第68回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(監督賞)を受賞した、ウェス・アンダーソン監督最新作『犬ヶ島』が5月25日に公開となる。これに先だち5月22日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにてウェス・アンダーソン監督来日記念舞台挨拶が行われ、共に来日したコーユー・ランキン、ジェフ・ゴールドブラム、日本人ボイスキャストの野村訓市、村上虹郎、池田エライザ、夏木マリ、伊藤晃が登壇した。
全編にわたり日本を舞台とし、“ドッグ病”の大流行によって犬ヶ島に隔離されてしまった愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険をストップモーション・アニメーションで描く本作。野村訓市、ヨーコ・オノ、RADWIMPSの野田洋次郎、村上虹郎、渡辺謙、夏木マリ、伊藤晃、高山明ら個性豊かな日本人ボイスキャストがキャラクター達に息吹を与えている。
ウェス監督は「今日は、ありがとうございます。本当に嬉しい」と満面の笑みで挨拶。13年ぶりに日本に訪れたというウェス監督は「この6年間、日本以外のことは考えていなかった。製作中に娘が生まれて、今二歳半。娘もずっと日本のシーンを観て育ったので、日本に来れたことをとにかく喜んでいる」と幸せそうな家族のエピソードを明かした。
続いてジェフは「偉大なウェス・アンダーソン監督と一緒に来ることができて嬉しい。この映画をとても誇りに思っています」と述べると、主人公を演じたコーユーは「『犬ヶ島』という素晴らしい映画に出させていただき、日本に来ることができてとても嬉しいです」と日本語で挨拶。ウェス監督との思い出を聞かれたコーユーは「3年前、僕は8歳だったので、本当に楽しくて。思い出になりました」と笑顔で語り、会場を和ませた。
ウェス監督は映画の製作中に、自分たちにひとつの質問を投げかけたという。その質問とは「黒澤さんなら、どうするだろうか?」と日本語で述べつつ、「正直言って、努力はしましたが、この答えを出すことに失敗したと思う。ですが、この映画は黒澤監督の影響なくして作ることはできなかった」と日本の巨匠をリスペクトした。
この流れで、日本人ゲストである野村訓市、村上虹郎、池田エライザ、夏木マリらが会場に呼び込まれた。着物で登場した村上は「着物はウェス監督からいただいたもので、『犬ヶ島』仕様」と説明したが、着物の柄を指差して「火の玉の理由が分かっていないので、後で監督に聞きたい」と茶目っ気たっぷりにコメント。詳細が分からないまま本作のオファーを受けという池田は「とりあえず声をとらせていただいて、実際に映画を観させていただいた。こんなにも日本の事を長く思って、こんな素敵な形で表現してくれる方がいるんだと、すごく幸せでした」と監督の日本愛に感動したという。
最後にウェス監督は「皆さんがこの映画を楽しんでくれることを心から願っています。僕にてっては今日がワールドプレミア。日本の方々にぜひこの映画を楽しんでただきたい」とコメントし、イベントは終了した。
『犬ヶ島』
5月25日(金)全国ロードショー
監督:ウェス・アンダーソン
出演(声):ビル・マーレイ ジェフ・ゴールドブラム エドワード・ノートン ハーヴェイ・カイテル ティルダ・スウィントン F・マーレイ・エイブラハム ボブ・バラバン フランシス・マクドーマンド 野村訓市 スカーレット・ヨハンソン グレタ・ガーウィグ ブライアン・クランストン リーブ・シュライバー コーユー・ランキン ヨーコ・オノ 野田洋次郎(RADWIMPS) 夏木マリ 村上虹郎 渡辺謙
配給:20世紀フォックス映画
【ストーリー】 近未来の日本。ドッグ病が大流行するメガ崎市では、人間への感染を恐れた小林市長が、すべての犬を“犬ヶ島”に追放する。ある時、12歳の少年がたった一人で小型飛行機に乗り込み、その島に降り立った。愛犬で親友のスポッツを救うためにやって来た、市長の養子で孤児のアタリだ。島で出会った勇敢で心優しい5匹の犬たちを新たな相棒とし、スポッツの探索を始めたアタリは、メガ崎の未来を左右する大人たちの陰謀へと近づいていく―。
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