ジョニー・デップ「アル・パチーノから“謎の電話”がかかってきたんだ」監督オファーの裏側を明かす

ジョニー・デップが約30年ぶりにメガホンを取った映画『モディリアーニ!』。その公開を記念し、12月2日(火)にTOHOシネマズ 六本木ヒルズでレッドカーペットとジャパン・プレミアが実施された。イベントにはジョニー本人が登壇し、日本のファンへ熱いメッセージを届けた。

会場前のレッドカーペットには、まず“KDDIのPontaパス”でおなじみのポンタ君がサプライズ登場し、観客から笑いと歓声が巻き起こる。続いて俳優の街田しおんが登場し、「ジョニー・デップさんはメジャーからアート作品まで幅広く出演される方。本作では“アーティストのジョニーがアーティストをどう描くのか”が楽しみです」とファンとしての思いを語り、場を温めた。

そして約30分後――ついに本日の主役、ジョニー・デップが3名のプロデューサーとともにレッドカーペットへ。「こんばんは、ありがとう」と日本語で挨拶すると、会場の熱気は一気に最高潮に。ジョニーは続けて、「私たち全員、ここに来られて光栄です」とコメントし、会場を沸かせた。

さらに本作について質問されると、「この作品はこれまでと毛色が違うと思う。モディリアーニや当時のアーティストたちを“きちんと描かないといけない”と思った。自伝ではなく、彼の仲間たちとの“喧騒の3日間”を詰め込んだんだ。ぜひ気に入ってもらえると嬉しいよ」と、そのこだわりを語る。

ファンサービスも全力で、沿道のファン一人ひとりに声をかけながらサインに応じ、写真撮影にも笑顔で対応。最後には「サンキュー!」と投げキッスまで披露する“神対応”ぶりで会場を魅了した。

上映前の舞台挨拶でも、ジョニーは終始リラックスした様子で日本のファンに感謝を伝えた。「今日は会いに来てくれてありがとう」と挨拶したジョニー。30年ぶりの監督作となった本作の経緯について聞かれると、「実はアル・パチーノから“謎の電話”がかかってきたんだ。『ヘイ、ジョニー。モディリアーニの監督をやった方がいいよ』って突然言われてね。彼が何を思って連絡してきたかは分からなかったけど、僕を信頼してくれている証だと思った」とエピソードを披露。

続けて、「題材にも惹かれたし、“自分が出演しなくていい”というのも決め手だった。役を演じるのではなく、“表現してほしい”と言われたんだ。色々調整して、こうして映画が完成した」と制作の裏側を語った。

モディリアーニの3日間を描くことについては、「非常にハングリー精神と情熱があって、諦めない“自分らしさ”を貫いていた。彼が歩んできた人生を強く感じたよ」と敬意を込める。

舞台挨拶にはスペシャルゲストとして俳優・アーティストの赤西仁がサプライズ登壇し、ジョニーに花束を贈呈。赤西は、「今日はお祝いに来ただけで、このあと食事に行く予定なんです。登壇する予定じゃなかったけど……今日は暇だったので(笑)。ジョニーとは共通の知り合いがいるんです」とユーモアたっぷりに挨拶。二人がにこやかに言葉を交わす場面に、会場から温かい拍手が起きた。

さらにジョニーは終始、通訳の女性の近くに寄ったり、ポスターパネルの後ろに隠れたりとお茶目な行動を繰り返し、会場を何度も沸かせた。最後には改めて観客に向けて、「この作品を気に入ってくれると本当に嬉しい」とメッセージを送り、大歓声の中でプレミアは幕を閉じた。

■作品情報
『モディリアーニ!』
2026年1月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督:ジョニー・デップ
脚本:ジャージー・クロモウロウスキ、マリー・オルソン・クロモロウスキ
原作:戯曲「モディリアーニ」(デニス・マッキンタイア)
出演:リッカルド・スカマルチョ、アントニア・デスプラ、ブリュノ・グエリ、
ライアン・マクパーランド、スティーヴン・グレアム、ルイーザ・ラニエリ、アル・パチーノ
2024年/イギリス・ハンガリー/108分/英語・仏語・伊語/5.1ch
原題:Modi: Three Days on the Wing of Madness
配給:ロングライド、ノッカ
協賛:LANDNEXT、セレモニー

ストーリー:
1916年、戦火のパリ。警察に追われ、キャリアを捨て街を去ろうとする芸術家モディリアーニ。しかし、画家仲間ユトリロ、スーティン、ミューズのベアトリスらが彼を引き止める。混乱する心を抱えながら画商ズボロフスキに助言を求めるモディは、やがて人生を変えるアメリカ人コレクター、モーリス・ガニャと出会う——。激動の“狂気と情熱の3日間”が彼の運命を大きく揺さぶっていく。

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