆さんよろしいですか?どうぞ!
【安田】麦焼酎
【倍賞】葛餅
【松下】ピアノ
【村上】現場(あらゆる)
【石橋】酒
【大森】空に浮かぶくも
(会場爆笑)
MC:はい。それぞれご覧いただいて。
大森:蓮司さんと安田さん被ってるんじゃないですか?
安田:被ってますね。(倍賞のフリップを見て)あ、”葛飾”ですか!?あ、葛餅だ!(笑)
(会場爆笑)
安田:葛飾だとお姉さんになっちゃうよと思って!(笑)ああ、葛餅か!
倍賞:(笑)。葛飾って読みやすいね。