第50回トロント国際映画祭国際観客賞受賞、第83回ゴールデングローブ賞3部門ノミネートを果たしたパク・チャヌク監督最新作『しあわせな選択』が、3月6日(金)より日本公開となる。それに先立ち、2月27日(金)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにてジャパンプレミアイベントが開催され、パク・チャヌク監督、主演のイ・ビョンホン、そしてゲストとして俳優・河合優実が登壇した。

本作は、『オールド・ボーイ』『別れる決心』などで世界を魅了してきた巨匠パク・チャヌク監督が、“突然の解雇”という現代社会のリアルを題材に描く人間ドラマ。スリラーの緊張感と、これまでの監督作には異例とも言える弾けるユーモアが交錯する、ジャンル横断型の意欲作だ。主演は『JSA』以来、長編映画としては25年ぶりのタッグとなるイ・ビョンホン。本作での演技が高く評価され、韓国人として初のゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされた。
満員御礼となった会場で、パク監督は「日本は一番近い国ですが、公開は一番遅くなりました。色々な国で上映していただき、その最後に日本でこうして挨拶できるのは嬉しい事です」と笑顔。さらに、韓国人として初めてカンヌ国際映画祭の審査員長を務めることが発表されたばかりとあって、「どんな審査員で構成され、どのような作品が出品されるのか。どんな刺激を受けるのか、今からワクワクしています」と胸の内を明かした。
一方、2017年の『MASTER/マスター』以来9年ぶりの来日となったイ・ビョンホンは、「ついに日本の皆さんに観ていただけるようになりました。映画を通して僕らが見せようとしたものを受け取っていただけたら幸いです」と、待ちわびた日本公開への想いを語った。
ビョンホンは本作について、「笑った次の瞬間にふと寂しく憂鬱な気持ちになり、また爆笑するという非常に不思議な映画。パク監督作の中でも極めてユニーク」と紹介。「観客を笑わせようと意識したことはない。キャラクターの感情に忠実に演じました」と、リアルな演技へのこだわりを明かした。
パク監督も「悲劇と喜劇は切り離せない。人生も同じで、悲しみと面白さは共存している。本作では様々な感情が一気に押し寄せ、それが一つに混ざる形を狙いました」と、本作のトーンを説明。ブラックユーモアと切実な現実が同時に胸に迫る作品であることを強調した。
イベント中盤には、ゲストとして河合優実が登壇。パク監督とビョンホンに花束を贈呈し、「私の世代にとってはレジェンドのようなお二人が、こんなにも挑戦的に楽しませてくれて、映画の世界に迷い込ませてくれたことがとても嬉しかった」と絶賛した。
これにパク監督は「レジェンド…?年寄りとしては面白い映画を撮ったという意味なのかな?」とユーモアで応酬し、会場を和ませる一幕も。さらにビョンホンは河合について「年齢に比べて力のある方。映画に対する真摯な姿勢を持つ素晴らしい日本人俳優のお一人」と絶賛。「とにかくお会いしたかった」と語ると、河合は「ちょっと信じられないです」と恐縮しきりだった。
アジア映画界の未来について問われたパク監督は、「映画館を守りたい。映画は映画館で観るものだという常識が崩れつつある今だからこそ、映画館で観るべき映画を作り続けたい」と力強く宣言。
ビョンホンは「人間が表現できる新たな感情のスタイルは何か?それを探し続けたい」と俳優としての探究心を語り、河合も「若輩者の私にも映画が危機に瀕している感覚はある。どう映画を残していくかに取り組んでいきたい」と真摯に応じた。
最後にパク監督は「とても笑える面白い映画になりました。面白いと思ったら首をかしげず大いに笑って楽しんでほしい」とPR。ビョンホンも「ブラックな笑いと切なさ、憂鬱な現実を一つ一つ感じて楽しんで」と呼びかけ、イベントは大きな拍手に包まれた。







■作品情報
『しあわせな選択』
3月6日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督:パク・チャヌク(『オールド・ボーイ』『お嬢さん』『別れる決心』)
出演:イ・ビョンホン、ソン・イェジン、パク・ヒスン、イ・ソンミン、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォン ほか
2025年/韓国/韓国語・英語/カラー/スコープサイズ/139分/PG-12
英題:NO OTHER CHOICE
日本語字幕:根本理恵
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
【ストーリー】製紙会社で25年間働き、理想的な家庭と人生を築いてきたマンス。しかし突然の解雇によって、そのすべてが崩れ去る。再就職もままならない中、彼が思いついた衝撃の“選択”とは――「ライバルがいなくなれば、仕事は手に入る」。悲劇と喜劇が交錯するブラックヒューマンドラマ。
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