ファッションメディア「ELLE(エル)」が主催する「エル シネマアワード2019」の授賞式が12月12日に東京會舘にて開催され、受賞者の門脇麦、中村倫也、佐久間由衣、蜷川実花監督が登壇した。
日本の映画界で輝く監督に贈られる「エル ベストディレクター賞」に輝いた蜷川実花監督。クロエのドレスで登場した蜷川監督は、今年は『Diner ダイナー』、『人間失格 太宰治と3人の女たち』でメガホンをとり、「髪を振り乱して必死にやっていた」と大変な一年を振り返りつつ、「来年もこれからも走り抜けようという思いを、大好きなエルから背中を押していただけて嬉しい」とコメント。2020年はNetflixオリジナルドラマ「FOLLOWERS」も配信され、「欲しいものは全部手に入れるために頑張ります!」と今後の活動への意欲を見せた。
また、今年躍進を遂げた女優に贈られる「エル・ガール ライジングスター賞」は、佐久間由衣が受賞。『あの日のオルガン』、『劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』、初主演作『“隠れビッチ”やってました。』が公開されるなど活躍を見せた佐久間は、「身に余る、光栄な気持ちです。一つひとつ丁寧に向き合える作品に出会えたことが本当に幸せだなぁと感じています」とコメント。19歳から芸能活動を開始し、「それまでファッションとはほとんど無頓着でぼーっと生きてきた」そうだが、エルから贈られたトロフィーを手にし、「ファッションと映画は切っても切り離せないような関係性にあると感じています。これからも両方に自分らしく向き合っていけたら」と喜びの表情を浮かべた。
今年目覚ましい活躍をした男性に贈られる「エル メン賞」は中村倫也に贈られた。今年は『長いお別れ』、『台風家族』など4本の映画に出演、ディズニー映画『アラジン』では日本語吹替えも担当した中村は、「不安がいっぱいだったけど、やったら手ごたえを感じた一年」だったと振り返った。また、12月13日公開の『屍人荘の殺人』で共演した佐久間には、「僕、竹馬に乗ってもそんなにスタイリッシュにならないです(笑)」と、そのファッションに感心した様子を見せる一幕も。さらに今年は「凪のお暇」、「初めて恋をした日に読む話」のドラマ出演も話題となったが、「去年までだったら、恋愛ドラマに出させてもらっても、恋愛の“何角関係”に入れない人をやってたので(笑)」と笑い、「一緒に作った仲間に感謝したい」とコメント。授賞式ではディオールのタキシード、ヴァシュロン・コンスタンタンの時計を身に着け、「僕は今日、たぶん5割増し。これが限界ですね(笑)」とはにかんでいた。
そして、今年最も輝いた女優に贈られる「エル ベストアクトレス賞」は門脇麦が受賞。今年は『チワワちゃん』、『さよならくちびる』など3本の映画に出演し、来年もNHK大河ドラマ「麒麟がくる」や舞台出演が控える門脇は、「とても光栄です」と笑顔を見せた。今年は「私よりも年下の若いキャストの方々と仕事をする機会が多かった」一年だったようで、「もちろんまだまだ私も未熟者ですし、気持ちは若手なんですけれども、若手の気分ではいられない。早く現場を支えられるような、現場を引っ張っていける人間になりたいと強く思った」と、これからの活動への思いを語った。また、「作品を作るのは、最終的には人と人との出会いに尽きると思っている」と述べ、「大切な人が周りにたくさんいて幸せだなぁと思います」と受賞の感謝を伝えていた。今回はヴァレンティノのドレス、32カラットのエメラルドで作られたショパールのイヤリングで、会場を華やかに盛り上げた。
また、映画に造詣の深い文化人が審査員を務め選出した「エルシネマ大賞」のランキングも発表。第1位には、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が輝いた。
「エル シネマアワード2019」
受賞者:門脇麦 中村倫也 佐久間由衣 蜷川実花