ロンドンの街を舞台に、生活のために窃盗を繰り返す若き“スクーターギャング”たちの現実と葛藤を描いた青春クライムアクション『ガスト・アップ』(原題:GASSED UP)が、12月12日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開されることが決定した。あわせて、日本版メインビジュアルと予告編、ジョージ・アンポンサ監督のコメント動画が解禁された。
2017年以降、ロンドンで急増したスクーター強盗やひったくり事件。本作は、そんな現代イギリスの社会問題を背景に、移民・貧困・家庭環境といった要素が若者を犯罪へと駆り立てるリアルな現実を、UKヒップホップのビートに乗せて鋭く描く。
監督を務めるのは、ドキュメンタリー作品『The Hard Stop』『Black Power: A British Story of Resistance』で英国アカデミー賞にノミネートされたジョージ・アンポンサ。本作で初の長編劇映画に挑戦し、第67回BFIロンドン映画祭では観客賞を受賞した。
主演は『ブルー・ストーリー』で知られるステファン・オドゥボラ。そしてNetflix実写版『ONE PIECE』でサンジ役を演じたタズ・スカイラーが、ギャングの一人として出演しながら共同脚本も担当。さらに、ユーロヴィジョンUK代表メイ・ミュラーや、世界的ラッパーMs Banks、人気YouTuberハリー・ピネロらも登場し、ストリートの空気をリアルに再現している。
公開された日本版メインビジュアルには、ロンドンの高層ビル群を背に並び立つ5人のスクーターギャング、アッシュ、ダブズ、ローチ、カブズ、モールの姿が。彼らの表情からは、若さゆえの激情と迷いが読み取れる。
予告編では、Benzz「Je M’appelle」をバックに、バイクが疾走するオープニングから一気に引き込まれる。「やり切ればなんでも手に入る」という甘い言葉に乗せられ、犯罪に手を染めていく若者たち。やがて報酬が膨らむにつれて危険度も増し、組織の闇に飲み込まれていく。アッシュたちが最後に選ぶのは、“家族”か、それとも“スリルに満ちた危険な世界”か——。
【ジョージ・アンポンサ監督 コメント】
「日本で『ガスト・アップ』が公開されることにとてもワクワクしています。ドキュメンタリー制作で学んだ“真実味”や“リアリティ”を、本作で新たな表現に昇華できました。スリルと犯罪を描く映画として始まったこの物語は、最終的に“愛”や“忠誠心”、そして“生き抜く力”についての物語に変化していきました。日本の観客の皆さんにも、この物語が新たな対話を生むきっかけになれば嬉しいです。」
▼予告編
◆作品情報
タイトル: ガスト・アップ(原題:GASSED UP)
公開日: 2025年12月12日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
監督: ジョージ・アンポンサ
脚本: アーチー・マドックス、タズ・スカイラー
出演: ステファン・オドゥボラ、タズ・スカイラー、スティーヴ・トゥーサント、クレイグ・ミドルバーグ、イェレナ・ガヴリロヴィッチ、メイ・ミュラー ほか
上映時間: 102分
製作国: イギリス(2023年)
配給: ライツキューブ
日本語字幕: 大塚美左恵
ストーリー:
20歳の青年アッシュは、早くに父を亡くし、精神的に苦しむ母と幼い妹を支えるために犯罪組織に身を置く。バイクで街を駆け抜けながら人々の貴重品を奪う日々。しかし、次の標的が叔父のバイク店に決まったとき、アッシュの心は大きく揺れる——。「真っ当に生きること」と「汚い金の誘惑」の間で揺れ動く若者の選択の行方を、リアルでスリリングに描き出す。
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