「ヘルタースケルター」や「リバーズ・エッジ」などの人気作を手掛けた漫画家の岡崎京子が1994年に発表した青春物語を、門脇麦主演、成田凌共演で実写化する映画『チワワちゃん』が、1月18日に公開初日を迎えた。このほど、1月19日に新宿バルト9にて公開記念舞台挨拶が行われ、門脇麦、成田凌、寛一郎、吉田志織、仲万美、古川琴音、篠原悠伸、上遠野太洸、松本穂香、二宮健監督が登壇した。
公開を迎えた感想について、成田が「二宮健からどうしてもやりたい作品があるから出てくれと言われてから数年経ち、今日という日をやっと迎えられて嬉しく思います」と映画が公開した喜びを語ると、27歳という若さで岡崎京子作品を映画として生まれ変わらせた二宮監督も「このチワワちゃんを絶対映画化しようと意気込んでから数年、遂にこの日を迎えられたことを嬉しく思います」と感無量の様子で語った。
同年代のキャストと監督が揃った本作について、他の現場と違うと感じた点、若いキャストと若い監督ならではと感じたエピソードはあるかという質問に対しては、キャストから遊びのシーンの撮影中に監督から飛んできた無茶ぶりエピソードが殺到。門脇が「モンタージュ的な遊びのシーンでは台詞も無く、ト書き1行とかしかなかったので」と話すと、成田も「ト書き1行で1日半撮影とかね。現場に行くまで僕らも何をするのか分かってないんですよ。台本に準備稿、決定稿とかあるんですけど監督稿というのが監督の中にだけありまして、怖いですよね(笑)」と語った。チワワを演じた吉田も「監督はいきなり『はい、チューする』とか突飛な指示が入るんで、チワワとしては大丈夫だったんですけど(笑)」と同じく監督から飛んでくる突然の指示に対してコメント。仲は「こういう現場が初めてですごく楽しかったんですけど、普段同年代の現場ってほとんど無くってこれが普通ではないと聞いていたので、これからどうしようかな…次からが心配(笑)」と同年代の現場ならではの撮影の楽しさを語った。篠原は「歯磨きをするシーンで急にチワワへの想いをラップにしてって言われてやったんですけど、カメラが僕の表情を撮っていなかったり…」と無茶ぶりエピソードを明かした。そんな監督がキャストに対して親しみやすくするために「ニノケンって呼んでくれ」と言っていたというエピソードも明かされたが、上遠野以外は呼んでいない事が判明。そのやり取りも終始和気あいあいとしており、キャストと監督の仲の良さを伺わせた。そんな二宮監督は同年代が多かった現場について「やりやすいかどうかというよりも、ここでしかやれないことをやらなきゃっていう思いでしたね」と撮影の日々を懐かしそうに振り返った。
また劇中で描かれる毎日豪華なパーティで600万円を3日間で使い切るシーンに因んで、自分だったら600万円をどのように使うかという質問に対して、門脇は「貯金します」と回答。成田は「ニノケンと映画を撮るっていう約束をしたので、それに使いたいですね」とコメント。また共演の多い門脇に対して「麦ちゃんとは共演作多いんですけど、大体ビンタし合うような役柄なので(笑)。その映画でほっこりとした夫婦役で共演したいですね」と語った。寛一郎は門脇と真逆の「ギャンブルで稼ぎたいですね。増やしたい」という回答で会場を沸かせ、二宮監督は「5時間くらいの映画作ると思います。お客さんのこと全く考えてないやつ。皆出てラップしているようなやつ」と映画の構想を語り、その作品に出演するかと聞かれた門脇は「一回事務所に相談してみていいですか(笑)」と回答。成田も「二宮健の5時間は酔うね(笑)」とコメントし、会場の笑いを誘った。その後、イベントでは成田によるキャスト全員と監督のセルフィー撮影が行われ、ここでも劇中同様の仲の良さが垣間見える瞬間となった。
最後に門脇が「本当に皆で一生懸命遊びました。すごく疲れたんですけど、改めて若いって凄いんだなというのも痛感しました。10代、20代の方にはかっこいい青春映画として、そして大人の皆様には若かりし頃の自分を思い出して貰えるような映画として届けば嬉しいなと思います」と挨拶し、イベントを締めくくった。
『チワワちゃん』
1月18日(金)全国ロードショー
監督・脚本:二宮健
原作:岡崎京子「チワワちゃん」(KADOKAWA)
主題歌:Have a Nice Day!「僕らの時代」
出演:門脇麦 成田凌 寛一郎 玉城ティナ 吉田志織 村上虹郎 仲万美 古川琴音 篠原悠伸 上遠野太洸 松本妃代 松本穂香 成河 栗山千明 浅野忠信
配給:KADOKAWA
【ストーリー】 SNSが普及した現代の東京。ありったけの若さを謳歌する男女のグループ。そのマスコット的存在だった“チワワちゃん(吉田志織)”が、ある日バラバラ遺体となって発見された。残された仲間たちが集まり、それぞれがチワワとの思い出を語りだすが、分かったことは誰もチワワの本名も境遇も本性も知らないままバカ騒ぎしたり、恋愛したり、エッチしたりしていたということだった―。
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