ハリー杉山「チャーチルは今なら人気インスタグラマー!」映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』イベントレポート

名優ゲイリー・オールドマンが伝説の政治家ウィンストン・チャーチルを演じ、第90回アカデミー賞主演男優賞を受賞した映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』が3月30日より全国ロードショーとなる。本作の公開に先立ち、3月16日に東京都内で試写会とトークショーが行われ、タレントのハリー杉山と、東京大学、成城大学名誉教授の木畑洋一が登壇した。

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試写会は、約800人収容可能なホールがほぼ満員のなかで行われ、本編が終わりエンドロールの途中で、本作で第90回アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した辻一弘のクレジットが流れると、観客からは大きな拍手が沸き起こった。また映画が終了した瞬間も再度拍手が起こり、会場は感動の渦に包まれた。そんな中ゲストとして登場したのは、イギリス人のジャーナリストの父を持ち、名門ウィンチェスター・カレッジを卒業したハリー杉山と、東京大学、成城大学名誉教授の木畑洋一。ウィンストン・チャーチルという人物についてより深く、そしてエンターテインメント大作映画としての本作の魅力についてより楽しく、“『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』を100倍楽しめるトリビア!”と題してトークショーがスタートした。

ハリー杉山は、チャーチルをイメージした英国紳士の格好で登壇。本作について「僕の父親はイギリス人なので、子供の頃からチャーチルの名言、格言を聴いて育ってきました。映画でチャーチルを演じたゲイリー・オールドマンが、見た目も声も本当に似ていてびっくりしました!いままで歴代にたくさんの人がチャーチルを演じてきたけど、ゲイリーのチャーチルはとっても素晴らしいと思いました」と絶賛。木畑も「この映画は、チャーチルのいろんな面が描かれていて興味深いです。一人の人間の苦悩、指揮者としての苦悩、そして戦争がどうやって発展していくかなどに注目してください」と見どころを語った。また木畑が「妻のクレメンティーンも素晴らしい女性です。チャーチルを尻に敷いていたというんですかね、表に出てこないけれども、ぐっとチャーチルの手綱を握っていたというところがいいんです。映画でもきちんと描かれていましたね」と言うと、「僕、そういうの好みです。チャーチルはもちろんだけど、奥さんにも惚れました」とハリーが返すなど、息のあったトークが繰り広げられた。

また、ハリーがチャーチルという人物について、「彼が2018年に存在していたら、ケイティ・ペリーや渡辺直美さんを超えるインスタグラマーになっていましたよ!」と突飛な解釈を語る。「とにかく自分のブランディングが上手い。人の心をつかむのが上手。葉巻を手に持ち、小太りの猫背で足早に歩く姿を見ただけでチャーチルだと気づく、解りやすいアイコンですよね。そして、有名な4分間のスピーチがあったように、言葉を操るのがうまい!本もたくさん書いていて、ノーベル文学賞もとってるんですよ。なので、今存在していたら、フォロワー数がものすごいインスタグラマーになっていたと思いますね!」というハリーに対し、木畑は「彼は本当に努力の人です。映画でも出てきますが、ラジオ放送で話す場面も、直前までセリフを考えていた。自分の考えをどう伝えたらいいかということを考え抜いてきた人なんです」と返した。

“イギリスでは、チャーチルがいかにメジャーな人物であるか”ということをアピールしたいハリー。「イギリスでは、チャーチルがいなかったらお前は生まれていなかったかもしれないよ、という話を親から子供は必ずされる」「チャーチルの顔に体はブルドックの(モチーフの)タトゥーを入れている一般人がいる」「チャーチルはシルクのパンツしかはかない」など、次々にトリビアを披露。最後に、本作から学べることについて、ハリーは「“失敗を恐れない”ということですね。何回も失敗して挫折しても、その度に得るものがある。失敗した分、成功が甘く感じるんです。上に向かって失敗したら良いという、メッセージをもらいました」と熱く語った。木畑は「言葉の重み、ですね。日本の政治を見ていても感じることですが、映画を見て改めて感じました」と感想を述べ、トークショーは終了した。

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『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
3月30日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督:ジョー・ライト
出演:ゲイリー・オールドマン クリスティン・スコット・トーマス リリー・ジェームズ スティーヴン・ディレイン ロナルド・ピックアップ ベン・メンデルソーン
配給:ビターズ・エンド/パルコ

【ストーリー】 1940年、第二次世界大戦初期。ナチスドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれるなか、ヨーロッパの運命は、新たに就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手に委ねられた。嫌われ者の彼は政敵に追いつめられながら、ヨーロッパのみならず世界にとって究極の選択を迫られる。ヒトラーに屈するのか、あるいは闘うのか―。

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