イザベル・ユペールの演技は「完璧かつ新鮮」「最大の理想形」『エヴァ』ギャスパー・ウリエル&ブノワ・ジャコー監督 インタビュー映像

第68回ベルリン映画祭でコンペティション部門に選出された、イザベル・ユペール、ギャスパー・ウリエル共演の映画『エヴァ』が7月7日より公開となる。このほど、ベルトランを演じるギャスパー・ウリエルとブノワ・ジャコー監督のインタビュー映像がお披露目となった。

英国の人気作家ジェームズ・ハドリー・チェイスの小説「悪女イヴ」を、舞台をアメリカからフランス(パリとアヌシー)に移して映画化した本作。娼婦エヴァには、フランスを代表する演技派女優として国際的にも活躍し、ポール・ヴァーホーヴェン監督作『エル ELLE』で第89回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたイザベル・ユペール。彼女に魅了され、堕ちていく作家ベルトランを、『SAINT LAURENT/サンローラン』、『たかが世界の終わり』のギャスパー・ウリエルが演じる。

インタビュー映像では、ギャスパー・ウリエルとブノワ・ジャコー監督が、イザベル・ユペールについて、ジャコー監督独自の作品の準備方法について、そしてウリエルが役を準備する上で心がけていることについて語っている。

イザベル・ユペールとの共演について、ウリエルは「相手を尊敬するほど、圧倒されることは避けられない。刺激的だが恐怖も感じる。それが原動力にもなる」「僕が現場で目にしたものは素晴らしかった。完璧なまでにコントロールされているのと同時に、テイクごとに新鮮さや解放感のある演技で驚かせるんだ」と興奮を隠さずに話すと、ジャコー監督も「役者の演技に関する自由の、最大限にして理想形。それがイザベルだ」と6度目のタッグとなるユペールに惜しみない賛辞を送る。

また、ウリエルはジャコー監督独自のスマートな仕事の仕込み方についても言及。「プロデューサーの家で食事をした際に、映画の話はせずともイザベルとの相性を見られていた。彼は洗練されたやり方で物事を采配するんだ。雰囲気を作ることにも長けていて、役者たちを上手に誘うんだよ」と語る。新たに挑むベルトランという役柄については、「新しい役柄を演じる時は、それまでの役を引きずらない。さもないと繰り返しになってしまう」と自身が心がけていることについて述べる。ジャコー監督は「彼が出た映画は全て観たが、これまでに一度として同じ演技はなかった」と、ウリエルへの役者としての信頼を語る。それを受けて、ウリエルは「新たな経験に新たな気持ちで挑むだけ。それが刺激的だし、興奮する」と自らの役柄へのアプローチ方法を披露した。

『エヴァ』
7月7日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督:ブノワ・ジャコー
原作:ジェイムズ・ハドリー・チェイス「悪女イヴ」(創元推理文庫)
出演:イザベル・ユペール ギャスパー・ウリエル リシャール・ベリ
配給:ファインフィルムズ

【ストーリー】 他人の戯曲を盗んで発表したことで、一躍成功をつかんだ男ベルトラン。2作目を期待されるがペンは進まず、パトロンからは矢の催促が。執筆の場である別荘に着くと、吹雪で立ち往生した男女が窓ガラスを割って入りくつろいでいた。腹を立てたベルトランは、バスタブにつかっていた娼婦エヴァに文句を言おうと近寄るが、彼女に一瞬で心を奪われる。次作の題材という名目でエヴァに近づくが冷たくあしらわれ、思うようにならない関係に苛立ちを募らせたベルトランは、周囲の人間を巻き込み官能と破滅の道を突き進んでいく…。

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