MC:青木さんはなにかありますか?
青木:テストなしで、撮っていくというスタイルだったので、走り抜けるところもそうだったんですけど、茂みに隠れるシーンがありまして、茂みの奥を誰もチェックしていない状態で。バッと入ったら段差になっていて、バキバキバキバキ…と。で、もう一回撮ろうとなって、身だしなみを整えたということがありましたけど(笑)。
MC:リアルですねえ。チェックしないでいっちゃうという。
青木:リアルです。もう監督の指示であれば、火の中、水の中、藪の中。
ローズ:というのもですね、映画というのはファーストテイクは一度しかないんですよ。何度も同じようにテイクを重ねることはできても、ファーストテイクは一度しか撮れない。だから、そこから回すようにしてます。
青木:Exactly!
MC:(笑)。木幡さんは、何か覚えていることはありますか?
木幡:チャンバラができると思って。まさかの銃だった。皆んなが殺陣の稽古をしている横で、ひたすら銃を回すという(笑)。そんな思い出が一番強いです。
ローズ:僕だったら刀の戦いに加わるなら、銃をもっていくからね。
木幡:Exactly!
ローズ:ソウデスヨネ(笑)。
MC:小関さんは、なにか覚えていることはありますか?
小関:テストなく本番一発という話しなんですけど、一日、ほぼワンシーンしかなくて。そのワンシーンもワンカットしかなくて、馬に乗って駆けていって、人を殺して抜けていくというワンカットを、一日使って撮ったので、午前中には撮影が終わってるんですよ。一ヶ月ぐらい山形にこもっていたので、宿に帰ってから反省することしかなくて、その時間が結構、余計なことまで反省しちゃうから、毎日反省してました(笑)。
森山:だから竜さんにご飯連れて行ってもらったの?
小関:それもあります(笑)。何がいけないかも分からないから(笑)。一緒にお風呂入りながらとか。
青木:一緒にお風呂!?
木幡:いやいや、大浴場があったから(笑)。
小関:それがすごく印象的でした。
MC:竹中さんは?
竹中:僕もテストなしにいきなり本番というのは、逆に興奮しましたね。どうなるか分からないから。僕が静かな芝居をすると、監督が「もっと上げてくれ」というので、テンションを上げていくと喜んでくださるので。だから毎日現場が独特な緊張感と、即興性を求められて、とても興奮する現場でした。
ローズ:今回、非常に記憶に残ってるのが、「皆さんぞれぞれに、この作品に何かをもたらしてください」とお願いして。「ここにあるもの、あるいは自分が求めているものではないものを、ぜひもたらして驚かせてください」と申し上げたんですね。みごとに皆さん、驚かせてくださったので、大変誇らしく思っております。
MC:ありがとうございます。お時間が迫ってきましたので、最後に代表して佐藤健さんから一言お願いしてもよろしいでしょうか?
佐藤:全然、語り足りないんですけど、今の話で分かるように、我々はバーナードのもと、過去に経験した一切の常識が通用しない、何もかもが初めての挑戦という環境のもと、かなりもがきながら、それぞれがいつも以上に自分の役と向き合いながら、時には力を合わせながら、この映画を作りました。新時代における、時代劇の形を提案できるのではないかと思います。もし、興味がある方は、劇場に足を運んでくだされば嬉しいです。ありがとうございました。
MC:ありがとうございます!
『サムライマラソン』
2019年2月22日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:バーナード・ローズ
原作:土橋章宏「幕末まらそん侍」(ハルキ文庫)
企画・プロデュース:ジェレミー・トーマス 中沢敏明
脚本:斉藤ひろし バーナード・ローズ 山岸きくみ
音楽:フィリップ・グラス
衣装デザイン:ワダエミ
出演:佐藤健 小松菜奈 森山未來 染谷将太 青木崇高 木幡竜 小関裕太 深水元基 カトウシンスケ 岩永ジョーイ 若林瑠海 竹中直人 筒井真理子 門脇麦 阿部純子 奈緒 中川大志 ダニー・ヒューストン 豊川悦司 長谷川博己
配給:ギャガ
【ストーリー】 時は幕末、迫る外国の脅威に備え、安中藩主・板倉勝明(いたくら・かつあきら/長谷川博己)は、藩士を鍛えるため、十五里(約58km)の山道を走る遠足(とおあし)を開催する。だがこの動きが、とある行き違いにより幕府への反逆とみなされ、藩士不在の城に安中藩とり潰しを狙う刺客が送り込まれる。ただ一人、迫る危機を知った男・唐沢甚内(からさわ・じんない/佐藤健)は、計画を食い止めるため、走り出す─。
©”SAMURAI MARATHON 1855”FILM Partners GAGA.NE.JP/SAMURAIMARATHON