アカデミー賞作品賞を受賞した『グラディエーター』など、数多くの名作を世に送り出してきた名匠リドリー・スコット監督が、マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレックという豪華キャストを迎え、歴史を変えた世紀のスキャンダルを描く実話ミステリー『最後の決闘裁判』が、10月15日より公開される。このほど、本作のポスタービジュアルがお披露目となり、併せて、勇気ある女性マルグリットを演じたジョディ・カマーの場面写真がお披露目となった。
中世フランス、騎士カルージュの妻マルグリットが、夫の旧友ル・グリに乱暴されたと訴えるが、彼は無実を主張し、目撃者もいない。真実の行方は、夫と被告による生死を懸けた“決闘裁判”に委ねられる。それは、神による絶対的な裁き。勝者は正義と栄光を手に入れ、敗者はたとえ決闘で命拾いしても罪人として死罪になる。そして、もしも夫が負ければ、マルグリットまでもが偽証の罪で火あぶりの刑を受けるのだ。果たして、裁かれるべきは誰なのか?
女性が声を上げることのできなかった時代に立ち上がり、裁判で闘うことを決断した勇気ある女性マルグリットを演じた、新星ジョディ・カマー。カルト的人気を獲得するテレビシリーズ「キリング・イヴ/Killing Eve」でのヴィラネル役で、2019年のエミー賞主演女優賞(ドラマ部門)および英国アカデミー賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞。現在公開中の『フリー・ガイ』では“ゲームの世界”と“現実の世界”で全く異なる一人二役を演じ、その魅力を炸裂させている。また次回作もリドリー・スコット監督作『Kitbag(原題)』にホアキン・フェニックスとの共演が決定しており、かつて『エイリアン』シリーズでシガニー・ウィーバーがスターダムに押し上げられたように、リドリー・スコット監督の新ミューズとして目が離せない次世代の大注目女優だ。
そんな彼女が本作で演じるのは、14世紀フランスを生きる騎士ジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)の妻マルグリット。カルージュの旧友ジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)に乱暴されたと訴えるが、彼は無実を主張し、目撃者もいない。真実の行方は、夫と被告による生死を懸けた“決闘裁判”に委ねられるも、もしも夫が負ければ、マルグリットまでもが偽証の罪で火あぶりの刑を受けるという役柄である。しかしながら、ジョディはキャストとして演技しただけではない。史実としていまだに真相不明なこのフランス最後の決闘裁判には、歴史的には男性側の視点でしか記録や資料が残されておらず、これまで抜け落ちていたマルグリットの視点を描くために、マットとベンは女性の脚本家が必要だと考え、『ある女流作家の罪と罰』で第91回アカデミー賞の脚色賞にノミネートされた脚本家ニコール・ホロフセナーをチームに参加させた。さらに、「この3人の脚本家に会議に招待されて、意見を聞かれ、どうしたいのか、どう感じるかということを聞かれ、それをとても大事にしてもらった」とジョディも積極的に脚本会議に参加したことを、先日行われたベネチア国際映画祭で明かした。
今年7月に開催された第74回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したジュリア・デュクルノー監督と、続く9月開催の第78回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞したオドレイ・ディワン監督がともに女性であるように、女性視点の重要性が増してきているといえる昨今。この現代的ともいえるアプローチに加え、本作は事件を告発した被害者マルグリット、被害者マルグリットの夫カルージュ、訴えられた被告ル・グリの、3人の視点で描く黒澤明監督の『羅生門』的三幕構成であることでも話題に。マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレックという演技派豪華キャストもさることながら、「自分のキャラクターを演じるだけでなくて、まずマットの視点の中にいる彼女を演じる。そして今度はアダムの役の視点の中にいる彼女を演じる。最後に自分自身をその全体性を理解しながら演じる。そのどれも他があるということを悟られてはいけない。観客にそれが事前に知られてもいけない。それはものすごい才能を求められ、そうできたことがとてもすばらしく、力強い結果を生んでいる。この映画がうまくいくもいかないもすべてジョディの演技にかかっているということ。針の穴を通すような演技の力!」とベンを唸らせるほどのジョディ。「それぞれの視点において、観客がキャラクターの語っていることを本当に信じられるということがとても重要であり、そのように演じることがわたしたちにとっても楽しいことでした。時には頭が少しクラクラにもなりましたよ。3つの異なる視点を、すべて同じ日に撮影することもありましたから!」と尋常ではない集中力を要する現場だったことをジョディも明かす。リドリー・スコット監督が紡ぎ出す演技合戦に期待が高まる。
ポスタービジュアルは、挑むような毅然とした立ち姿が印象的なマルグリットを中心に、カルージュ、ル・グリ、そして彼らの運命を揺さぶる主君ピエール伯がその周りを取り巻き、暗雲立ち込める背景が決闘裁判の行く末を案じさせる。
『最後の決闘裁判』
10月15日(金) 全国公開
監督:リドリー・スコット
原作:エリック・ジェイガー
脚本:ニコール・ホロフセナー マット・デイモン ベン・アフレック
出演:ジョディ・カマー マット・デイモン アダム・ドライバー ベン・アフレック
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
【ストーリー】 中世フランス。騎士カルージュ(マット・デイモン)の妻マルグリット(ジョディ・カマー)が、夫の旧友ル・グリ(アダム・ドライバー)に乱暴されたと訴えるが、彼は無実を主張し、目撃者もいない。真実の行方は、夫と被告による生死を懸けた“決闘裁判”に委ねられる。それは、神による絶対的な裁き。勝者は正義と栄光を手に入れ、敗者はたとえ決闘で命拾いしても罪人として死罪になる。そして、もしも夫が負ければ、マルグリットまでもが偽証の罪で火あぶりの刑を受けるのだ。果たして、裁かれるべきは誰なのか?
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