第90回アカデミー賞授賞式が現地時間3月4日に行われ、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』が作品賞を受賞した。本作はこのほか、監督賞、作曲賞、美術賞の最多4部門に輝いた。
▲『シェイプ・オブ・ウォーター』 (C)2017 Twentieth Century Fox
主要部門では、第75回ゴールデン・グローブ賞で作品賞(ドラマ部門)に輝いたマーティン・マクドナー監督の『スリー・ビルボード』が2部門に輝き、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞、サム・ロックウェルが助演男優賞を受賞。主演男優賞は、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のゲイリー・オールドマンが受賞し、さらにオールドマンから直々のオファーを受けた辻一弘がメイクアップ・ヘアスタイリング賞に輝いた。助演女優賞には、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のアリソン・ジャネイが選ばれた。
クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』は音響編集賞、録音賞、編集賞の3部門を受賞。脚本賞は、スリラー映画『ゲット・アウト』に贈られた。また、脚色賞に選ばれた『君の名前で僕を呼んで』のジェームズ・アイヴォリーは、現在89歳でアカデミー賞史上最年長での受賞となった。
以下は受賞結果。(★は受賞作品・受賞者)
■作品賞
『君の名前で僕を呼んで』
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
『ダンケルク』
『ゲット・アウト』
『レディ・バード』
『ファントム・スレッド』
『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
★『シェイプ・オブ・ウォーター』
『スリー・ビルボード』
■監督賞
クリストファー・ノーラン『ダンケルク』
ジョーダン・ピール『ゲット・アウト』
グレタ・ガーウィグ『レディ・バード』
ポール・トーマス・アンダーソン『ファントム・スレッド』
★ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』
■主演男優賞
ティモシー・シャラメ『君の名前で僕を呼んで』
ダニエル・デイ=ルイス『ファントム・スレッド』
ダニエル・カルーヤ『ゲット・アウト』
★ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
デンゼル・ワシントン『Roman J. Israel, Esq.』(原題)
■主演女優賞
サリー・ホーキンス『シェイプ・オブ・ウォーター』
★フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』
マーゴット・ロビー『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
シアーシャ・ローナン『レディ・バード』
メリル・ストリープ『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
■助演男優賞
ウィレム・デフォー『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
ウディ・ハレルソン『スリー・ビルボード』
リチャード・ジェンキンス『シェイプ・オブ・ウォーター』
クリストファー・プラマー『ゲティ家の身代金』
★サム・ロックウェル『スリー・ビルボード』
■助演女優賞
メアリー・J.ブライジ『マッドバウンド 哀しき友情』
★アリソン・ジャネイ『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
レスリー・マンヴィル『ファントム・スレッド』
ローリー・メトカーフ『レディ・バード』
オクタヴィア・スペンサー『シェイプ・オブ・ウォーター』
■脚本賞
『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』エミリー・V・ゴードン、クメイル・ナンジアニ
★『ゲット・アウト』ジョーダン・ピール
『レディ・バード』グレタ・ガーウィグ
『シェイプ・オブ・ウォーター』ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー
『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー
■脚色賞
★『君の名前で僕を呼んで』ジェームズ・アイヴォリー
『The Disaster Artist』(原題)スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー
『LOGAN/ローガン』スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールド、マイケル・グリーン
『モリーズ・ゲーム』アーロン・ソーキン
『マッドバウンド 哀しき友情』ヴァージル・ウィリアムズ、ディー・リース
■撮影賞
★『ブレードランナー 2049』ロジャー・ディーキンス
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ブリュノ・デルボネル
『ダンケルク』ホイテ・ヴァン・ホイテマ
『マッドバウンド 哀しき友情』レイチェル・モリソン
『シェイプ・オブ・ウォーター』ダン・ローストセン
■編集賞
『ベイビー・ドライバー』ポール・マクリス、ジョナサン・エイモス
★『ダンケルク』リー・スミス
『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』タティアーナ・S・リーゲル
『シェイプ・オブ・ウォーター』シドニー・ウォリンスキー
『スリー・ビルボード』ジョン・グレゴリー
■美術賞
『美女と野獣』サラ・グリーンウッド、ケイティ・スペンサー
『ブレードランナー 2049』デニス・ガスナー、アレッサンドラ・カーゾラ
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』サラ・グリーンウッド、ケイティ・スペンサー
『ダンケルク』ネイサン・クロウリー、ゲイリー・フィティス
★『シェイプ・オブ・ウォーター』ポール・デナム・オースタベリー、シェイン・ヴュー、ジェフ・メルヴィン
■音響編集賞
『ベイビー・ドライバー』ジュリアン・スレイター
『ブレードランナー 2049』マーク・マンジーニ、テオ・グリーン
★『ダンケルク』リチャード・キング、アレックス・ギブソン
『シェイプ・オブ・ウォーター』ネイサン・ロビタイル、ネルソン・フェレイラ
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』マシュー・ウッド、レン・クライス
■録音賞
『ベイビー・ドライバー』ジュリアン・スレイター、ティム・キャバジン、メアリー・H.エリス
『ブレードランナー 2049』ロン・バートレット、ダグ・ヘムフィル、マック・ルース
★『ダンケルク』マーク・ヴァインガルデン、グレッグ・ランデイカー、ゲイリー・A.リッツォ
『シェイプ・オブ・ウォーター』クリスチャン・クック、ブラッド・ジアン、グレン・ゴーサー
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』デヴィッド・パーカー、マイケル・セマニック、レン・クライス、スチュアート・ウィルソン
■衣装デザイン賞
『美女と野獣』ジャクリーヌ・デュラン
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ジャクリーヌ・デュラン
★『ファントム・スレッド』マーク・ブリッジス
『シェイプ・オブ・ウォーター』ルイス・セケイラ
『Victoria & Abdul』(原題)コンソラータ・ボイル
■メイクアップ・ヘアスタイリング賞
★『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』辻一弘、デビッド・マリノウスキ、ルーシー・シビック
『Victoria & Abdul』(原題)ダニエル・フィリップス、ルー・シェパード
『Wonder』(原題)アリエン・タイテン
■作曲賞
『ダンケルク』ハンス・ジマー
『ファントム・スレッド』ジョニー・グリーンウッド
★『シェイプ・オブ・ウォーター』アレクサンドル・デスプラ
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ジョン・ウィリアムズ
『スリー・ビルボード』カーター・バーウェル
■歌曲賞
“Mighty River”『マッドバウンド 哀しき友情』
“Mystery Of Love”『君の名前で僕を呼んで』
★“Remember Me”『リメンバー・ミー』
“Stand Up For Something”『マーシャル 法廷を変えた男』
“This Is Me”『グレイテスト・ショーマン』
■視覚効果賞
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』クリストファー・タウンゼンド、ガイ・ウィリアムズ、ジョナサン・フォークナー、ダン・サディック
★『ブレードランナー 2049』ジョン・ネルソン、ゲルト・ネフツァー、ポール・ランバート、リチャード・R・フーバー
『キングコング:髑髏島の巨神』スティーヴン・ローゼンバウム、ジェフ・ホワイト、スコット・ベンザ、マイク・マイナルドゥス
『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ベン・モリス、マイク・モルホーランド、ニール・スキャラン、クリス・コーボールド
『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』ジョー・レッテリ、ダニエル・バレット、ダン・レモン、ジョエル・ホイスト
■外国語映画賞
★『ナチュラルウーマン』(チリ)
『The Insult』(英題)(レバノン)
『ラブレス』(ロシア)
『心と体と』(ハンガリー)
『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(スウェーデン)
■アニメ映画賞
『ボス・ベイビー』
『The Breadwinner』(原題)
★『リメンバー・ミー』
『Ferdinand』(原題)
『ゴッホ 最後の手紙』
■短編アニメ映画賞
★『Dear Basketball』(原題)
『Garden Party』(原題)
『LOU』(原題)
『Negative Space』(原題)
『Revolting Rhymes』(原題)
■短編実写映画賞
『DeKalb Elementary』(原題)
『The Eleven O’Clock』(原題)
『My Nephew Emmett』(原題)
★『The Silent Child』(原題)
『Watu Wote/All Of Us』(原題)
■長編キュメンタリー賞
『Abacus: Small Enough to Jail』(原題)
『Faces Places』(英題)
★『イカロス』
『アレッポ 最後の男』
『ストロング・アイランド』
■短編ドキュメンタリー賞
『Edith+Eddie』(原題)
★『Heaven Is A Traffic Jam On The 405』(原題)
『ヘロイン×ヒロイン』
『Knife Skills』(原題)
『Traffic Stop』(原題)