『汚れたミルク/あるセールスマンの告発』映画の力を信じて作っている感じがびんびんきて痺れた! 日本が世界初公開だなんて、光栄かも

ボスニア紛争を皮肉った『ノー・マンズ・ランド』で第74回アカデミー賞外国語映画賞を受賞したダニス・タノヴィッチ監督が、パキスタンで実際に起きた事件を題材に撮った社会派ドラマ。ある大手グローバル企業が、パキスタンで粉ミルクを強引に販売したことによって、不衛生な水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児が死亡する事件が発生。セールスマンの男性が世界的な企業を訴えようとする姿を描いた本作は、問題作として世界のどこでも公開されていなかったが、今回、それが日本で初めて実現。公開は日本が初にして唯一となるかもしれない本作、日本で見られる者が劇場でその思いを受け止めるしかない。

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シリアス一辺倒と思いきや軽妙かつ巧妙な、ノンフィクションに向かうためのフィクション。開始早々に斬新な演出と思い、主人公のセールスマンとしてのサクセスストーリーを追いながら、度々挿入される企業の実名やメタ視点、実際の映像に凍り、徐々に事件の真相が見えてくる。唸った…

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世界で日本だけ公開。配給会社殿のプロ意識に敬意を表します。映画が現実をフィクションに落とし込むことしかできない現実。世界11億人の泥水を飲む人達、子供達よ

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信頼できない語り手という話術的トリックが、主人公の立場と巧みに重ねあわされている。実話に基づくフィクションで押し通してもよかったのに、このような(迷いを隠さない)描き方をした作り手に誠実さを感じた。ある役にカトリンカートリッジがダブった

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最近よく見かける「実話に基づくドラマ」と同じく、俳優たちの名演で実際の事件を再現する映画かと思ったら、この映画自身のメイキングを描いたドキュドラマも挿入して重層的な構造にしてあったのが新鮮だった。

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ボリウッド&ハリウッドでお馴染みの出演陣ながら、単回上映を除けば日本が世界初公開。『ノーマンズ・ランド』で観衆を驚かせたあのダニス・タノビッチ監督作にも関わらず、スポンサー力の大きさたるや。現在進行形の暴力ここに。

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インド映画的な情緒もありながら、完璧じゃない主人公が多国籍企業と闘う(そして今も解決していない)すごい骨太な映画だった。監督たちがいろいろ迷いながらも、映画の力を信じて作っている感じがびんびんきて痺れた! 日本が世界初公開だなんて、光栄かも

twitter.com/munmun_t

『汚れたミルク/あるセールスマンの告発』
2017年3月4日公開
監督:ダニス・タノヴィッチ 出演:イムラン・ハシュミ ギータンジャリ ダニー・ヒューストン カーリド・アブダッラー アディル・フセイン