園子温、橋口亮輔、矢口史靖、熊切和嘉、李相日、荻上直子、内田けんじ、石井裕也など日本映画界の第一線で活躍する監督たちを世に送り出してきた新人監督の登竜門「PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」。本作を監督した小田学は、528本の応募があった2014年「第36回PFF」のコンペティション部門で21作品に絞られたPFFアワード2014に入選し、革新的でチャレンジングな作品に贈られるジェムストーン賞を受賞した。さらに受賞監督8人のなかから完全オリジナルの脚本で新作の企画を募り、1名のみが権利を獲得できる「PFFスカラシップ」に選出され、製作されたのが小田学監督の長編デビュー作『サイモン&タダタカシ』である。このほど、本作の公開初日が3月24日に決定し、併せて、サイモンとタダタカシの運命が加速しだす川辺のシーン&メイキング写真も公開された。
本作は、工業高校に通う2人の男子高校生・サイモンとタダタカシの青春ロードムービー。親友に叶わない恋心を抱えるサイモンの想いに全く気づかない鈍感なタカシが、男ばかりの学生生活に終止符を打つべく、高校最後の夏休みに“運命の女”を探して旅に出るという物語。それぞれ違う想いを抱えながら進む旅路は、流れ星が降った夜に思いもよらない結末へと向かっていく。
控えめな自分と正反対の親友に翻弄されながらも、己の道を突き進むタカシの無謀な旅についていくサイモン。独特の存在感を持ち、持ち前の透明感で複雑なサイモンの心の機微を演じきったのは、第28回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでフォトジェニック賞を受賞し、本作が映画初出演&初主演となる新星・阪本一樹。繊細で内気なサイモンに対し、ロマンチストでどこか抜けている愛されキャラの相棒・タカシをエネルギッシュかつコミカルに熱演したのは、2018年にデビュー20周年を迎え、映画・ドラマ・舞台とマルチに活躍する俳優・須賀健太。今、最もフレッシュな若手俳優たちが、青春の1ページを描き出す。
■阪本一樹 コメント
映画の出演が決まった時は凄くびっくりしました。なおかつ主演ということを知らされ、演技指導は1、2回しか受けたことがなくとても不安でしたが、やるからにはがむしゃらに自分を見せれればいいなと思いました。物語の始めは男子高校生のくだらないことで盛り上がったり、仲のいい2人が描かれているのですが、話が進むにつれて想像と全く違う結末に進んでいき凄く面白い脚本だと思いました。物語の終盤で普段感情を出さないサイモンの想いが溢れでるところがあります。そこをぜひ見てほしいです。
■須賀健太 コメント
「この映画はどんな映画になるんだ?」というのが初めて脚本を読んだ時の素直な感想でした。だからこそ、小田監督がどう具現化していくのかとても興味深く思いワクワクしたのを覚えています。サイモン役が阪本くんだと知り、いつの間にか事務所に後輩ができていた事に驚いたのですが…笑 撮影を通して阪本くんの持つ空気感がどんどん変わっていくのを1番近くで感じてそれが楽しく、撮影が終わる頃には”謎の親心”が生まれていました。笑
■小田学監督 コメント
(サイモンを演じた阪本一樹について)
阪本くんは、お芝居自体初めての上に、男の友達を好きになる役を演じるのはかなり難しかったと思います。たぶん男のことを好きになったことはないでしょうし…。本人も悩んでいたようで、2人で蚊に刺されながら、公園で辛抱強く稽古を続けたのを覚えています。結果撮影初日には何かが吹っ切れたように楽しそうに演じていて、しっかりと阪本くんのサイモンを見つけることができたんだと思いました。これからの俳優人生でも彼の粘り強さで、いろんな壁を乗り越えてほしいです。お互いに初監督、初出演だったので、そのうち共に成長してまた一緒に仕事が出来たらいいなと、今から思っています。
(タダタカシを演じた須賀健太について)
須賀さんは、やはりキャリアを積み重ねてきてるんだな、と感動しました。とにかく理解が早く、引き出しも沢山あり、僕の指示にすぐに対応してもらえ、思っていた以上のお芝居をしてもらえました。撮影現場では明るい雰囲気を作ってくれて、とても勉強させてもらいました。まっすぐで明るいタダタカシにぴったりの、超タダタカシでした。この映画を作るにあたって、物語よりも、「サイモン」と「タダタカシ」を見て、“なんかいいコンビだなー”って思ってもらえれば成功なんだ、と思えた事が阪本くん、須賀くんで良かったと思えた一番の事でした。
『サイモン&タダタカシ』
3月24日(土) シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
監督・脚本・編集:小田学
出演:阪本一樹 須賀健太 間宮夕貴 井之脇海 田中日奈子 山本圭祐 大島蓉子 菅原大吉
配給:日活
【ストーリー】 工業高校3年生。卒業後は大学に進学するサイモンと、実家の工場を継ぐ親友のタダタカシ。男だらけの生活に焦ったタカシは、サイモンと共に“運命の女”を探すための旅に出る。ギター片手に全力で突き進むタカシに対し、秘めた想いを伝えられないサイモン。夜空に流れ星が降った夜、それぞれの想いを抱えた旅は、予測できない結末へと進みだす。
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