『センセイ君主』『ヒロイン失格』の脚本家・吉田恵里香「お説教映画にしないようにした」波瑠 主演『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』

主演に波瑠、共演に西島秀俊を迎え、人気作家の小森陽一による小説「オズの世界」(集英社文庫刊)を映画化した『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』が10月26日に公開となる。このほど、本作の脚本を担当し、現在大ヒット中の映画『センセイ君主』や『ヒロイン失格』、ドラマ「花のち晴れ~花男 Next Season~」などの脚本を数多く手掛ける吉田恵里香よりコメントが寄せられた。

本作は、地方の遊園地に配属された新入社員の波平久瑠美が、“魔法使い”と呼ばれる風変わりなカリスマ上司と個性的な従業員たちに囲まれながら成長していく姿を描く。主人公の波平久瑠美を演じるのは、NHK連続テレビ小説「あさが来た」で注目を集め、「未解決の女警視庁文書捜査官」「サバイバル・ウェディング」と立て続けにドラマの主演を務める波瑠。“魔法使い”と呼ばれるカリスマ上司・小塚慶彦役を西島秀俊が演じる。このほか、岡山天音、橋本愛、中村倫也、濱田マリ、柄本明ら実力派キャストが集結。撮影は、熊本県に実際にあるグリーンランドリゾートの全面協力のもと行われた。また、Dream Amiが自ら作詞を手がけた書き下ろし主題歌「Wonderland」が本作を彩る。

主演の波瑠は、脚本を読んだ際の波平という役について、「都会から来ましたという変なプライドを持っている自分に妙に自信のある部分が、この年齢ならではのリアルだなと思いました」と語り、「セリフは読みやすく、言いやすいものが多かったですが、特に花火大会のシーンで西島さん役の小塚が『花火終わるまで気づかなかったのかよ』と波平に言うシーンがあるのですが、これは波平が小塚に対して憧れの気持ちを持っていたことに今まで気づかなかったのかよと気づかせる意味も重なっていたのかなと思って。すごく奥深い脚本だなと思いました」と振り返っている。

■吉田恵里香(脚本家) コメント
Q:オファーが来た時の気持ち
恋愛ものが続いていた為、新境地を切り開けるというワクワク感がありました。お仕事ものはずっとやってみたいジャンルだった上に、遊園地という特殊な舞台を扱ったお話だったので、オファーいただけて純粋に嬉しかったです!

Q:執筆にあたり、意識した点やこだわった点があれば教えてください。
若い目線が求められていたので、新卒の波平の描写には気を使いました。地に足がついたキャラというかキラキラしすぎないように心がけました。毒も吐くし愚痴も言う、良い子ちゃんすぎないといいますか……生っぽさを大切にしました。あと仕事に関しても夢見がちにならないというか、あくまでも生活の一部であるという生っぽさは大事にしたつもりです。

Q:執筆に際し、監督やプロデューサーと話したことはありますか?
印象的だったのは、「お説教映画にしないようにしようね」ということで監督・プロデューサー・私の意見が一致したことです。波平のキラキラ話とも被りますが、新人が周囲に与える力が凄すぎないように気を付けました。新人が来たことで周囲が変わるみたいな話ではなく、新人もベテランも相乗効果で変わっていく感じを大切にしました。

『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』
10月26日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:波多野貴文
原作:小森陽一「オズの世界」(集英社文庫刊)
脚本:吉田恵里香
主題歌:Dream Ami「Wonderland」(rhythm zone)
挿入歌:神様、僕は気づいてしまった「ストレイシープ」「匿名」(ワーナーミュージック・ジャパン)
出演:波瑠 西島秀俊 岡山天音 深水元基 戸田昌宏 朝倉えりか 久保酎吉 コング桑田 中村倫也 濱田マリ 橋本愛 柄本明
配給:HIGH BLOW CINEMA、ファントム・フィルム

【ストーリー】 夢と希望にあふれて、彼氏と同じ超一流ホテルチェーンに就職した波平久瑠美(波瑠)に言い渡されたのは、系列会社が運営する地方の遊園地グリーンランドへの配属辞令だった…!彼女の前には、広大な田園風景とそこに突如現れる遊園地。そして数々の企画を成功させ“魔法使い”と呼ばれる風変わりなカリスマ上司・小塚慶彦(西島秀俊)と一癖も二癖もある従業員たち。都会と田舎、理想と現実のギャップに不満を抱える彼女を支えるのはサクッと仕事で成果を出して、好きな部署に異動できる「MVP社員」になるという目標!ところが、やることなすこと失敗だらけで、自分の未熟さを痛感する久瑠美。それでも小塚や仲間たちと一緒に、遊園地で巻き起こるトラブルを乗り越えていく中で少しずつ働くことの楽しさ・やりがいに気がついていく。小塚に対して、憧れとも恋ともわからない感情を抱きだしたある日、久瑠美は小塚の秘密を知ってしまう…。

(C)小森陽一/集英社(C)2018 映画「オズランド」製作委員会