飯豊:あとは私と北山さんが猫スーツだったんですけど、他の方は人間、そのままなので、すごいチヤホヤしてもらいましたね。優しくしてもらいました。
北山:ほんっとうにそう!みんな。
飯豊:だから不便な部分はあるけど、いい思いもたくさんしましたね。
北山:いっつもそうやってしてくれたらいいのにって思ってたんですけど。
飯豊:思ってましたね。
MC:例えばどんな感じでチヤホヤを?
北山:肉球がついているので、ペットボトルのふたとかを開けられなかったりとか、台本をめくれなかったりとか、そういう日常のことがほとんどできないので、そこをいろんな人にやってもらったり。
飯豊:助けてもらったりとか。ちっちゃい子が優しい。「猫~!」って言って。北山さん、言われてましたよね。「北山さ~ん!」っていうより、「猫~!」って(笑)。
北山:そう。猫先行なんですよ。そもそも。
MC:「キスマイの北山さんだ!」って言われないんですか?
北山:いや、キスマイの部分、ここ(顔)しかないですからね!ここしかないですから!それよりも猫先行でしたね。
MC:「猫だ~!猫だ~!」って?
北山:子どもが集まってきて…。
MC:チヤホヤされたと。ありがとうございます。そして要さん、さっきもお話がありましたけど、売れっ子漫画家ながらいろいろな特技をお持ちだという。あの部分の撮影はどうだったんですか?
要:スムーズに…チェンバロも弾きましたし、スムーズに瓦も割りましたし。
MC:あれ、もうちょっと見たいなぁと思ったんですけど。
要:あ、そうですか?
筧:めちゃくちゃいっぱい撮ってるんですよね、あのところ。バラエティの1コーナーぐらい長ーく長ーく撮って、何か起きないか、何か起きないかって。編集でバッサリいっちゃったんですけど(笑)。あれぐらいの感じがおもしろいですよね。長くやっても…。
MC:完全版をどこかで見てみたい気もしますけどね。
要:そうですよね。そのうちどこかで見れたらいいですけどね。
MC:本当はすごく長く撮っていたと。わかりました。監督、皆さんご覧になっているので、ネタバレを気にせずお話を伺いたいのですが、本作で一番大変だったシーン、思い出に残っているシーンはありますか?
筧:とにかくざっくり言うと寒かったですね。寒くて狭くて、「寒いな、狭いな」ってずっと言っていた気がしますけど(笑)。その狭さというのはアパートの、でもそれは臨場感が出ていたなぁと思うんですけど、寒さというと、皆さん、観終わって後半の家族の物語のほうにいってらっしゃると思うので忘れてるかもしれませんが、前半の神社のシーン、猫がいっぱい出てくるじゃないですか。「この映画、これでいくの?」っていうシーンですよね(笑)。あそこは「これなんだ!」って結構不安になると思うんですけど(笑)。あそこがうまくいかないと全体的にグダグダになっちゃうと思ったので、あれは結局、ここでは北山くんしかあのシーンに関わっている方はいらっしゃらないですけど、とにかく彼以外も含めて猫役の俳優さんがいっぱいいたので、全員に演出をしなきゃいけないし、皆さん初めてじゃないですか、ほぼほぼ猫の役なんて。だから説明も多いし、カット割りも多いしで、寒いし(笑)、時間もなかったので、あそこは実は大変でしたね。見るとさらっと見れちゃうと思うんですけど、そんな記憶があるかなぁ。
MC:北山さん、大変でした?神社のシーン。
北山:真夜中の神社ですよ。夜中の神社ですから寒いですよね。猫スーツの人たちが動き回っているんですよ。傍から見たらすごいですよね、そのシーン。でもやっぱり猫同士というのは、一匹?一人?一匹だったらまだできるんですけど、増えてくるとそれぞれの動作が増えてくるので、それに対してリアクションをしていくっていうのは自分の中では難しかったかもしれないですね。
MC:ありがとうございます。本作は、北山さん演じるいい加減で能天気な売れない漫画家のダメ夫・寿々男が、突然の事故で亡くなってしまい、人生を挽回せよと猫の姿で家族のもとに戻るところから始まっていくのですが、皆さんは、人生を挽回したい、やり直したいことはあるんでしょうか?では、まずは監督からいきましょうか。
筧:1個大きいことがあるんですけど、めちゃくちゃこの作品に関わっていて、今からすごいいい答えを僕言うんですけどね?(笑)。僕、漫画家を目指していたんですよ、20代まで。20代後半でわりと早めに監督デビューできたんですけど、それでももうちょっと探ってて、結構本気でやってて、だから出版社のシーン、「あなた、早く作風変えないとだめよ」的なことを言われるじゃないですか。「作風は昔成功したものをやりなさい」って、ああいうのとか結構痛くて。あのシーンとかもそうですけど、最後のひたすら書き続けるシーン、あれは僕が昔使っていた道具とかを提供していて、書き方とかも全部指導させてもらったんですけど、とにかく漫画家映画としても見ておもしろいように、北山くんと一緒にどうやったら漫画家が描いている様がリアリティになるかとやっていたんですけど、もしかしたら漫画家として頑張っているそんな自分も見てみたかったりしたので。でも、うまくいかなかったからこの映画ができているのでいいんですけど、それはそれでっていう感じですかね。
MC:飯豊さんはいかがですか?
飯豊:びっくりした!
MC:そんなびっくりしないでください(笑)。
飯豊:すいません!次、来ると思わなくて(笑)。挽回する話ですよね。真面目な話になってしまうんですけれども、私、小学校の時からすごく正義感が強かったんですね。給食の時に起こった話なんですけど、給食に出てくる牛乳が苦手な女の子がいて、牛乳ってすごく栄養があるじゃないですか。だから絶対に飲み終わらないといけないっていう担任の先生のルールがありまして。でも、私はそんな無理矢理飲ませるのは絶対にいけないことだって思ってたんです。だから私がこっそりと代わりに飲んであげてたんです。それが原因で私は身長が大きくなってしまったんだと思って。今考えると少しだけ断ればよかったなって、強いて言うならそれかなって思いました。
(会場、ざわめきからの爆笑)
飯豊:え!?え!?
MC:なんですか?このざわざわ。
北山:待って、待って、全然わかってないし。
飯豊:え!?
北山:あの~、たぶんなんですけど、あの~…みんな俺のことチビだと思ってるんですよ。
(会場爆笑)
MC:いやいやいや!
北山:俺も牛乳飲んだからね!?俺はちゃんと。
飯豊:私は牛乳をいっぱい飲んで、寝ました!
北山:寝た?いや、俺も寝たんだけどね!?
MC:こういう時の猫スーツ、強いですよね!
北山:いいですよねぇ。助かってますよねぇ。俺もね、身長伸びたかったですよ、もうちょっとね。それは、それは。