8月7日(木)、東京・TOHOシネマズ日比谷で映画『兄を持ち運べるサイズに』の完成披露上映会が行われ、柴咲コウ、満島ひかり、青山姫乃、味元耀大、中野量太監督が登壇した。公開は11月28日(金)ながら、異例の4か月前の披露となったこの日、会場は温かい拍手と期待感に包まれた。
本作は、作家・村井理子の実体験をまとめたノンフィクションエッセイ「兄の終い」を原作に、中野監督が脚本・監督を務め映画化。絶縁状態だった兄の突然の死から始まる家族のドタバタの4日間を描く。
兄の元妻・加奈子を演じた満島ひかりは、「脚本を開いて、馬鹿みたいに泣いちゃって、感動しました」と、第一印象を振り返る。さらに、「柴咲さんもオダギリさんも、しっかり共演したことがなかったので、憧れの方々と一緒にお芝居ができたことは大きかったです。完成した作品を観ても、これまでの2人とは違う表情がありましたし、青山姫乃ちゃんの肝の据わり方にも驚かされました」と、共演者への賛辞を惜しまなかった。
撮影中の思い出としては、「柴咲さんも私もお弁当持参派で、つくっているものを見るのが楽しかったです」と笑顔で語り、現場での温かな空気感をにじませた。さらに、本作にちなんで「伝えられなかった大切なこと」について問われると、「スタッフの皆さんが何気なくこぼす家族の話が胸に残っていて、自分も“いる間に、いる人に何ができるか”を考えるきっかけになりました」としみじみ話した。
主演の柴咲コウは、「プライベートな姿や内省的な瞬間を切り取ってもらえた気がします。お芝居の域を超えて、自分の新しい一面を発見できました」と語り、中野監督は「実話ならではの温かさと笑いを届けたい。この作品を皆さんと一緒に育てていけたら」と観客へメッセージを送った。
舞台挨拶の終盤には、オダギリジョー演じる“兄”の巨大パネルも登場し、フォトセッションで会場は笑顔に包まれた。公開への期待がますます高まるイベントとなった。
■作品情報
タイトル:『兄を持ち運べるサイズに』
原作:「兄の終い」村井理子(CEメディアハウス刊)
脚本・監督:中野量太
出演:柴咲コウ オダギリジョー 満島ひかり 青山姫乃 味元耀大
公開日:2025年11月28日(金)
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会