地方に住む女性の居場所を求める心模様を鮮やかに描いた、山内マリコによる同名小説を映画化した『ここは退屈迎えに来て』の公開日が10月19日に決定し、このほど、第二弾キャストとして、渡辺大知、岸井ゆきの、内田理央、柳ゆり菜、村上淳らが出演することが決定した。
「R‐18文学賞」を受賞し、2012年に小説が発売されるや紀伊國屋書店スタッフによる「キノベス!2013」にランクインした小説を映画化した本作は、地方都市で暮らす「私」と「あたし」の二人の女性が、高校時代に憧れの存在だった「椎名くん」に思いを馳せる姿を描く。東京で就職したものの、地元に戻ってきた主人公「私」を演じるのは、『告白』で脚光を浴び、『桐島、部活やめるってよ』で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞、その後も『渇き。』、『美しい星』など話題作への出演が続く橋本愛。元カレ「椎名」を忘れられない「あたし」には、『愛の渦』で注目を浴び、『二重生活』で単独初主演を果たした門脇麦。青春時代にみんなが恋焦がれた椎名くん役を、『キセキ -あの日のソビト-』やNHK連続テレビ小説「わろてんか」の成田凌が演じる。監督は、『ストロボ・エッジ』、『夏美のホタル』、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』など、本格派ヒューマンドラマからラブストーリーまでを手掛ける廣木隆一が務める。
第二弾キャストとして、「私」が訪れた思い出の場所で出会う同級生・新保くん役を演じるのは、ロックバンド・黒猫チェルシーのボーカルとしての活動に加え、NHK連続テレビ小説「まれ」や映画『勝手にふるえてろ』への出演など、俳優としての活躍も著しい渡辺大知。親友に密かな憧れの気持ちを持ち、ファミレスで恋愛話にふける山下南役には、主演映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』で第39回ヨコハマ映画祭最優秀新人俳優賞を受賞、NHK連続テレビ小説「まんぷく」に出演が決定している岸井ゆきの。南の親友で、芸能界での夢が叶わず、地元に帰ってきた雑誌の元専属モデルの森繁あかね役を、ドラマ「海月姫」や「おっさんずラブ」など話題作への出演が続く内田理央。「私」の学生時代からの友達で、東京への憧れを持つサツキ役を、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』に出演し、『純平、考え直せ』(9月22日公開)が控える柳ゆり菜。地元のタウン誌をメインに「私」と仕事をしているフリーカメラマン須賀さん役を、今年も「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」や『パンク侍、斬られて候』(6月30日公開)など数々の作品に出演する村上淳が演じる。
キャスト コメント
■渡辺大知(新保くん役)
脚本を読んだ時、自分の地元を思い出して胸が苦しくなりました。懐かしい日々がキラキラと輝いて見え、戻ってみたいと思った自分に切なくなりました。でも、今が不幸せな訳ではない、と思いたい。撮影に打ち込み、この気持ちを昇華出来た気がします。この映画は心にモヤモヤを抱えたまま大人になった、何者にもなれない人々の救いになると思います。
■岸井ゆきの(山下南役)
ふとやってくる退屈の中で思い出した青春が、ひとつのきっかけで再び交錯していきます。過去を探すひと、乗り越えようとするひと、忘れたひと、そういうひとたちの想いが重なった映画だと思います。
■内田理央(森繁あかね役)
田舎独特の閉鎖感、女の子のもつ空気感、ファミレスでの何気ない会話、誰もが経験した事あるようなそんな平坦な日常をリアルに感じて頂きたいです。幸せとはなんなのか、私自身も考えさせられました。
■柳ゆり菜(サツキ役)
女の子という生き物は、10代の青春真っ只中でも、20代の拗らせ真っ只中でも変わらず何かを探していて、きっとどこかに行けると信じている事を実感しました。富山の澄んだ空気の中、閉塞感や心のヒリヒリとした痛みを感じながらサツキを演じました。刺激的なキャスト、スタッフ、廣木監督とこの作品に感謝しています。
■村上淳(須賀さん役)
廣木組という僕の中での“頂”。どういう導線を描くのか。そしてそれらすべてを、そして身体を投げうる覚悟はあるのか。あの独特の緊張感の中、ただ相手を反射するようにキャメラの前へ立てるのか。そして譲りたくないと強く思うハートに火がついているか。そんなことです。
『ここは退屈迎えに来て』
10月19日(金)、全国公開
監督:廣木隆一
原作:山内マリコ「ここは退屈迎えに来て」(幻冬舎文庫)
出演:橋本愛 門脇麦 成田凌 渡辺大知 岸井ゆきの 内田理央 柳ゆり菜 亀田侑樹 瀧内公美 片山友希 木崎絹子 マキタスポーツ 村上淳
配給:KADOKAWA
【ストーリー】 マスコミ業界を志望して上京したものの、10年後地元に戻ってきた27歳の「私」(橋本愛)。実家に住みながらフリーライターとしてタウン誌で記事を書いている冴えない日々。高校時代に仲の良かった友達サツキと久々に会った勢いで、男女を問わず皆の中心にいた憧れの椎名くん(成田凌)に連絡し、会いに行くことに。道中、「私」の中に椎名くんとの高校時代の忘れられない思い出が蘇る―。元カレ「椎名」を忘れられないまま地元でフリーターとして暮らす「あたし」(門脇麦)。元カレの友達・遠藤と、腐れ縁のような関係を続けているけれど、心は彼といたときの青春の輝かしい記憶に今もとらわれている―。
© 2018「ここは退屈迎えに来て」製作委員会