【婚活】クリスマスを迎え撃つ! 張本勲ばりの「婚“喝!”映画」4選

全国「同級生がみんな結婚しちゃって、ひとり取り残されちったテヘッ❤」隊の皆様いかがお過ごしでしょうか。わたくし、努力の甲斐あって「取り残され隊」裏日本強化隊員に選抜されましたピストン藤井と申します。我ら独り身のハートを瞬間フリーズさせる極寒の季節到来です。あっちを向いてもメリに栗。こっちを向いてもメリに栗。イブの予定を空けてはみたものの、「歯医者」以外に予定が埋まらないそこのアナタ! イブは「明石家サンタ」をタクアン、ボリボリかじりながら見るのがデフォルトのそこの私! クリスマスムード一色の世知辛い世の中を、我々は『八甲田山』の雪中行軍ばりに踏み越えて行かねばならないのである! 目指す最終地は「結婚」という名の頂上! 天は我々を見放しても私はアナタを見放しません! 普通の生ぬるい「恋愛映画」なんかじゃない、我らのケツを叩き上げる叱咤激励「婚“喝!”映画」をお届け!

『ロブスター』(2015年)

独身が罪とみなされる近未来を舞台に、独身者たちの命がけの婚活を描いたコリン・ファレル、レイチェル・ワイズ共演の超絶シュールなSFラブ・コメディ。独身者はホテルの体をなした収容所に連れられ、そこで45日以内にパートナーを見つけないと動物にさせられるというトンデモ設定。彼らは恋人探しに奔走すると同時に、期限を延長すべく森に逃げた元・収容者たちを強制的に狩らされます。ホテル内では「一人だと食事が喉に詰まって死んでしまう」「一人だとレイプされる」といった「独り身ダメ。ゼッタイ。」講習会が開かれ、収容者同士のセックスと女性接客係による勃起マッサージ以外の無益な自慰行為を禁止。ついつい、しちゃったら右手をトースターで焼かれます! 格調高いヨーロッパ映画のような世界観の中で、機械的に上っ面の関係性を育む滑稽さが描かれる本作。でもこんな不条理なシステムが採用される日は実は近いかも。そうなる前に是が非でも本物の愛をつかめ!

『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』(2012年)

アラサーの未婚女子(バチェロレッテ)たちが繰り広げる、(他人の)「結婚前夜」の騒動を描いた女版『ハングオーバー!』的なドタバタ・コメディ。スクールカーストの底辺にいたデブの同級生ベッキーが、上位の自分たちよりも先に結婚しちまいやがってキーッ! 本当は腹ワタ煮えくり返りつつ、こわばった笑顔で花嫁のサポート役を引き受けたレーガン、ケイティ、ジェナ。3人はベッキーの独身最後の「バチェラパーティー」でハメを外し、特注サイズのウェディングドレスを破壊。翌朝までにドレスを修繕すべくNY中を駆け回りますが、自暴自棄になって花婿側のパーティーに乱入し、ドラッグをキメ、行きずりのセックスをかますという痛快なまでにやりたい放題。こんな女友達、絶対にいらん! でも3人娘のように「なぜ幸せになれないの?どぼちてどぼちて~」と自問自答しまくったこと、ご祝儀貧乏のアナタならあるはず。私は53回ぐらいあります。次は自分が主役となってご祝儀全額回収しようぜ!

『ブルーバレンタイン』(2010年)

ひと組の夫婦が築いた愛、その始まり(過去)と終わり(現在)を同時並列で描き、「リアルすぎる」「トラウマ級」と話題になったライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ共演の傑作ラブ・ドラマ。「愛があれば何でもできる!」な全能感で突っ走るまばゆいラブラブ期と、互いの愛情も期待も失われた夫婦のやさぐれた倦怠期の対比がすさまじく、やるせない感情が怒涛のように押し寄せます。優しく才能あふれる好青年が、昼間からビールをあおるハゲのボンクラ亭主に、奔放でキュートな女子医学生が、生活苦がにじみ出た看護師に……。同じキャラとは思えないほどに人間性を激変させる「結婚」とは、やはり人生の墓場なのか。独身と既婚者の双方に「結婚に甘い幻想を抱くな!」とお灸をすえる本作ですが、それでもラストに映し出される愛の記憶はひたすら美しい。前頭部の毛を抜き6キロ増量したライアン、7キロの増量とノーメイクをさらけ出したミシェルの体当たり演技も必見。

『招かれざる客』(1967年)

社会派の巨匠スタンリー・クレイマーが、スペンサー・トレーシー、キャサリン・ヘップバーン、黒人初のオスカー俳優シドニー・ポワチエら名優勢を共演に迎えた傑作ドラマ。今より人種差別が深刻だった60年代の米社会を背景に、異人種結婚にまつわる問題をあぶり出します。「差別反対!」の理念に基づきリベラルな新聞社を営むマットは、愛娘ジョアンナから黒人の恋人ジョンを紹介され激しく動揺。ジョンは有能な医師で、知性と教養に溢れた好青年なのに、黒人であるがゆえに結婚を承認できずにいます。心の底にある差別意識に対峙させられるマットの苦悩や、常に偏見の眼差しを向けられるジョンの怒り。結婚を契機に個々の本質が露わになる本作では、人種問題がクローズアップされていますが、双方の家族が関わる“結婚”には職歴、学歴、家柄、容姿、趣味・嗜好など様々な壁が立ちはだかります。そんな偏見だらけの千本ノックに愛はいかに耐えられるのか。ラストは涙なくしては見られません!