大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞した、渡辺一史による書籍「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」の実写化となる、大泉洋主演、高畑充希、三浦春馬共演の映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』が12月28日より公開中。このほど、1月7日に丸の内ピカデリーにて公開後舞台挨拶が行われ、主演の大泉洋が登壇した。
公開から1月6日までの10日間の累計動員数は45万人、公開2週目は前週比110%の興収を記録した本作。年明けということで、着物姿で登場した大泉は、「年末年始は休んじゃったもんだから、私はしゃべりたくてしょうがない!」と挨拶し、会場からは大歓声が。「映画の評判がよくて、ありがとうございます。(動員数が)公開の時よりも上がっているという珍しいパターンで、右肩で上がっているのも、この映画も『ボヘミアン・ラプソディ』かな」と嬉しそうな表情を見せた。
年末年始は「家族で北海道に帰りまして、実家でゆっくりと過ごしました」という大泉は、「スキーをしたり、スケートをしたり。滑ってばかりですわ!滑り知らずの私が、滑りまくっておりました!」と休暇を満喫した様子。安倍首相が鑑賞するなど、本作のSNSでの反響の大きさに話が及ぶと、「逆に僕の映画を観ない」という学生時代の友人たちからの感想も「この映画は非常に多く届きます」とのこと。一方、TEAM NACSのメンバーからの感想は?というMCからの質問には、「あいつらからは何の感想も来てない」とボヤいていた。
2019年の抱負は?という質問には、「何かを練習したいかな…。体を鍛えたりしましょうか?」と言葉を濁した大泉。「抱負がないんですよ!」という大泉が、客席へ「何か(いい抱負が)ありますか?」と問いかけると、観客から「(水曜)どうでしょう!」という声が上がったが、大泉は「一番やりたくないやつだわ!」とまたもボヤき、会場の爆笑を誘っていた。
イベントの最後には、高速餅つきで有名な奈良県の「中谷堂」の職人が登場。本作のロングランヒットを祈願し、バナナ味の餅を用いて、餅つきをすることに。タイトルの“バナナ(877)”に掛けて、まずは中谷堂の職人が87回の高速餅つきを披露、そして大泉が7回の餅つきに挑戦した。“バナナ餅”を試食した大泉は、「これはね、ガムです!食感といい、香りといい、味といい、ガム!」とその独特な味をレポートしていた。
最後に大泉より、「筋ジストロフィーという難病を扱った映画ではありますけれども、観てもらった方もいい意味で裏切られている方が多くて、非常に明るい映画です。暗い気持ちにならない、笑えるところもたくさんある映画なので、楽しんでもらえたら」「他の病の方もたくさんいるわけで、少しでもそういう人たちにとっていいことがあればいいなぁと思います」と挨拶があり、舞台挨拶は終了した。
『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』
12月28日(金)より全国ロードショー中
監督:前田哲
原作:渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(文春文庫刊)
脚本:橋本裕志
主題歌:「フラワー」ポルノグラフィティ(SMEレコーズ)
出演:大泉洋 高畑充希 三浦春馬 萩原聖人 渡辺真起子 宇野祥平 韓英恵 竜雷太 綾戸智恵 佐藤浩市 原田美枝子
配給:松竹
【ストーリー】 札幌で暮らす鹿野靖明(大泉洋)は幼少から難病の筋ジストロフィーを患い、車いす生活。体で動かせるのは首と手だけで、介助なしでは生きられないのに病院を飛び出し、ボランティアたちと自立生活を送っていた。夜中に突然「バナナ食べたい」と言い出すワガママな彼に、医大生ボランティアの田中(三浦春馬)は振り回される日々。しかも恋人の美咲(高畑充希)に一目ぼれした鹿野から、代わりに愛の告白まで頼まれる始末!最初は面食らう美咲だが、鹿野やボランティアたちと共に時間を過ごす内に、自分に素直になること、夢を追うことの大切さを知っていく。そんなある日、鹿野が突然倒れ、命の危機を迎えてしまう…。
©2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会