ワーナー・ブラザース映画の集大成として開催された「ワーナー・ブラザース映画ファンフェスティバル」の最終日、グランドフィナーレを飾ったのは、日本映画史に名を刻むアクション感動大作『るろうに剣心』シリーズの舞台挨拶だった。全シリーズの監督を務めた大友啓史、アクション監督の谷垣健治に加え、主人公・緋村剣心を演じた佐藤健、神谷薫役の武井咲、相楽左之助役の青木崇高、巻町操役の土屋太鳳がサプライズで登壇し、会場は大きな歓声と拍手に包まれた。

2011年のクランクインから約15年。シリーズを通して剣心を演じ続けてきた佐藤健は、「『るろうに剣心』が、ここまで大きなシリーズになるとは思っていなかった。当時は“今日を生き残る”ことで精一杯だった」と振り返る。原作ファンとして実写化への不安も大きかったというが、谷垣監督が構想したアクション映像を目にした瞬間、「見たことのないクオリティで、“これなら実写化できるかもしれない”と希望を感じた」と、その転機を明かした。
大友監督は、本シリーズが自身のキャリアにとっても大きな礎となったことを告白。「10年戦える若いスタッフと共に作り始めた作品で、結果的に多くの人のキャリアのスタートになった」と語り、実写ならではのリアリティを追求するため、モーションキャプチャーではなく“役者の身体”にこだわった制作姿勢を振り返った。
アクション面について谷垣監督は、「実写でしかできない表現を考えた末、行き着いた答えが“役者に頑張ってもらうこと”だった」と断言。土屋太鳳も「谷垣さんの“アクションは心”という言葉が、今もお芝居の核になっている」と語り、本作が俳優人生に与えた影響の大きさを明かした。
武井咲は当時17~18歳で現場に立った心境を振り返り、「“どれだけやれますか?”と問われ、言葉ではなく芝居で示すしかなかった。自分にとって大きなターニングポイントになった作品」と吐露。青木崇高は、全国・海外を駆け巡った過密な宣伝活動を懐かしみつつ、「ワーナーさん、本当にありがとうございます!」と感謝を伝えた。
舞台挨拶の終盤、佐藤は満員の客席を見渡しながら、「『るろうに剣心』は、僕に大切な出会いと仲間をくれた作品。この作品は僕の自慢であり、誇りであり、宝物です。形は変わっても終わりではない。また一緒に映画界を盛り上げていきましょう」と熱いメッセージを送った。100年にわたるワーナー・ブラザース映画の歴史を締めくくるにふさわしい、感動的なフィナーレとなった。


■作品情報
タイトル:るろうに剣心(シリーズ)
監督:大友啓史
原作:和月伸宏
出演:佐藤健、武井咲、青木崇高、土屋太鳳 ほか
製作・配給:ワーナー・ブラザース映画
©和月伸宏/集英社 ©映画「るろうに剣心」製作委員会

