吉川晃司、日産コンツェルンを作り上げた実業家・久原房之助を演じる!新田次郎の小説を映画化『ある町の高い煙突』

命をかけて日立鉱山の煙害と闘った若者たちの実話を描く、昭和の文豪・新田次郎による小説の映画化となる『ある町の高い煙突』が、6月14日より茨城県にて先行公開、6月22日より全国公開となる。このほど、日産コンツェルンを作り上げた実業家・久原房之助を演じる吉川晃司の場面写真がお披露目となった。

本作は、日立鉱山の煙害と闘った地元村民が起こした奇跡を著した、新田次郎の同名小説を映像化。1910年、茨城県久慈郡入四間の裕福な地主の家に生まれ育った関根三郎(井手麻渡)は、隣村の日立鉱山による煙害が発生しているという話を耳にする。村の権力者である三郎の祖父・兵馬(仲代達矢)は事態を重く見て、鉱山会社へ掛け合いに行くが、補償はするが煙害は我慢してほしいと一方的。ある日、兵馬は30年前に村長として採掘権を許可したのは自分だと告げて亡くなってしまう。三郎は祖父の遺志を継ぎ、煙害と闘うことを決意する。監督は、『天心』、『サクラ花─桜花最期の特攻─』の松村克弥が務める。

吉川晃司が演じた久原房之助は、日本鉱業(現・JX金属)、日立製作所、日産自動車などを傘下とする日産コンツェルンを創設した伝説の人物。弱冠36歳で日立鉱山を開業し、昭和のカリスマ実業家と言われた経済人であり、その後は政治家に転身して日中、日ソの国交回復に尽力、政界にも強い影響力を及ぼした。

映画の中で久原は、近代的な鉱山の建設により、働く人も幸せだと思える理想郷を実現しようとするが、発展していった一方で排出される鉱煙の量が増加し、周辺地域の農作物や草木が枯れるなど、予想を上回る煙害の前に苦悩し奮闘する。政府に逆らい世界一高い煙突の建設を決意をするという意味では、もう一人の主人公とも言える。そして、これほど久原房之助という人物に焦点を当てて描いた映画は、本作が邦画史上初となる。

■松村克弥(監督) コメント
吉川晃司さんが演じる久原房之助はカリスマ性を漂わす、スケールの大きな人物。主人公の三郎に人生の決意を促せるほどの圧倒的な存在感を持っています。イメージは撮影に入る前に伝えましたが、いざ現場で吉川さんが演じると僕のイメージ以上のリアルな久原房之助が現れました。近づきがたいオーラを持つ役でしたが、吉川さんご本人は大変礼儀正しく穏やかな方で現場は終始和やか。僕が年上ですが、ほぼ同世代なので親しみが湧き、楽しい撮影になりました。圧巻は鉱山の職員と地元農村の人たちを前にした演説シーン。久原房之助が実際に語った決意の長い言葉を渾身こめて演じます。その台詞は吉川さんのアイデアも取り入れ、より力強く、観る者の心を鼓舞するものになったと思います。久原像を考えに考えて演じてくれた吉川さんに本当に感謝した現場でした。さて、どんな場面になったかは映画を観てのお楽しみです。ぜひご覧下さい!

『ある町の高い煙突』
6月14日(金)より、茨城県(ユナイテッド・シネマ水戸、シネプレックスつくば)にて先行公開
6月22日(土)より、有楽町スバル座ほか全国ロードショー
監督・脚本:松村克弥
原作:新田次郎「ある町の高い煙突」(文春文庫刊)
脚本:渡辺善則
出演:井手麻渡 渡辺大 小島梨里杏 吉川晃司 仲代達矢 大和田伸也 小林綾子 渡辺裕之 六平直政 伊嵜充則 石井正則 螢雪次朗 斎藤洋介 遠山景織子 篠原篤 城之内正明 大和田健介 たくみ稜
ナレーション:阿川佐和子
配給:エレファントハウス Kムーブ

【ストーリー】 1910年、茨城県久慈郡入四間の裕福な地主の家に生まれ育った関根三郎(井手麻渡)はある日、隣村の日立鉱山による煙害が発生しているという話を耳にする。村の権力者である三郎の祖父・兵馬(仲代達矢)は事態を重く見て、分家の恒吉を連れて鉱山会社へ掛け合いに行くが、「補償はするが煙害は我慢してくれ」と一方的。受験を控えた三郎を心配した兵馬はある夜、30年前に村長として採掘権を許可したのは自分だと告げ、その5日後に亡くなってしまう。三郎は祖父の遺志を継ぎ、進学も外交官になる夢も捨てて、煙害と闘うことを決意する…。JXTGグループ、日立製作所、日産自動車など春光グループの源流である日立鉱山(現・JX金属)におけるCSR(企業の社会的責任)の原点となった物語。

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