「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。どういうことなのでしょうか?」というタイトルで、2010年「Yahoo!知恵袋」に投稿された質問はたちまち話題を呼び、ボーカロイド曲に派生したのち翌年にはコミックエッセイ化。一大ブームを創り上げた伝説の投稿が、『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』として実写映画化され、6月8日より全国ロードショーとなる。それに先がけ、6月4日、東京・神楽座にて男性100人による男性限定試写会が⾏われ、トークイベントに榮倉奈々、李闘⼠男監督が登壇した。
榮倉が、会場の100人の男性を⾒て「男性限定のイベンですトは初めてです。とても異様な…」と思わず本音をぽろり、司会者から「⾔葉を選んでください」と⾔われるという和やかな雰囲気でスタートした。
最初は、榮倉と李監督から会場の男性に向けて質問し、100人の男性がYES/NOカードで答えるもの。1問目は、榮倉が「映画は楽しかったですか?⼤満⾜だと⾔う人?」と質問した。李監督が「NOはさすがに上げられないでしょ」と⾔う通り、全員がYES。2問目は「もし自分が、妻や恋人から“死んだふり”をされたらどうしますか?」。劇中のじゅんのように全⼒で付きあうという人が6割、無視する人が4割という結果に、「みなさんやさしいですね」と榮倉と李監督は感心しきり。ここで李監督が「映画のせいで嫁との関係が⼤変なことになっているんです。嫁が死んだふりすると思われているらしい。うちは寝た振りしかしないですよ!」と、思わぬ反響を報告し場内を笑わせた。
続いて李監督がこの映画を観た⼥性から「結婚したくなった」という感想がとても多いと⾔い、今回は男性に尋ねた。「映画を観て、結婚っていいなと思いましたか?」。95%がYESで、NOの回答者に理由を聞こうとするが、榮倉に「ツライかな?聞かない方がいいかな?」と止められる場面も。
次は、本作が「Yahoo!知恵袋」の投稿から生まれたことに絡め、「男性100人のお悩みに榮倉奈々が答えます!奈々!知恵袋」と題し、会場の男性から寄せられた恋愛や結婚の悩みについて、榮倉、監督がトークを展開(上映前に質問を募集、その中から数問をピックアップ)。「同じ人と⻑く一緒にいるとあきてしまい恋愛が⻑続きしません。どうしたら新鮮さを保ちずっと一緒にいられますか?相手の気持ちも考えるとズレが⼤きくなって…」といういきなりの濃い質問に「刺激のほうが楽しかったりするのでは?相手の気持ちが気になってしまうけれど、そういうのも気にならないくらい夢中になれないということですか?」と逆質問しつつ、監督とともに「居酒屋みたい」とポツリ。
次に「どうやったら⼥性の愚痴を上手に聞けますか?」という質問を投げられた榮倉は「その質問をしている時点で、まともに聞く気がない。聞いてるふりをしようということですよね。ただ、聞くだけでいいんです」とバッサリ。李監督が「絶対に、否定してはならない。『そうだね』と同意をしてあげること」とアドバイスすると、榮倉は「これから『そうだね』と⾔われたら、『聞いてる?』ってなっちゃう(笑)」と返し、会場には笑いが起こった。
3問目は「食事を残すと不機嫌になる。苦手なものを残しただけなのに」という悩み。榮倉は「それは悲しいなあ」と悩みながら質問者に何を残すのかを聞くと「ナス」という肩透かしの答え。李監督の「それくらい食べたほうがいいですよ」という結論に落ち着いた。
男性たちのリアルな悩み相談にふたりとも悪戦苦闘するも、最後は李監督から「この作品は夫婦の話ですけど、夫婦の話をやりたかったわけではありません。夫婦の関係を気にしたり、相手のことを考える、思いやる、平たくいえば、優しさというのが、どれだけ⼤変で邪魔くさく誤解も生む。でもそういうのっていいんじゃないかという気持ちで作りました」と真面目にアピール。榮倉は、「私にとってこの映画は最初から衝撃があり、タイトルから想像つかない人間模様の描き方で裏切られっぱなしですが、その裏切られ方が優しくて、とても心地よい映画だなと思います。心地よい気持ちがどんどんつながっていくといいなと思っています」と締めた。すると李監督は「これだけは!」と再度語りだす。「榮倉は本当にすばらしい。シリアスな芝居は誰にもできる。前半と後半で違う人物に⾒えるほど難しいことをやってる榮倉は本当にすごい」と榮倉の演技を絶賛し、⼤盛況のうちにイベントは幕を閉じた。
『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』
6月8日(金) ロードショー
監督:李闘士男
原作:「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」
脚本:坪田文
主題歌:チャットモンチー「I Laugh You」(キューンミュージック)
出演:榮倉奈々 安田顕 大谷亮平 野々すみ花
配給:KADOKAWA
【ストーリー】 サラリーマンのじゅんが仕事を終えて帰宅すると、玄関で妻のちえが口から血を流して倒れていた!動転するじゅんだが、「ククク…」と笑うちえの傍らにはケチャップ。ちえは死んだふりをしていたのだ。それからというもの、家に帰るとちえは必ず死んだふりをするようになった。ある時はワニに喰われ、ある時は銃で撃たれ、またある時は頭を矢で射抜かれ…次第にエスカレートしていく“死んだふり”。最初は呆れるだけのじゅんだったが、何を聞いても「月が綺麗ですね」と笑うだけのちえにだんだん不安を覚え始める。寂しいだけなのか、何かのSOSのサインなのか―。ちえの謎の行動には、“秘密”があった。
(C)2018「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」製作委員会