【ご当地映画】神戸だけじゃない!ええとこやで兵庫県の映画&アニメ5選!

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こんにちは!兵庫県西宮市出身の小林遼香です。大学進学を機会に上京をしてきたのですが、「関西と東京ではこうも違うんや!」と驚かされる毎日です。上京初日に思ったこと。それは「神戸」がたくさんあるということです。これまではショッピングやデートなどなにか娯楽を求めるには時間をかけて「神戸」まで行かなければならなかったのですが、東京では山手線に乗れば5分おきくらいに娯楽がある。いまでは当たり前なことに感動し、友達へ興奮して電話したのを懐かしく感じます。さて兵庫県といえば神戸が注目されがちですが、他にも魅力的な街はあります。私が思う「神戸だけじゃない!ええとこやで兵庫県」というタイトルにふさわしい映画&アニメ5作品を紹介します。

『紙の月』

世の中には「現在の自分」を変えたいと思っている人は多いでしょう。ただきっかけがなければ行動に起こせず妄想で終わってしまう人が大半だと思います。しかし、『紙の月』に登場する主婦、梅澤梨花(宮沢りえ)は青年との出会いをきっかけに平凡だった日常が一変します。舞台設定は横浜郊外ですが、ホテルや電車、百貨店のシーンは神戸で撮影。私自身、おしゃれして颯爽と神戸を歩くと日常生活を忘れ自然と自信が沸いてきます。だからなのか、人が変貌する様子と神戸の街は合うと個人的にうなる作品でした。
 梨花と光太(池松壮亮)がホテルのスウィートルームで豪遊するシーンは「私もいつかあんなことしてみたい!」と思った人も多いはず。撮影は、ホテルオークラ神戸で行われました。ホテルオークラ神戸は、結婚式など特別なとき以外で兵庫県民が利用することは少ないと思います。ホテルから歩いて行ける距離にあるumie MOSAICやハーバーランドは鉄板のデートコース。ショッピングもできて観覧車ものれて、ハーバーランドでフリーマーケットなどの催しをよく開催しているので暇を持て余すことはありません。また、MOSAIC前から出航するコンチェルトではクルージングをしながらケーキバイキングを楽しむこともできます。昼夜で変わる海の景色はお金で買えない価値があり、強く胸に刻まれます。梨花や光太の関係も「お金」を抜きにしたらもしかしたらお互い違う価値を見出せたのかも!なんて考えさせてくれる作品です。

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写真:小林遼香

『火垂るの墓』

終戦記念日近くになるとTVで放送される『火垂るの墓』。「これオハジキやろ、ドロップちゃうやんか」———このセリフに何度涙を流したでしょう。登場人物の関西弁に心を掴まれ、兄弟の目線から戦争について考えた人も多いはず。この作品のロケ地はおもに西宮市です。母を亡くした清太と節子が西宮の親戚の家に居候するために降り立った駅は「夙川」駅。夙川沿いには約1660本の桜の木があります。「日本さくら名所100選」にも選ばれていて、春になるとお花見をする人でにぎわいます。私も高校時代に友達と「西宮市大谷記念美術館」で企画展を観賞し、夙川の土手でのお花見を毎年していました。ドロップを舐めながらお花見をして戦争を考えるのもまた日本人らしくていいのではないでしょうか。

『ゲノムハザード』

西島秀俊さん演じる石神武人が兵庫県を舞台にアクションをしています。監督は『美しき野獣』でデビューしたキム・ソンス。劇中では「神戸税関」の建物を物語のキーとなる研究所に使ったりと海外の監督ならではの固定観念を覆す舞台設定でした。なかでも石神が追手から逃げるシーンで使われた「兵庫県立美術館」。高校時代、写真部に所属していた私は美術館にある螺旋階段で友達を撮影したことがありました。写真や映像に残したくなるような建築です。美術館の近くには「人と未来防災センター」があり、阪神淡路大震災直後の映像や原寸大の展示をしています。また、「神戸市立王子動物園」など、学びつつ遊べる街、それが「灘」です。ロケ地巡りの際はぜひ寄っていただくのをおすすめします。

『阪急電車 片道15分の奇跡』

兵庫県民としては阪急電車が止まる駅に注目して鑑賞していただきたいと思います。この作品は、今津線「宝塚」駅~「西宮北口」駅で起こるドラマをオムニバス形式で展開しています。些細な悩みから人生に関わる悩みまであらゆる事情を抱えた人たちが車内で触れ合い、一歩を踏み出します。私ごとなのですが、まさに今津線の阪急電車を使って塾に通っていました。緑の柔らかい座席と窓から入ってくる木漏れ日は温かな気持ちになります。そして電車での私の楽しみは、電車に乗っている宝塚歌劇団の人を見ることでした。作品中では「宝塚歌劇団」ではなく、「宝塚ホテル」が登場。翔子(中谷美紀)が真っ白なウエディングドレスを着用し、披露宴に出席したあのホテルです。私も同じホテルでピアノの発表会に参加しましたが、絨毯の色や壁、そしてドアなど重厚感あるデザインです。ホテルで販売されているバアムは人気でお土産にはもってこいです。そして、翔子が時江(宮本信子)の助言により降り立った「小林」駅。「こばやし」ではなく「おばやし」。ここは友達が住んでいて学校の帰り道に声をかけられ、本作のエキストラ参加をしたそう。撮影時期、ちょうど私は中学生。ミーハーな私は、友達が参加したのが羨ましくて撮影隊に出会うためにわざわざ駅間を歩いていたのも懐かしい思い出です。

『潔く柔く』

原作好きの私にとっては待望の映画化『潔く柔く』。高校生になったら男女グループで仲良くなり、恋をするのだろうなと漫画を読みながら淡い夢を抱いていました。映画化した年には私も高校生になり夢で終わったのですが……それはさておき長澤まさみさん、岡田将生さん、高良健吾さん、波瑠さん、中村蒼さんと美男美女で繰り広げられる儚い恋物語は乙女心をくすぐります。そして、神戸の街の高貴さが主演俳優の容姿の美しさと合う! ラストシーンで使われた東灘区御影山手の住宅街の坂道も、映画を通してみると私が知っている坂道ではありませんでした。「御影」といえば商業施設「御影クラッセ」。施設の隣にあるマンションの公園。通称「バナナ公園」は御影住民の集合場所になっているらしいです。また、カンナと禄が歩くシーンで使われた「神戸朝日ビル」。ビルの地下一階は「シネ・リーブル神戸」があり、近くに映画館がない私はよく通っていました。映画のロケ地巡りの最終地点が映画館というのもロケ地巡りらしいのではないでしょうか。(小林遼香)