クリント・イーストウッド監督最新作で、2015年に発生したテロ“タリス銃乱射事件”を描く映画『15時17分、パリ行き』が3月1日より全国ロードショーとなる。このほど、テロに対峙した本人役で主演した3人、アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーンの場面写真が公開された。
クリント・イーストウッド監督の待望の最新作は、2015年8月21日に、554人の乗客を乗せたアムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリスで発生した“タリス銃乱射事件”において、武装したイスラム過激派の無差別テロ犯に立ち向かった3人の若きアメリカ人を描く。
主演デビューを飾った3人は、カリフォルニア州サクラメント郊外の労働者階級出身の幼なじみで、事件当時学生だったアンソニー・サドラー(写真左)、オレゴン州州兵のアレク・スカラトス(中央)、そして米空軍上等空兵のスペンサー・ストーン(右)。休暇旅行中にヨーロッパを訪れていた3人の若者は、突如に特急列車タリス号内で無差別テロに直面した。
2015年8月、一足早くイタリアに着いたアンソニーとスペンサーは、ローマの名所旧跡をめぐった後、ヴェネチアを楽しむ。一方、アレクは62年前に祖父が駐屯したベルリンを訪れる。合流した3人はアムステルダムでハメを外した後、スペンサーの提案でパリに向かうために特急列車タリスに乗り込んだ。
場面写真は、2005年のジュニアハイスクール時代の3人を切り取ったシーン。左から、ミリタリーTシャツを着たアレク、スペンサー、白いTシャツのアンソニーが、体育の授業中に仲良く微笑んでいる姿が印象的だ。3人は実はクラスの落ちこぼれ。それぞれがある問題を抱えているが、いつもつるんで遊んでいる大の仲良しなのだ。時は流れ、2015年。もう一つの場面写真は、アムステルダムでハメを外した翌朝、二日酔いを抱えながら旅の目的地をパリに決めるシーン。パリを見たいというスペンサーに対して、美女がたくさんいるクラブを満喫したアンソニーは、「アムス最高!」と延泊を希望する。二人の会話をポーカーフェイスのアレクが聞いているという場面だ。劇中では、彼ら3人の半生を通して、無差別テロ事件の全貌を描き切っている。
イーストウッド監督は、彼らごく普通の若者たちの物語のリアルさに引きつけられ映画化を決意。「3人の主人公たちのオーディションを始め、ある日“君たち、自分を演じることができると思うかね?”と問いかけました。彼らは不安そうでしたが、演技は知性的な芸術ではなく、感情的な芸術だと私は考えています。私は彼らに、ほかの誰でもない、自分自身でいることを望み、それを伝えました」と、事件に直面した本人たちを起用するに至った経緯を振り返る。その決断は、35本もの傑作を生んだ巨匠にとっても手探りの賭けだった。「これがうまくいくかどうかなんて分かりませんでした。ただこの3人と一緒に歩みたいと感じただけ。そしてその決断は連鎖し、最終的に多くの実在の人物たちが本作には登場しています。特急列車タリスの人々も含め、誰もがあの時に戻り、役に立とうとしてくれました」とコメント。映画には、3人の当事者だけではなく、乗客として列車に居合わせた数多くの人が出演、事件が起こった場所で撮影されることになった。「なぜなら、事件は彼らにとっても大きな出来事だったからです。アメリカ人青年や乗客と連携し、大惨事に立ち向かい協力し合ったのは、他ならない彼らだったのです」と語っている。監督が「ごく普通の人々に捧げた物語」だと語る最新作は、当事者の目線からテロの真実を浮かびあがらせる。
『15時17分、パリ行き』
3月1日(木)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国公開
監督:クリント・イーストウッド
出演:アンソニー・サドラー アレク・スカラトス スペンサー・ストーン
配給:ワーナー・ブラザース映画
【ストーリー】 2015年8月21日、アムステルダム発パリ行きの高速列車タリスが発車した。フランス国境内へ入ったのち、突如イスラム過激派の男が自動小銃を発砲。乗務員は乗務員室に逃げ込み、500名以上の乗客全員が恐怖に怯える中、幼馴染の3人の若者が犯人に立ち向かった。
©2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS NORTH AMERICA INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC – – U.S., CANADA, BAHAMAS & BERMUDA c 2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT INC.