MC:ありがとうございます。バーナード監督はかなり独特な撮影手法をとられていたと伺っております。キャストの皆様、実際の現場はいかがだったんでしょうか? 健さんから中心に聞いていきましょうか。
佐藤:まず、「台本を見るな」と。「台本を気にするな」と言うんですよ。台本に書かれたセリフは言いたいなら言ってもいいし、言いたくないなら言わなくても良い。「その場で、言いたいことがあれば喋っちゃって」と。だから、僕はあまり喋らなかったです(笑)。言いたくなかったので。役として。逆に森山さんなんかは、ご自身でセリフを考えられて、だから脚本家はほぼ森山未來ですよ。僕は役柄上もあんまりセリフを重ねたくないキャラクターだったので、動きで見せられるように頑張りました。次。
森山:俺? いっぱいありますけどね。
青木:歌いだしたりしたよね? 歌う前に皆んなに鼓舞したり。あと、俺を急に蹴飛ばしたりとか。
森山:そんなのあったっけ?
青木:あった、あった。やった方は覚えてなくても、やられた方は覚えてるから。
森山:ちょっと横暴なね。だからいろいろなアプローチの方がいて、しゃべらない選択をする人や、しゃべる選択肢の人もいて、多様な現場になったと思いますけど。僕がきっかけを作ってもらったのは、長谷川さん(板倉勝明役の長谷川博己)ですね。長谷川さんが藩主として僕ら全員を従えて、スピーチをした時に、かなりふっかけてくるような、どんどんセリフを変えてきていて。けしかけるような入り方をしてくれたので、そこから皆がグッと一歩前に出たという印象があります。
MC:小松さんはいかがですか?
小松:殺陣のシーンで佐藤さんと未来さんと、現場に入る一ヶ月ぐらい前から練っていて。そこを現場でバッサリ切られて(笑)。「えー、あんなに練習をしてきたのに…無くなっちゃうんだ…」って。でも本当にシンプルな感じになって、そこはちょっとショックでした(笑)。
佐藤:確かにめちゃくちゃ練習したんですよね。「相手がこう来るから、こう避けて、こう刺して」みたいな。でもこれは段取りだから。そんなものは、監督は望んでないから(笑)。本物の殺り合いを望んでらっしゃるから。とにかくあいつを殺してくれっていう指示の下ね。
青木:で、健くんがかっこよく斬ってるという(笑)。
佐藤:やらせてもらいました。
ローズ:刀を抜いたら、踊りのような振り付けではなくて、直接的に斬りつけて終わりでしょう?
佐藤:そのとおりだと思います。
MC:染谷さんは、なにかありましたか?
染谷:自分は初日にスタンバイをして待っていたら、「君はもう撮り終わったから」と言われて。「え? いつ撮ったんだ?」って聞いたら、「待っている間、君は良かったからもう撮ったよ」という、そんな初日でした(笑)。
MC:これは今まで経験ないぞという。
染谷:ないですね。何もしてないですから。働いてないですから。