第68回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(監督賞)を受賞した、ウェス・アンダーソン監督最新作『犬ヶ島』が5月25日に公開となる。これに先だち5月21日に本作の公開記念スペシャル・ナイトと題されたトークイベントが渋谷のユーロライブで実施され、ウェス・アンダーソン監督と、声優を務めたコーユー・ランキン、ジェフ・ゴールドブラム、野村訓市が登壇した。
全編にわたり日本を舞台とし、“ドッグ病”の大流行によって犬ヶ島に隔離されてしまった愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険をストップモーション・アニメーションで描く本作。野村訓市、ヨーコ・オノ、RADWIMPSの野田洋次郎、村上虹郎、渡辺謙、夏木マリ、伊藤晃、高山明ら個性豊かな日本人ボイスキャストがキャラクター達に息吹を与えている。
舞台に登場したウェス監督は、映画について「日本を舞台にした映画ですが、これは僕のイマジネーションの日本です。日本の文化、日本の方々、何と言っても日本の映画からインスパイアされた僕の日本を描きました。だから僕の発明でもあります」と述べつつ、「日本人の方々から観ると、慣れ親しんだものとは違うかもしれないけど、とにかく楽しんでいただきたい」と、会場に集ったファンに挨拶した。
日本の映画を観て育ったというウェス監督。「最初に観た日本の映画は高校の時に観た『タンポポ』でした。黒澤監督の映画としては『羅生門』が最初。僕はもう若くない、50歳になります。ということは10代から40年近く日本の映画を観続けて、大変影響を受けている」と語った。
日本人声優のキャスティングについて質問されたウェス監督は「オノ・ヨーコさんのことが大好きで、僕の映画の中でも彼女が権利を持っている音楽を使わせていただきました。本作のキャラクターも彼女をモデルして描いたものがあったので、出ていただこうとお願いしたら快諾してくれた」とコメント。続けて、日本人声優のキャスティングディレクターも務めた野村は「野田洋次郎(RADWIMPS) は、もともと違う役だったんですが、ウェスに声を聞かせたら『この子はニュースキャスターにむいている』と(笑)。洋次郎くんに『役が変わって、君はニュースキャスターだ。天気予報を読め』って言った時はビックリしてた(笑)」と裏話も飛び出した。
監督と初仕事となったコーユー少年は「本当に緊張しました。セリフは全部難しかったです」と流暢な日本語でしっかりコメント。「6年間もこの映画に関わり続けている」という監督の話を聞いたジェフは「私は録音スタジオで、たった2時間だけレコーディングした。これだけなんです(笑)。でもとっても楽しかったです」とジョークを交えながら答えて観客を笑わせていた。
『犬ヶ島』
5月25日(金)全国ロードショー
監督:ウェス・アンダーソン
出演(声):ビル・マーレイ ジェフ・ゴールドブラム エドワード・ノートン ハーヴェイ・カイテル ティルダ・スウィントン F・マーレイ・エイブラハム ボブ・バラバン フランシス・マクドーマンド 野村訓市 スカーレット・ヨハンソン グレタ・ガーウィグ ブライアン・クランストン リーブ・シュライバー コーユー・ランキン ヨーコ・オノ 野田洋次郎(RADWIMPS) 夏木マリ 村上虹郎 渡辺謙
配給:20世紀フォックス映画
【ストーリー】 近未来の日本。ドッグ病が大流行するメガ崎市では、人間への感染を恐れた小林市長が、すべての犬を“犬ヶ島”に追放する。ある時、12歳の少年がたった一人で小型飛行機に乗り込み、その島に降り立った。愛犬で親友のスポッツを救うためにやって来た、市長の養子で孤児のアタリだ。島で出会った勇敢で心優しい5匹の犬たちを新たな相棒とし、スポッツの探索を始めたアタリは、メガ崎の未来を左右する大人たちの陰謀へと近づいていく―。
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