39歳の独身娘、65歳の能天気な父、20歳の父の再婚相手の3人家族に、江口のりこ、笑福亭鶴瓶、中条あやみが扮する、尼崎を舞台にした笑いあり、涙ありのコメディ映画『あまろっく』が公開中。そのヒットを記念して、 6月16日に大阪ステーションシティシネマにてロングラン上映・御礼舞台挨拶が行われ、中条あやみ、笑福亭鶴瓶、中村和宏監督が登壇した。
まずは中条が「こんなにたくさんの人が映画館に来てくださって嬉しいです。公開から2ヶ月経ってるのに、こんなに広いところを借りて、3、4人しかお客さんがいなかったら悲しいから、お客さんが入ってくれないんやったらやりたくないって言ってたんです。こんなに入っていただいて感無量です」と挨拶した。
鶴瓶も「中条がいろんな映画館を回ってるって言うから俺もほっとかれへんと思ってたけど、俺は、はよ死ぬねんで」と恨み節を言うと場内からは笑い声が。続けて、「公開から2ヶ月経ってたら、普通の映画やったら7人ぐらいやで。何回も観てる人がいてはんねん。嬉しいことですよ」と笑顔だった。
監督も、この映画館の支配人から先ほど聞いたこととし、「本当は今日で上映が終わるはずだったけど、こんなにたくさん入ってくださったから、もしかしたらまだ上映が延びるかも」と明かすと、場内からは拍手が。本日の舞台挨拶のチケットが売れてるか気が気じゃなかった監督は「500席と聞いたので、売れる?と思って。毎日、売れてるかどうか確認してた」と明かした。
今週、尼崎や西宮でも舞台挨拶をしていたという中条。「どんだけこの映画好きやねんというぐらい(笑)」と笑わせると、鶴瓶は「行って当然ですよ。中条の代表作になるよ」と称賛すると、場内からは大きな拍手が起きた。
去年の3月4月に撮影したという本作。鶴瓶は「神崎川の匂いとか覚えてるよね(笑)」と笑わせ、「中村組は和気あいあいとしてて、スタッフがいいんですよ。助監督が「カット、どうでっしゃろ?」って言うって。そんなんないよ(笑)」と明かすと、中条も「東京ではそんなんないです」とのっかると、監督が「普通はいかがでしょうか?って聞くんですけど」と説明。鶴瓶も「祭りの屋台のおっさんみたい」と笑わせた。
中条は「撮影もスケジュールがタイトで大変だったけど、全員で力を合わせて撮ったので、思い出がたくさんある」と言い、「台風のシーンもおじさんが一生懸命扇風機を持って走ってて(笑)。すごくアナログな現場でした」と振り返ると、鶴瓶も「江口(のりこ)が、走りながら泣かなあかんのに、隣で走ってたおっさんがひっくり返って、「あんなん泣けるか!」って(笑)」と明かした。
鶴瓶との夫婦役について中条は「ちょっと無理やな(笑)と思った」と言うと、鶴瓶は「あほか!こっちはすごい人とばっかり夫婦役してきたんや。お姉さん役やけど吉永小百合さん、この前は原田知世さんとか」と張り合ったうえで、監督に「なんで?江口のりこやったらギリギリわかりますよ。なんで中条やったん?」と質問すると監督は「(娘の)優子が一番嫌がるシチュエーションが何か考えた。仲の悪い2人が竜太郎さんのおかげで家族になっていく、と。スレてないピュアな早希ちゃんにした」と明かすと、鶴瓶は「スレまくってるやん」とつっこんでいた。
鶴瓶が「なんで俺は雷にうたれて死んだん?」と監督に尋ねると「雷にうたれて死んだんじゃないですよ。ランニングですよ。急に走ったから」と返答すると、中条は「早希ちゃんが犯人やん。「走っといで」って言ったから」と驚きの表情。監督が「犯人とかないから。雨の中で冷えたから」と否定すると、中条と鶴瓶は「え?雷にうたれて死んだと思ってた」と笑いあった。
中条との夫婦像について監督から「仲良い雰囲気を出してほしい」と言われたそうだが、鶴瓶は「そもそも仲良いやんか。俺の耳に息吹きかけてきたりするし。何してんねん。なんであんなんしたん?」と中条に聞くと、「夫婦だけにふーふーですよ(笑)」と笑わせた。
ここで江口からの「お父ちゃん、お母ちゃん、この度は舞台挨拶に参加できずすみません。お二人に会えなくて残念です。映画、たくさんの方に観て頂けているようで良かったです。何度も言ってますが、私はお二人と共演出来たことが今回の仕事の喜びでした。あやみちゃんは私よりずっと年下なのに中身は私の何倍も大人で、とにかく人を見る目が優しく、あやみちゃんから学ぶことがたくさんありました。鶴瓶さんは、そこにいてくれるだけで、安心と楽しさを与えて下さるので、まるで実家にいるような気分で過ごすことができました。私だけでなく、スタッフの方たちも同じように感じていると思います。本当に、お二人に感謝しています。では、またどこかで!!」というコメントをMCが読み上げると、場内からは拍手が。
江口について中条は「お芝居が素晴らしい女優さん」と称賛し、「カットがかかった瞬間からなぜか全く嘘がつけないど正直な方で。そういうところが、だんだん娘なんちゃうかな?自分がお母さんなんちゃうかな?って思うようになった」と振り返り、「ようプンプン怒ってはるんで、それをまぁまぁとなだめてました。それがほんまの家族みたいに思えてきた」と明かすと、鶴瓶も「あれがめちゃおもろかった」と重ね、監督も「役の通りで、中条さんがお母さんに見えたと思う」と称賛した。
大ヒットを受け、監督に『あまろっく2』があるのか尋ねると、鶴瓶は「よう言われますよ。俺は死んでるからわからんけど」と笑わせると、監督は「最近よくある、前日談とか。早希ちゃんが竜太郎さんに出会うまで、とかね。だから、竜太郎さんの死ぬ前です」ととりなすと、中条は「でも師匠は出てこないかも」と笑わせた。
最後に、監督が「こんなに応援していただけるとは思ってませんでした。最高のスタッフとキャスト、お客さんのおかげです。ありがとうございます」、鶴瓶が「関わった以上最後まで来なあかんから来たんですけど」と苦笑いしながら、「ここまでヒットして本当に嬉しいです」、中条が「家族とか人間関係は面倒だったりすることもあるけど、人の温かさは何事にも代えられないものだとこの映画を観てすごく感じました。特に、関西の方に盛り上げていただいたからこそこの映画はあると思ってます」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。
『あまろっく』
2024年4月12日(金)より兵庫県先行、4月19日(金)より新宿ピカデリー他全国公開
監督・原案・脚本:中村和宏
脚本:西井史子
主題歌:ユニコーン「アルカセ」
出演:江口のりこ 中条あやみ 笑福亭鶴瓶 松尾諭 中村ゆり 中林大樹 駿河太郎 紅壱子 久保田磨希 浜村淳 後野夏陽 朝田淳弥 高畑淳子 佐川満男
配給:ハピネットファントム・スタジオ
【ストーリー】 巨大な閘門“尼ロック”によって水害から守られている街・尼崎。理不尽なリストラで失業し、この街に戻ってきた39歳の近松優子(江口のりこ)はニートのような日々を送っていた。ある日、「人生に起こることはなんでも楽しまな」が口グセの能天気な父(笑福亭鶴瓶)が突然、再婚すると言い出し、20歳の早希(中条あやみ)を連れてきた。家族だんらんを夢見る早希と、自分よりずっと年下の“母”の登場に戸惑う優子の共同生活は噛み合うはずもなく、一家は騒動の連続。しかし、ある悲劇が近松家を襲い、優子はこれまでの人生を振り返り、家族の“本当の姿”に気づいていく。
©2024 映画「あまろっく」製作委員会