『ミッドナイト・イン・パリ』や『カフェ・ソサエティ』のウディ・アレン監督最新作『女と男の観覧車』が6月23日より公開となる。それに先立ち、6月19日に新宿ピカデリーにて、ファン投票で選ばれたウディ・アレン監督作3作品を上映するトークイベント付きウディ・アレン特集上映が開催され、音楽家・文筆業の菊地成孔、映画ライターの森直人が登壇した。
ほぼ満員で開催された『ミッドナイト・イン・パリ』のトークイベント付き上映に、音楽家・文筆業の菊地成孔と映画ライターの森直人が大きな拍手で迎えられ登場。菊地より「みなさんの中で『ミッドナイト・イン・パリ』を初めてご覧になる方いらっしゃいますか?」との問いかけで、初めて鑑賞する人が数名いることが判明。「ひとネタの作品なので、ネタバレしないで話すのは難しいな…」と言いつつも、本作の魅力について菊地は「構造的にとても工夫がなされていて、映画のバランスが素晴らしい!ウディ・アレンの作品は凡打もあるけどこれはホームラン!」と絶賛。ウディ・アレン作品のベスト作品について森に聞かれると、菊池は「初期は『アニーホール』、『マンハッタン』、中期は『カイロの紫のバラ』、そして後期は『ミッドナイト・イン・パリ』」という選出をした。
そして、ウディ・アレン監督最新作の『女と男の観覧車』について話題が移ると、菊地は「ウディの作品は、いろんなジャンルでフォルダ分けできるのだけど、これは『ブルージャスミン』と同じフォルダに入りますね!昔イケてた女性の末路は…!という話です。ウディは、若い女性(のキャラクター)を天使のように扱うけれども、昔ブイブイ言わせていた女性にはものすごく冷たいんですよ」と語り、「元女優のケイトがジャスティン・ティンバーレイクに引っかかったのが運の尽き、という話なのだけど、そのケイトの演技は本当に素晴らしい!」と主演のケイト・ウィンスレットをベタ褒めした。そして、「ウディは過去のパートナー、ミア・ファローとの破局によって新しい作風が生まれたんですね。女優の高いプライドは勘弁してよ、という経験を無駄にしていない。こういうところはゴダールと似てますよね」とプライベートでの経験を見事に映画に反映させていると解説。最後に「毎回のようにおもしろい。『ブルージャスミン』もだいぶ残酷だけど、『女と男の観覧車』も、終わった後の苦味は半端ないです」という熱い解説に、観客はウディ・アレン監督最新作に期待を寄せていた。
『女と男の観覧車』
6月23日(土) 丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国公開
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ケイト・ウィンスレット ジャスティン・ティンバーレイク ジュノー・テンプル ジム・ベルー
配給:ロングライド
【ストーリー】 時は1950年代、主人公のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、元女優で、今はコニーアイランドの遊園地にあるレストランでウェイトレスとして働いている。再婚同士で結ばれた、回転木馬の操縦係を務める夫のハンプティ(ジム・ベルーシ)、そして自身の連れ子と観覧車の見える部屋で暮らしている。実は彼女は夫に隠れて、海岸で監視員のアルバイトをしているミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と付き合っていた。平凡な毎日に失望していたジニーは、脚本家を目指すミッキーとの未来に夢を見ていた。だが、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)が現れたことから、すべてが狂い始める─。
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