在日ミャンマー人の「自由」を求める姿を見つめたドキュメンタリー『在日ミャンマー人 ―わたしたちの自由―』公開決定

映像ジャーナリスト・土井敏邦監督が、在日ミャンマー人の若者たちの姿を14年にわたり追い続けてきた最新ドキュメンタリー映画『在日ミャンマー人 ―わたしたちの自由―』の劇場公開が決定した。前作『異国に生きる-日本の中のビルマ人-』(2013年公開)の続編的位置づけとなる本作では、2021年の軍事クーデター以降、祖国の危機に向き合いながら日本で懸命に生きる若者たちの姿が、多角的な視点で描かれていく。メインビジュアルもあわせて解禁され、土井監督による深い思索に満ちたコメントも到着した。 

2021年2月1日、ミャンマー軍事クーデター。この日を境に、若い在日ミャンマー人たちの現実は大きく揺れ動く。国軍による武力弾圧が続く祖国を前に、日本で暮らす約5万人のミャンマー人たちは直ちに行動へ移り、全国各地で抗議デモを実施。技能実習生として働く若者たちも休日を返上して東京に集まり、募金活動や情報発信に奔走する。

本作は、こうした在日ミャンマー人たちの生の声と行動を、三部構成で丁寧に追っていく。

【第一部】
デモに立ち上がった若者たちの本音に迫る。さらに前作の主人公・チョウチョウソーの“その後”を取材。祖国に平和を取り戻したいという切実な願いと、その裏にある葛藤が浮かび上がる。

【第二部】
国境を越え、タイ側へ避難した子どもたちが通う学校を支え続ける在日ミャンマー女性の活動を記録。遠く離れた場所で「守ろうとする力」を示し続ける彼女の姿は、分断が進む世界の中で“つながり”の意味を改めて問いかける。

【第三部】
軍事政権との繋がりが噂される日本ミャンマー協会へもカメラを向け、問題の本質に迫る。“自由を求める声”と“国家の力”がせめぎ合う現実を、映像は真正面から描き出す。

土井監督は、在日ミャンマー人の若者たちの姿を通して、日本人自身にも大きな問いかけがあると語る。「若い在日ミャンマー人たちが必死に軍事政権の打倒を訴える姿は、私たち日本人に『祖国とは何か』『自由とは何か』『民主主義とは何か』を問いかけている」「“人間が人間らしく生きる”ために何が必要なのか――。本作を作り続けることは、その答えを探す暗中模索の営為だった」。パレスチナ、フクシマ、そしてミャンマー。長年にわたり世界の「痛み」と向き合ってきた監督ならではの視点で、普遍的なテーマを静かに深く見つめるドキュメンタリーとなっている。

■作品情報
タイトル: 『在日ミャンマー人 ―わたしたちの自由―』
監督・撮影・編集・製作: 土井敏邦
編集協力: 尾尻弘一
整音: 川久保直貴
宣伝デザイン: 野田雅也
配給: きろくびと
2025年|日本|171分
公開:
1月30日(金)アップリンク吉祥寺
2月14日(土)新宿K’s cinema
ほか全国順次公開

© DOI Toshikuni