マゾヒズム、フェティシズム、甘美な毒に酔う人間の性…。⾕崎潤⼀郎が産み出した3つの歪んだ純愛劇の予告編が公開!

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⾕崎潤⼀郎は⽇本だけでなく、世界でも⾼い⼈気を誇る、⾔わずとしれた近代⽇本⽂学の⼤⽂豪。代表作「痴⼈の愛」、「細雪」、「春琴抄」など数多くの作品が映画化され、愛されてきた。⾕崎⽂学の神髄は、⼈間の業ともいえるマゾヒズム、フェティシズム、⽢美な毒に酔う⼈間の性。そのエッセンスを濃縮した膨⼤な数の短編作品の中から、年齢もキャリアも異なる3⼈の映画監督が、⾃分たちの描きたい作品を選び、それらの作品を原案に、3本の現代劇として甦らせた。

『グレイトフルデッド』(’14)や『下衆の愛』(’16)が世界中の映画祭で絶賛された内⽥英治監督は『神と⼈との間』。監督デビュー作『リュウグウノツカイ』(’13)が⼤きな話題を呼び、続く⼆作⽬『桜ノ⾬』(’15)が東京国際映画祭パノラマ部⾨で上映され、注⽬を集めたウエダアツシ監督は『富美⼦の⾜』。そして、メジャー映画からインディーズ映画、さらにはテレビドラマまで数多くの作品を⼿がける俊英・藤井道⼈監督は『悪魔』をそれぞれ制作した。

『悪魔』は、次代の⽇本映画界を担う若⼿俳優として今もっとも注⽬を浴び、出演作が続く吉村界⼈や、映画初出演ながら主演のヒロイン役に⼤抜擢された『⾼校デビュー』をはじめ、数多くの映画やドラマでの演技が⾼く評価されている⼤野いと、NHK の「天才てれびくんMAX」のてれび戦⼠をはじめ、⼦役の頃から数々の映画やテレビに出演し続ける前⽥公輝らが共演。⾕崎の初期作品である「悪魔」(明治45年発表)と「続悪魔」(⼤正2年発表)は、強迫観念に襲われ続ける⼈間が、死の恐怖からくる妄想に苦悩する⼼理状態を描き切った作品だ。

『神と⼈との間』は、映画業界の監督やプロデューサーが「最も使いたい」と声を揃える渋川清彦と、演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーとしても活躍する⼾次重幸の豪華ダブル主演!⼆⼈の男に愛される朝⼦役は、演劇、映画、テレビドラマと幅広く活躍する内⽥慈が演じています。今年の第30回東京国際映画祭・⽇本映画スプラッシュ部⾨へ正式出品し、2回の上映はチケットが完売。⼤きな話題を呼んだ。原案となった⾕崎潤⼀郎の『神と⼈との間』は、⾕崎が実⽣活で、親友である佐藤春夫に、⾃分の妻・千代を譲る「細君譲渡事件」の⼤スキャンダルをモデルにしたといわれる作品。その原作を、内⽥英治監督がさらに現代劇に昇華している。

『富美⼦の⾜』は、『冷たい熱帯⿂』で国内の映画賞を総なめにしたでんでんが、“富美⼦の⾜”に強い偏愛を⽰す塚越役を演じ、グラビアでも注⽬を集める⼥優・⽚⼭萌美が富美⼦役でその美脚を遺憾なく発揮。さらに、2017年、『ダブルミンツ』で映画初主演を果たし、連続ドラマ「恋がヘタでも⽣きてます」での⾊気あふれる佇まいに、“セクシー俳優”の呼び声が⾼い、淵上泰史も共演する。原案の『富美⼦の⾜』は、⼤正8年(1919年)、⾕崎が33歳頃の作品。ウエダアツシ監督は、原作では塚越の「芸者遊び」のところを、本作では「デリヘル通い」に設定を変え、「富美⼦をモデルにして絵を描く⻘年」を、「富美⼦の⾜を形作るフィギュア作家のオタク」に置換した。

TANIZAKI TRIBUTE『神と⼈との間』『富美⼦の⾜』『悪魔』

『神と⼈との間』
2018年1⽉27⽇(⼟)より、テアトル新宿ほか、全国順次公開
監督:内⽥英治 
原案:⾕崎潤⼀郎
出演:渋川清彦 ⼾次重幸 内⽥慈 ⼭⽥キヌヲ 萬歳光恵 根⽮涼⾹
配給:TBSサービス

【ストーリー】 町医者の穂積(渋川清彦)と、親友で売れない漫画家の添⽥(⼾次重幸)は、ともに熱帯⿂屋で働く朝⼦(内⽥慈)に惚れているが、穂積は添⽥に朝⼦を譲り、ふたりは結婚する。しかしすぐに添⽥は愛⼈を作り、朝⼦を虐待し、そのうえ穂積と朝⼦が不倫をするようにけしかけ、サディスト化するのだった。かつての親友に⾺⿅にされ、挑発されながらも、⼀⼼に朝⼦を想い続ける穂積。だが、ある事件をきっかけにその純愛は憎悪へと変貌する…

『富美⼦の⾜』
2018 年2⽉10 ⽇(⼟)より、テアトル新宿ほか、全国順次公開
監督:ウエダアツシ
原案:⾕崎潤⼀郎
出演:⽚⼭萌美 淵上泰史 武藤令⼦ ⼭⽥真歩 福⼭翔⼤ ⽥村泰⼆郎 でんでん
配給:TBSサービス

【ストーリー】 富豪の⽼⼈・塚越(でんでん)はデリヘルで⾒つけた富美⼦(⽚⼭萌美)を愛⼈にし、彼⼥の美しい⾜を偏愛し、悦びを感じる⽇々を送っている。塚越は、フィギュア作家の甥の野⽥(淵上泰史)に、富美⼦の⾜の等⾝⼤のフィギュアを作るように依頼する。しかし、野⽥の作ったフィギュアに満⾜しない塚越は、業を煮やし、「富美⼦の⾜を理解するために舐めてみろ!」と命令するのだが…

『悪魔』
2018年2⽉24 ⽇(⼟)より、テアトル新宿ほか、全国順次公開
監督:藤井道⼈
原案:⾕崎潤⼀郎
出演:吉村界⼈ ⼤野いと 前⽥公輝
配給:TBSサービス

【ストーリー】 ⼤学⼊学のため上京した佐伯(吉村界⼈)は、閑静な住宅街にある林邸に下宿する。林家には⼤家の千枝、⾼校⽣ながら不思議な⾊気と魅⼒を持つ千枝の娘・照⼦(⼤野いと)、そして、照⼦を偏愛する林家の親戚にあたる鈴⽊(前⽥公輝)が住んでいた。佐伯は、アルコールにおぼれ、幻覚に苦しみ、⼤学にもなじめない。そして、下宿先では、照⼦が佐伯の部屋へ頻繁に訪れ、⼩悪魔のように佐伯の⼼を惑わしていくのだった。ふたりの様⼦を⾒た鈴⽊は、佐伯に対し、照⼦に近づかないよう警告をする。反発する佐伯だったが…

Ⓒ2018 Tanizaki Tribute 製作委員会