原田マハの人気小説を伊藤沙莉主演で映画化した『風のマジム』の“沖縄最速試写会”が7月3日、那覇市・シネマQで開催され、主演の伊藤沙莉、芳賀薫監督、企画プロデューサーの関友彦が登壇。満席の会場には、地元・沖縄での上映を心待ちにしていた観客が詰めかけ、終始温かな雰囲気に包まれた舞台挨拶となった。
イベント冒頭、まず関プロデューサーが「この映画を沖縄で最初にお届けできることに感謝しています」と挨拶。続いて登壇した伊藤沙莉が「ただいま!」と沖縄への帰還を笑顔で伝えると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
伊藤は約7か月ぶりの沖縄訪問となり、「サトウキビ畑での撮影が特に印象的で、ロケーションの力を強く感じました」と振り返る。関プロデューサーも「ティザービジュアルにも採用したくらい、本当に素晴らしい風景でした」と語り、撮影地・南大東島への思いを共有した。
脚本を読んだ時の印象について、伊藤は「最初から印象は変わっていません。本当に温かくて、人とのつながりや家族の支えが詰まった作品です。誰も傷つかない、優しさに満ちた物語で、今こそこういう作品が必要だと思いました」と熱く語り、本作への参加を即決した理由を明かした。
芳賀監督は、「主人公・まじむの人生の分岐点となる瞬間のひとつひとつを丁寧に描きたいと思いました。沖縄の自然や文化、人々の暮らしが作品に反映されています。地元の皆さんに好きになっていただけたら嬉しいです」と語り、「見終えた後、優しい気持ちで“明日も頑張ろう”と思ってもらえたら」と観客にメッセージを送った。
会場には終始笑顔と拍手が絶えず、沖縄から全国へと“まじむ(真心)”の風が広がっていくことを感じさせる温かなイベントとなった。
■映画『風のマジム』作品情報
STORY:
那覇で豆腐店を営む祖母と母と暮らす伊波まじむ(伊藤沙莉)は、通信会社の契約社員として働く日々。ある日、通い慣れたバーでラム酒の魅力に目覚めたまじむは、社内ベンチャー制度で「南大東島産のサトウキビからラム酒をつくる」企画を提案。やがてその夢は、家族、会社、島民を巻き込む大きなプロジェクトへと発展していく――。
出演:伊藤沙莉、染谷将太、尚玄、シシド・カフカ、橋本一郎、小野寺ずる、なかち、下地萌音、川田広樹、眞島秀和、肥後克広、滝藤賢一、富田靖子、高畑淳子
原作:原田マハ『風のマジム』(講談社文庫)
主題歌:森山直太朗「あの世でね」(ユニバーサル ミュージック)
監督:芳賀薫
脚本:黒川麻衣
配給:コギトワークス、S・D・P
公開日:2025年9月12日(金)全国公開、9月5日(金)沖縄県先行公開
©2025 映画「風のマジム」 ©原田マハ/講談社