フィリピンの鬼才、キドラット・タヒミック監督作『500年の航海』予告編

第65回ベルリン国際映画祭でカリガリ賞を受賞した、フィリピンの鬼才キドラット・タヒミック監督最新作『500年の航海』が、2019年1月26日より公開される。このほど、本作の予告編が披露された。

本作は、フィリピン・インディペンデント映画のゴッドファーザーとも言える映画作家のキドラット・タヒミック監督が、自らの映画人生と世界の歴史を重ね合わせ、35年の歳月をかけて完成させた叙事詩。2021年にはマゼランによる「世界周航」から500年を迎えるが、実はマゼランは、フィリピンのセブ島沖で先住民の首長ラプラプの抵抗によって旅の半ばで命を落とし、実際に世界一周を達成したのはマラッカ出身の奴隷エンリケだった。タヒミック監督は、西欧による“第三世界”の隷属の歴史の象徴として、自ら奴隷エンリケを演じ、家族や友人たちをキャスティングして1980年頃に本作の撮影を開始。その後、息子たちの成長に伴い撮影を中断していたが、撮影開始から20数年経った時、成長しヒゲを伸ばした次男カワヤンの姿がマゼランと重なり、マゼランが現代に蘇った輪廻転生の物語として完成を目指すことになった。

『500年の航海』
2019年1月26日よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー、以下全国順次公開
監督・撮影・編集・美術:キドラット・タヒミック
出演:キドラット・タヒミック ジョージ・スタインバーグ カワヤン・デ・ギア カトリン・デ・ギア ロペス・ナウヤク ウィグス・ティスマン ダニー・オルキコ
配給:シネマトリックス

【ストーリー】 田んぼの中から見つかった木の箱。それを開けてみると泥にまみれたフィルムの入った缶のようなものが入っていた。これは輪廻転生の物語…。

(C)Kidlat Tahimik