エッセイストの森下典子が、約25年にわたって通い続けた茶道教室の日々を綴ったエッセイを、黒木華、樹木希林、多部未華子の初共演で映画化した『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)が、10月13日より公開中。本作のヒットを記念して、11月24日に新宿ピカデリーにて大ヒット御礼舞台挨拶が行われ、⿊⽊華、⼤森⽴嗣監督が登壇した。
11月21日に興行収入10億円を突破し、11月23日時点で、累計で動員880,798名、興行収入1,027,077,150円に到達したことを受け、11月24日より公開館数は230館に拡大となった本作(22日まで171館)。舞台挨拶の最初に、観客動員88万人、興行収入10億円を突破したことが報告され、黒木は「映画館に足を運んでくださり、ありがとうございます。こうして劇場でみなさまにお会いできるということを心から嬉しく思います。嬉しいとしか言いようがないです」と感謝の言葉を述べた。大森監督は「こんなにお客さんが入った映画を作ったことがないのでよくわからないんです」と笑いを誘い、「(この大ヒットが)映画界の映画作りに、若い人が映画を作れるようになったりなど、少しでも影響を与えることができたらと思います」。黒木は大ヒットを実感したこととして、「お茶をやっていたんです」と話しかけてくれる人が増えたと言い、「また、お茶をやろうかなと思った、という感想をうかがうこともあります」と笑顔で語った。
本作は映画賞でのノミネートも続き、大森監督は、「俳優さんが賞をとってくれることがすごく嬉しい」と喜んだ。黒木が「樹木さんとお芝居ができたことが財産になりました。特別な思いのある映画でのノミネートは嬉しいです」と語ると、大森監督は「本当は樹木希林さんに(大ヒットしましたと)言いたいんですよね。『こんなに宣伝費のない映画で本当に大丈夫?』って心配していたので」とお茶の師匠・武田先生を演じ、9月に亡くなった樹木希林に思いを馳せた。海外での公開についても、大森監督は「もちろん“お茶”に惹きがあると思いますが、自然を感じて生きていくという感覚が伝わってほしいし、どのように観てもらえるのか興味があります」と期待を語った。
また、24日未明に決定した2025年の大阪万博開催について話が振られると、大阪出身の黒木は、「地元で行われるのは嬉しいです。私も行きたいです」。前回、大阪万博が行われた1970年生まれの大森監督が、「2025年には55歳」と言うと、黒木は「私は35歳です」。大森監督が「デートしよう」と誘うと、「デートしましょう。見に行きましょう」と万博でのデートを約束し盛り上がった。
最後に今年一年について振り返り、映画やドラマで大活躍の黒木は、「番宣にたくさん出ました。バラエティが苦手だったのですが、もう任せてください(笑)」。来年について、大森監督が「粛々と映画を作る。それとプライベートを充実させる」と語り、黒木も「粛々とお芝居をしたいです。そして私もプライベートを充実させます。英語の勉強とか海外にも行きたい。アメリカとか札幌の雪まつりなど行ったことがないところに行きたいです」と来年の抱負を述べ、舞台挨拶は終了した。
『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)
10月13日(土)より全国ロードショー中
監督・脚本:大森立嗣
原作:森下典子『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫刊)
出演:黒木華 樹木希林 多部未華子 鶴見辰吾 鶴田真由 山下美月
配給:東京テアトル、ヨアケ
【ストーリー】 たちまち過ぎていく大学生活、二十歳の典子(黒木華)は自分が「本当にやりたいこと」を見つけられずにいた。ある日、タダモノではないと噂の“武田のおばさん”(樹木希林)の正体が「お茶」の先生だったと聞かされる。そこで「お茶」を習ってはどうかと勧める母に気のない返事をしていた典子だが、その話を聞いてすっかり乗り気になったいとこの美智子(多部未華子)に誘われるまま、なんとなく茶道教室へ通い始めることに。そこで二人を待ち受けていたのは、今まで見たことも聞いたこともない、おかしな「決まりごと」だらけの世界だった―。
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