デビュー作「太陽がイッパイいっぱい」で第8回小説新潮長編新人賞を受賞した三羽省吾による同名小説の映画化となる、安井謙太郎(ジャニーズJr.)初主演映画『ニート・ニート・ニート』が11月23日に公開される。このほど、都内で公開直前イベントが行われ、キャストの安井謙太郎(ジャニーズJr.)、山本涼介、森田美勇人(ジャニーズJr.)、灯敦生、宮野ケイジ監督、原作者の三羽省吾が登壇した。
本作の公開が迫る中、最速上映となった本イベント。満席となった会場には、手作りのうちわやパネルを持参する制服姿の学生や女性客も見られ、キャストが登場すると場内は悲鳴交じりの歓声と盛大な拍手が沸き起こった。まずは、主演の安井が「今日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます!緊張していますが、“ニート”のようにだらだらとした時間を皆さんと過ごせたらと思います!」と、この日を待ち焦がれたファンに向け挨拶。続いて、山本、森田、灯、監督、三羽(原作者)らもそれぞれ挨拶すると、和やかな雰囲気が漂う中、舞台挨拶がスタートした。
まずはMCから完成した本作を初めて観た時の感想を問われると、安井は「初主演だったのですが、気負いすることもなく、楽しく撮影が出来ました。スタッフ一同チームのような感覚で撮影することが出来たので、ようやくこの作品を届けられることが本当に嬉しいです」と心境を吐露。さらに安井は「三羽さん、(作品は)どうでしたか?僕たち大丈夫でしたか?」と恐る恐る問いかけると、三羽は「正直、みんなイケメンすぎるし綺麗だし、どうかな?と思っていたんですが、観てみるとなかなかのクズっぷりで(笑)。素晴らしかったです」とキャスト陣扮する“三者三様のニート”たちの姿に太鼓判を押した。山本は「(完成した本作を観たのは)撮影が終わってから1年くらいで。懐かしい気持ちになりながら観ていましたね」と感慨深い様子で語り、さらに森田は「僕と安井とやまもー(山本)は、3人並んで試写を観ていたんですよ。僕が出ていない、レンチ(安井)とタカシ(山本)のシーンで笑っちゃったところとかもあって」と当時の様子を回顧。すると安井は「仲間が笑ってくれると、ちゃんと面白いシーンに仕上がっていたんだなって安心するんですよね」と笑顔を見せた。さらに灯は「最初の試写を観た時は、自分が出ていないシーンを目にするのも初めてだったので、こんなに(劇中に登場するニートたちが)クズなのに愛らしい感じがあって。三者三様のクズっぷりが素敵でしたね」と魅力を語った。
“住所不定無職”の主人公レンチ(安井)が、高校の同級生で失業中のタカシ(山本)と、同じく元同級生で引きこもりのキノブー(森田)、さらに出会い系で知り合った少女・月子(灯)を巻き込み、“縦横無尽な逃避行”を繰り広げる様を、総移動距離3300kmを超える北海道ロケを敢行し撮影された本作。安井は「僕ら男三人衆は銭湯巡りにハマって。各地で有名な銭湯を聞いては巡っていましたね」と撮影現場でのエピソードを振り返る。そんな安井の発言に対し、山本は「美勇人くん、露天風呂に入っていたとき、素っ裸で蜂と戦っていたところを見たことがあって(笑)」と暴露。森田は「一人で(露天風呂に)入っていたと思ったら、山本くんも同じお風呂にたまたま入っていて。お湯に浸かっていたら蜂が飛んできて!近くに網があったので、とっさに網を掴んで全裸で蜂を捕まえようとしていたら、やまもーが爆笑していて(笑)」と振り返ると会場は大爆笑。さらに蜂と格闘する森田の姿を、森田、山本らが身振り手振りで再現するなど、キャスト陣の仲睦まじい様子が垣間見える場面も。一方で、灯は「スタッフさんがお誕生日の時に、安井さんがラムしゃぶをご馳走してくださったことがありました」と、座長らしい安井の太っ腹な一面を披露。会場からは自然と拍手が沸き起こると、思わず安井は「そうだっけ?北海道の夜風にあてられて覚えてないや」と茶目っ気たっぷりな照れ隠しを見せ、会場に集まったファンを喜ばせた。そんな安井に監督も、「とにかく気を遣ってくれてましたからね、スタッフや共演者たちに。立派でした」と称えていた。
さらにイベントでは、ニートたちが北海道へ旅に出る様子を描いた本作にかけ、もし1カ月ニ-トになったら何がしたいか?という質問が及ぶと、灯は「“ミート・ミート・ミート”をしたいです!体型を気にせずお肉を食べ続けたいです」、森田は「僕は劇中で演じたキノブー同様、わりと巻き込まれタイプなので、映画で描かれるレンチと同様に、今度は僕が二人(安井、山本)を巻き込んでドライブに行きたいです!北海道はつらいので、秋田くらいまで(笑)」と、それぞれ野望を口にする場面も。森田の野望に安井は「北海道まで行けよ!(笑)」とツッコみつつ、「巻き込まれタイプと言ってますが、僕この間、鎌倉に連れていかれましたよ。『行きたい行きたい!』ってダダこねるから(笑)」と明かすと、二人の可愛らしいエピソードに客席のファンからは悲鳴が沸き起こった。
イベントの最後には、宮野監督より「来週から封切になります。全国で公開となりますが、何より北海道で上映できるのが、本当に嬉しいです。撮影の前年度には大変な水害があったりして、その爪痕が残っている中で我々が撮影をさせていただいた経緯があったので、より多くの方に、北海道の素敵なところに気づいて貰えたらな、と思います。恩返し出来たらいいなと思います」と挨拶があり、安井は「北海道ではつい最近も災害があったばかりなので、僕らのこの映画がどこまで力になれるか分からないですが、誰かの背中を少しでも押せるような映画になっているかなと思います。公開まで一丸となって映画盛り上げていきたいと思いますので、よろしくお願い致します」とメッセージを送った。安井、森田はステージに最後まで残り、二人が客席に向かって深々と頭を下げ会場を後にすると、会場からは再び大きな拍手が沸き起こり、イベントは幕を閉じた。
『ニート・ニート・ニート』
11月23日(祝・金) 全国ロードショー
監督・脚本:宮野ケイジ
原作:三羽省吾「ニート・ニート・ニート」(角川文庫)
主題歌:9mm Parabellum Bullet「キャリーオン」(日本コロムビア)
出演:安井謙太郎(ジャニーズJr.) 山本涼介 森田美勇人(ジャニーズJr.) 灯敦生 MEGUMI 松澤一之 相田英瑞 小南光司 山優香 前田倫良 石野真子 藤本隆宏
配給:スパイラル・ピクチャーズ
【ストーリー】 代わり映えのない会社勤め、パソコンに向き合う日々。「俺…会社、辞めようかなって…」。退屈な毎日にうんざりして仕事を辞めてしまったタカシ(山本涼介)。そんな矢先に高校時代の同級生・レンチ(安井謙太郎)が彼のもとを訪ねてきた。「北海道行くべ!」話を聞くとレンチは危ない筋の関係の女性に手を出してしまったという。レンチはタカシに加えて、自家用車を持っている、同じく元同級生のキノブー(森田美勇人)も強引に巻き込み、ニート三人の逃避行が始まった。道中、レンチが出会い系サイトで知り合ったという女性と待ち合わせをすることに。しかし待ち合わせ場所にいたのは、まだ幼さの残る少女だった。月子(灯敦生)と名乗るその少女に主導権を奪われた一行は、彼女に従って北海道の各地を転々とすることに。旅の目的を一切明かさず三人には全く心を開かない月子だったが、その表情はどこか悲しげだった。そんな旅の途中でレンチはまたしてもトラブルを引き起こし、北海道でも追われることに。果たしてニートたちは危機から逃げ切ることができるのか…月子が抱える秘密と旅の目的は一体何なのか…?
©2018 三羽省吾・角川文庫/映画「ニート・ニート・ニート」製作委員会