伝説のヒップホップアーティスト、2PACの激動の人生を描いた伝記映画『オール・アイズ・オン・ミー』が、12月29日より全国ロードショーとなる。このほど、本作のジャパンプレミアイベントが12月20日に開催され、多くのファンを抱えるヒップホップグループ、ドーベルマン・インフィニティをゲストに迎えてトークショーが行われた。
▲左より、P-CHO、GS、KAZUKI、SWAY、KUBO-C
HIPHOP好きの観客で埋まった会場に現れたドーベルマン・インフィニティは、映画の感想と併せて、彼らのHIPHOPの原点の1人ともいえる2PACの発言の中から心に刺さったセリフを披露したほか、2017年の振り返りや来年に向けての抱負を発表し、音楽への熱い思いを語った。本イベントの詳細は以下の通り。
MC:本作をご覧になっての感想とお気に入りのシーンがあればお聞かせいただけますか?
P-CHO:すごく公開を楽しみにしていたので、あっという間に観終わって、自分がHIPHOPと出会った頃を思い出しました。「Keep Ya Head Up」をライブで歌唱するシーンはアツくなりましたね。
GS:一番影響を受けたアーティストといっても過言ではないので、改めて2PACのすごさを再認識できました。お母さんが、刑務所に入っている2PACの面会に来るシーンで「Dear Mama」が流れる場面が良かった。
KAZUKI:音楽はもちろん人間的に深く、あまりにも知的な方だと思いました。あと、2PACのレコーディングスタジオに憧れました。
SWAY:2PACについてのいろんな伝記映画を観てきた中で、クロスオーバーする部分がたくさんありました。ずっと文字で勉強するしかなかったり、雑誌を見て過去を掘るしかなかったので、映画を観るだけで彼の歴史を知ることができるのはすごく素敵なことだなと思いました。印象に残ったシーンは、刑務所のシーンで2PACが「50秒の判断で50年を無駄にするな」と他の受刑者に言われるシーンですね。生きている中でも1分の判断で未来が大きく変わることはたくさんあると思うのですごく心に響きました。
KUBO-C:2PACの曲に対するこだわりが刺激になりました。レコーディングスタジオはやっぱりうらやましいですね。エンジニアさんに2PACがキレてたりね。僕らはキレられないのでね(笑)熱量がすごいですね。
MC:みなさんのキャリアの中で、2PACから影響を受けた事はありますか?
GS:16歳の頃、大阪のアメ村にあるHIPHOPの洋服屋でアルバイトをしてたことがあって、そこのオーナーが2PACのことが大好きで、その影響で自分も2PACの事を知るようになったんですけど、オーナーが亡くなってから初めてラスベガスに行ったときに、たまたま車に乗ってMGMグランド(2PACが亡くなった場所)に差し掛かった時、急にラジオから「Dear Mama」が流れ出した時は、サンルーフを開けて窓全開、ボリューム最大にして、あの瞬間自分も彼らのようになれた気がしましたね。2PACとの運命を感じました。
MC:突然ですが、「ドーベルマン・インフィニティが好きな2PACの楽曲&名言コーナー!」を開催いたします。皆さん順番にフリップを上げてください。
P-CHO:【俺は自分を特別だなんて思っていない、隣の男より責任を持っていると思っている】 やっぱり人って責任感で強くなるし、それが力になっていくんやろなと思って刺激を受けた一言です。
GS:【Only god can judge me(神にしか俺は裁けない)】 いつ死ぬかわからない人生の中で、リミットって誰しも同じじゃないので、この言葉に共感しました。ちょっとまだ公表してないんですけど、僕胸に大きくタトゥーを入れてるんですけど、実はそこに大きくこの言葉を入れてます。それほどこの言葉には影響を受けました。体がバキバキに仕上がりすぎて見せれないですけど(笑)
KAZUKI:【俺がサグライフを選んだわけじゃないサグライフが俺を選んだんだ】 言い回しが既にカッコいい。僕もサグライフって(タトゥーを)入れよかなと思いますもん。
SWAY:【I will spark the brain,that will change the warld.(俺が刺激した脳がやがて世界を変えるだろう)】 僕も2PACだったりたくさんのラッパーに脳を刺激されて世界が変わったので、自分も表現者として人の人生を良い方向にチェンジできるようなアーティストになりたいなと思いました。
KUBO-C:【生きてるうちは決して夢を見ることを止めるな 誰もお前の夢を奪い去ることはできない】 夢を追いかける強い気持ちがあれば、叶えるまで突っ走ることができるというところに重みがあって、自分もそう思っているので、この言葉にすごい影響を受けました。
MC:これから映画をご覧になるみなさんに、一言頂戴頂けますでしょうか?
SWAY:2PACの生き様というのがわかりやすく映像になったのも、今だからできることだと思いますし、2PACが生み出してきた名曲がこういう風にできたんだなってわかってもらえると思います。2PACが亡くなってより名曲になった一曲一曲に、すごい歴史があるんだなというのも映画を観て思いました。HIPHOPのいろんなストーリーがリンクする部分もたくさんあるので、そういう部分も観てもらえたら、より一層楽しんでもらえるかなと思いました。
MC:今年も残すところ僅かとなりましたが、来年の抱負などあれば教えいただけますでしょうか?
KAZUKI:今年はホールツアーから始まり本当に音楽な一年だったなと思います。来年はさらに2PACのように、僕らもネクストレベルまで、リリックも深いところまで行って、皆さんにいい音楽を届けられるよう引き続き頑張りたいと思います。
『オール・アイズ・オン・ミー』
12月29日(金) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:ベニー・ブーム
出演:ディミートリアス・シップ・ジュニア ジャマール・ウーラード ダナイ・グリラ カット・グレアム ドミニク・サンタナ ハロルド・ハウス・ムーア
配給:パルコ、REGENTS
【ストーリー】 ニューヨークのスラムで生まれ育った2PAC(トゥパック・シャクール)。ブラック・パンサー党員の母に連れられ、住まいを転々としていたため、あまり周りに馴染めない辛い幼少期を送っていた。一家はボルチモアに移り住み、2PACはボルチモア芸術学校に入学。その頃からラップに没頭することとなる。17歳でカリフォルニアに移り住む頃には母親はドラッグ中毒で家庭は酷い有様と化していた。そんな彼はラッパーとなる夢を追い続け、1991年に2PACの名でソロデビュー。着々とその名を上げていく。だが、ある日レコーディングに訪れていたスタジオで強盗に襲われ、その身に銃弾5発を受けてしまう。一命を取り留めた2PACは、この事件を仕組んだのは、同じスタジオにいたショーン“パフィ”コムズとノトーリアスB.I.G.だと思い込む。西海岸のDeath Rowレコードに所属する2PACは、東海岸のBad Boyレコードに所属する2人をことあるごとに非難、ヒップホップ界史上最悪の東西抗争が激化する。
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