日本のワインを世界レベルに引き上げたワイン界の先駆者・麻井宇介の思想を受け継ぎ、日本ワインの常識を覆した革命児たちの実話を映画化した『ウスケボーイズ』が10月20日に公開初日を迎え、同日、新宿武蔵野館にて初日舞台挨拶が行われ、渡辺大、出合正幸、内野謙太、竹島由夏、伊藤つかさ、柿崎ゆうじ監督が登壇した。
ワイン造りに苦悩する実直な青年・岡村役で、マドリード国際映画祭2018外国語映画部門最優秀主演男優賞&アムステルダム国際フィルムメーカー映画祭でも外国語映画部門最優秀主演男優賞を獲得した渡辺。今後も海外の映画祭での上映もあることから「僕らはこの映画を作って終わりではなく、この作品で日本ワインを発信し、日本ワインが文化として普及すれば嬉しい」と映画だけにとどまらない反響を期待し「ワインの本場からすると変化球のような映画かもしれないけれど、ドスンとハマってくれたのではないかと思う」と海外の映画祭での快挙の理由を分析した。
また「自分にとっての師匠」を聞かれると、俳優の故・津川雅彦さんの名前を挙げて「子供のころからお世話になっており、17歳の頃から僕は勝手に師弟関係のようなものを感じています。色々なことを学ばせていただき、今ここにいるのは津川さんのおかげです」とシミジミ。さらに幼少期に乗馬を教わったコーチも師匠の一人で「もう亡くなってしまったけれど、10歳の頃に乗馬の基礎を叩きこんでくれた人。当時一人でその方の牧場で合宿をして、きつかったけれど、今の仕事で馬に乗れるのは大きなことです。基礎を叩きこんでくれたのはありがたい」と天国にいる乗馬の師匠に感謝していた。
出合の師匠は「小学校時代に通っていた学童保育の指導員。40歳を超えて教員免許を取る様なぶっ飛んだ人でしたが、そんな人の教えが僕のベースになっている」と回想。内野は本作共演者である橋爪功の存在を挙げて「共演というか、お芝居を間近で見させていただき、思っていた以上にカッコいい方だった。憧れる部分もあるし、傍にいさせていただいたのは嬉しかった」とベテランに刺激を受けていた。
今回の作品のキャスト・スタッフにも感謝しきりの渡辺は「このメンバーと出会って、ワインを通じて色々な繋がりと素敵な仲間ができた。撮影が終わって1年以上経っても撮影時と変わらない関係性でいられるのは、まさに日本ワインがもたらした縁だと思う。お酒が繋ぐ縁ってあるんだと思った」と実感。それに竹島も「撮影中は映画と同じで、日本ワインを皆で飲みながら沢山の話をした。それから1年経ってみんなとこうやって会っても、ワインの話をする。スタッフ・キャストという仲間が一丸となって作品を作ったというのを感じる現場でした」と絆を強調した。
仲間とはどんな存在ですか?の質問をされた伊藤は、「昔の同級生に会うと、優しいことだけでなく厳しいことも言ってくれる。素直な思いをぶつけてくれる仲間は、本当に大切な存在だと思っています」と、自分を支えてくれる人たちへ感謝を述べた。
最後に柿崎監督が「気概を持って日本ワイン造りに挑んだ人たちの映画であり、僕らも気概を持って作りました。本作を通して日本ワインに触れる機会が増えたら嬉しい」と思いを込めると、渡辺も「鑑賞後は作品に思いをはせていただき、日本ワインを飲んでほしい。皆さんと日本ワインの関係性が近くなるのが、作品を通しての僕の願いです」とアピールした。
『ウスケボーイズ』
10月20日(土)より新宿武蔵野館ほか全国ロードショー中
監督:柿崎ゆうじ
出演:渡辺大 出合正幸 内野謙太 竹島由夏 金子昇 寿大聡 須田邦裕 上野なつひ 升毅 萩尾みどり 清水章吾 岩本多代 柴俊夫 田島令子 小田島渚 大鶴義丹 柳憂怜 伊吹剛 和泉元彌 伊藤つかさ 安達祐実 橋爪功
配給:カートエンターテイメント
【ストーリー】 岡村(渡辺大)、城山(出合正幸)、伊藤(寿大聡)、上村(竹島由夏)、高山(内野謙太)は「ワイン友の会」の仲間で、集まっては世界中のワインを嗜んで蘊蓄を語り合っていた。ある夜、日本のぶどうを使ったワインがフランスワインより美味しいはずがないと決めつけていた彼らは、仏vs日本ワインでブラインドのテイスティング会を開催する。予想は外れ、世界に通用する「桔梗ヶ原メルロー」の存在を知った彼らは、この世界レベルのワインを生んだ麻井宇介(橋爪功)に憧れ、ワイン用のぶどう栽培は困難と言われたこの日本の地で麻井の思想を受け継ぎながら常識を覆すワイン造りに没頭していく。しかし、ぶどう畑は大雨・雹・病害などに見舞われ…。果たして、日本のワインに革命を起こすことはできるのか?
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