三谷幸喜新作ドラマに松山ケンイチ、⼩池栄⼦らが出演!田中圭主演「おい、太宰」

舞台、映画、ドラマなど常に大ヒット作品を放ち続ける三谷幸喜が脚本、監督を務め、田中圭が主演する“完全ワンシーンワンカットドラマ”シリーズ「おい、太宰」が、WOWOWにて6月29日より放送・配信される。このほど、追加キャストとして⼩池栄⼦、宮澤エマ、梶原善、松山ケンイチの出演が発表された。

オリジナル脚本と自ら監督を務める“完全ワンシーンワンカットドラマ”シリーズが、12年の沈黙を破りつ登場。三⾕幸喜の⻑年の夢であった、⼀度もカメラを⽌めずに全編を撮影する“完全ワンシーンワンカット”。初のテレビドラマ監督作で山道に迷い込んだ夫婦を描いたシリーズ第1弾「short cut」、空港を舞台に大騒動を巻き起こす群像コメディの第2弾「大空港2013」と人気シリーズとして好評を博してきた。そして、待望の第3弾「おい、太宰」で、三⾕が「山」「空」の次に選んだのは「海」。海辺を舞台に、太宰治を敬愛する男が時代を超えて奮闘するタイムスリップコメディだ。

平凡な会社員・⼩室健作は、妻の美代⼦と⼀緒に出席した結婚披露宴の帰り道、敬愛する太宰治が⼼中未遂を起こした海辺に迷い込む。太宰ゆかりの地に興奮した健作は、⽌められたにも関わらず暗い洞窟を進んでいく。その先にいたのは、なんとあの太宰に⽠⼆つの男。健作は太宰の⽣きた時代にタイムスリップしてしまったのか!?

三⾕作品初主演となる田中圭が主人公・⼩室健作役を演じる。そして、太宰に惚れ込んでいる恋人・矢部トミ⼦役には、三⾕幸喜脚本の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での北条政⼦役の好演も記憶に新しい小池栄子、健作の妻・⼩室美代⼦役には、今ではすっかり三⾕作品の常連となった宮澤エマ、健作と出会う漁師・打雷次郎役には、三⾕が監督した全ての映画に出演している唯⼀の俳優・梶原善。なんと梶原は、次郎の双⼦の兄・四郎、⽗親の四郎次郎も合わせて1人3役を演じる。さらに、注目の集まる太宰治役には太宰の同郷・⻘森県出⾝の実⼒派俳優・松山ケンイチに決定。膨大なセリフがある上、約100分間⼀度もカメラが⽌まらないという“NG”が許されない極限の緊張感。そんな過酷な撮影の中、個性溢れる実⼒派キャストたちは、三⾕作品らしい⼀癖も⼆癖もある役どころをどのように演じ切るのか!?

▼スタッフ&キャスト コメント

■三谷幸喜(脚本・監督)
Q:「short cut」「大空港2013」に続く、完全ワンシーンワンカットドラマ第3弾となる本作への思い
2011年の第1弾「short cut」から14年が経ちました。その間にワンシーンワンカットの⻑回しの作品が海外でもたくさん⽣まれ、1つのジャンルとして定着してきました。その中で僕が考える理想的なワンシーンワンカットは舞台と映像の面白さのいいとこ取り。演劇的ですが演劇では絶対できない面白さがあり、こういうドラマは他にはありません。役者さんの素晴らしさ、奇跡のような瞬間を⾒ることができます。シリーズ3本目にして、ようやく何か1つの到達点に来たかなと感じています。

Q:キャストの皆さんの魅⼒
⽥中さんはこの作品をやるために⽣まれてきたんじゃないかというぐらいに素晴らしかったです。100分ほぼずっと⾛り回る役で相当疲れているはずですが、そういった姿を⾒せることがなかった。膨大な台詞も完璧でしたし、ものすごく頼りになる俳優さんです。⼩池さんは画に⼊った瞬間に不思議と格調というか全体が締まるんです。昔の日本映画を⾒ているような感じがして、本当に素敵な⼥優さん。⼩池さんでなければ成⽴しないような、すごく面白い場面が多々ありますので、そこは⾒どころです。宮澤さんは追い詰められると底知れぬパワーが出るんです。彼⼥がどんどん海に⼊っていくシーンがあるんですけど、びしょびしょになりながら絶叫してはじけた感じというのは、面白さとおかしさと何か悲しさみたいなものもありました。梶原善はシリーズ3本全部に出ています。これはある意味、梶原善のシリーズだと言ってもいいぐらい。今回は1人3役をやるんですが、早着替えもあり、本人も本当にくたくたになっていました。上手く3役を演じていて⾒ごたえがあります。松山さんは太宰治に思い⼊れがすごく強い方だったので、方言にもこだわり、最終的には⾝も⼼も太宰になりきっていました。太宰はかっこいい人という印象があるかもしれないですが、松山さんはハンサムだけどひょうきんでお茶目、すごく人間的な太宰治を演じてくれました。

■小池栄子(矢部トミ子役)
三⾕さんのワンカットシリーズには出たいな。けど大変そう。でもいつか出たいな。と思っていたので、オファーを受けた時は嬉しさとドキドキとがありました。皆で舞台のように稽古し、撮影は1日1回!スタッフと共に気持ちを⼀つにし集中して挑む。何が起こるか分からない、アドレナリン出まくりで中毒性があり楽しかったです。芝居は何があっても⽌めない。という基本に⽴ち返る事ができ、素晴らしい体験でした!

■宮澤エマ(小室美代子役)
今まで参加させて頂いたどの三⾕作品でも創造⼒と瞬発⼒を試されていると感じましたが、「おい、太宰」の撮影は更に集中⼒と対応⼒も求められる経験したことのない緊張と戦う現場でした。稽古で作り上げた土台はあったものの、実際のロケーションでの撮影は日々変わる潮の満ち引きや天候との調整、その都度変わらざるを得ないタイミングやアクシデント(そして三⾕さんの閃き)に全員で臨機応変に⼒を合わせて作り上げていくプロセスでした。私が演じた美代⼦も稽古場から自然の中に解き放たれて日毎にスパークして⾏き、最終的には稽古場と全く別人になった気がします。ワンカットだと忘れてしまうカメラワークのその後ろで汗⽔流しながら全⼒で⾛り、隠れ、着替える姿を⾒て欲しいと思ってしまうほどカメラの裏側にもたくさんのドラマがありました。そんな裏側にも思いを馳せながら観ていただければ面白さも更に倍増するかと思います。

■梶原善(打雷次郎・打雷四郎・打雷四郎次郎役)
またまたまた、ワンシーンワンカットドラマのお話を頂いた、3回目である。今度はどんな話になるのかと思ってワクワクした。ワンシーンワンカットでやると思うとワクワクします「始まったら⽌められない“やっちまえ”」って。がしかし今回は正直、今までで⼀番大変だったかも…それは潮の満ち引きが大いに関係してくるから。潮が満ちて引くといろいろと状況が変わる。現場の状況、スタート時間、となると僕の起きる時間などなど。もっともっといろいろと大変だったと思う。スタッフ皆様、本当におつかれ様でした。その苦労のおかげで凄いおもしろい作品になったのではないかと!どうぞお楽しみ下さい。

■松山ケンイチ(太宰治役)
ワンカット⻑回しは本番中に全く関係ない現地の人が⼊ってきても俳優の誰かが放屁してもそれを踏まえて続けていかなければいけないので本番中に何が起こるのかという楽しい緊張感がありました。仕事でまた再会できた方もいて嬉しかったですし、今回初めてご⼀緒させていただいた方とも素敵な時間を過ごせたように思います。撮影場所となった伊豆の景色も素晴らしく、その穏やかでゆったりとした景色も楽しんでもらえると思います。

ドラマW 三谷幸喜「おい、太宰」
2025年6月29日(日)午後10:00 WOWOWにて放送・配信
監督・脚本:三⾕幸喜
出演:⽥中圭 ⼩池栄⼦ 宮澤エマ 梶原善 松山ケンイチ

【ストーリー】 ⼩室健作(⽥中圭)は太宰治をこよなく愛する平凡な会社員。妻の美代⼦(宮澤エマ)と⼀緒に出席した結婚披露宴の帰り道、ある海辺に迷い込む。地元の漁師(梶原善)にバス停の場所を教えてもらうも、バスは当分来ない。仕方なく散策していると、そこが太宰の⼼中未遂の浜だと判明する。太宰ゆかりの地に興奮した健作は、早く帰りたい妻に反対されながらも吸い寄せられるように浜辺の⼀⾓にあった暗い洞窟の中を進んでいく。すると、洞窟を抜けた健⼀の前に現れたのは――なんと、太宰治(松山ケンイチ)と恋人のトミ⼦(⼩池栄⼦)ではないか︕タイムスリップしてしまった健作はトミ⼦に⼀目惚れをする。しかし、史実に基づくと、この後すぐ2人は⼼中をしてしまう。どうにかしてトミ⼦を助けたい︕でも歴史を変えていいのか︖葛藤を抱えた健作の奔⾛が始まる。