石丸幹二、安藤美姫、茂木健一郎らが称賛コメント『ダンシング・ベートーヴェン』大貫真幹の練習風景映像も公開

天才振付家モーリス・ベジャール没後10周年にあたる今年、ベジャールの代表作「第九交響曲」の舞台裏を捉えたドキュメンタリー映画『ダンシング・ベートーヴェン』が、12月23日より公開される。それに先だち、本作を鑑賞した各界著名人から作品を讃えるコメントが寄せられた。併せて、モーリス・ベジャール・バレエ団に所属し、ソリストとして活躍する日本人ダンサー、大貫真幹のインタビューと練習風景映像が公開された。

dancingB_main

db_oonukisan

脳科学者の茂木健一郎は、「一つの舞台のために、人々が集い力を合わせる。肉体に光満ち、音楽が至高の舞踏へと生まれ変わる。ベートーベンがこの映画を見たら、歓喜の涙を流しただろう。人間として生まれてきてよかったと、心から思える作品です」と語り、バレエを題材とした著作もある漫画家の桜沢エリカは、「みんなが知ってる『ボレロ』だけじゃないベジャール!ベジャールをより深く知るための映画、オススメです」と絶賛した。プロフィギュアスケーターの安藤美姫は、「音・ダンサー・そして幾何学的にも見える演出。何よりも人間の持つ個々の力の終結による歓喜に魅せられました」と、俳優の石丸幹二は、「ベートーヴェンの第九を、ベジャールは、多人種によるダンスに読み解き、アギーレ監督はそれを『生』と結び合わせた。これは、現代世界に向けた人間賛歌だ」と、本作の魅力をそれぞれコメント。 また、実際のステージにメインダンサーとして出演した東京バレエ団の上野水香、柄本弾からのコメントも届いた。

▼大貫真幹のインタビューと練習風景映像

大貫真幹は神奈川出身、1982年生まれ。佐々木三夏バレエアカデミーで学び、2010年にモーリス・ベジャール・バレエ団に入団。先ごろ行われたモーリス・ベジャール・バレエ団の来日公演でも「ボレロ」などの演目に出演。芸術監督のジル・ロマンからの信頼も厚く、劇中「第九交響曲」で第2楽章の中心的ダンサーを任された大貫。あなたにとっての喜びはという問いかけに、「踊ること」と答える大貫の練習時でみせる本番さながらの弾けるような跳躍が目を引く。

以下は著名人からのコメント。

上野水香(東京バレエ団プリンシパル)

このドキュメンタリーを貫いているのは「愛」だと感じました。
人類愛、バレエ愛、家族愛、夫婦愛…。
自分がこのバレエに関われたことに
改めて感謝の気持ちが溢れました。

柄本弾(東京バレエ団プリンシパル)

『第九交響曲』に出演した体験は、
自分のダンサー人生最大の衝撃でした。
BBLの舞台裏を見たことで、
もう一度あの舞台に立てたような感動を味わいました。

茂木健一郎(脳科学者)

一つの舞台のために、人々が集い力を合わせる。
肉体に光満ち、音楽が至高の舞踏へと生まれ変わる。
ベートーベンがこの映画を見たら、歓喜の涙を流しただろう。
人間として生まれてきてよかったと、心から思える作品です。

假屋崎省吾(華道家)

誰もが知ってる「ベートーヴェンの第九交響曲」
いまだかつてない芸術となり、
生まれ出る瞬間を見届けることのできるドキュメンタリーは豪華絢爛で、
想像を絶する規模と渾然一体となったパーフェクトな映像美に
感動のあまり涙が溢れる。

清水玲子(漫画家)

ギエムを見た時以来の衝撃!
カテリーナ・シャルキナと大貫真幹の踊りは
見る人に人間の体の美しさ、
その身体が踊る瞬間を見ることの楽しさ、
幸福を思い出させてくれる。

石丸幹二(俳優)

ベートーヴェンの第九を、
ベジャールは、多人種によるダンスに読み解き、
アギーレ監督はそれを「生」と結び合わせた。
これは、現代世界に向けた人間賛歌だ。

桜沢エリカ(漫画家)

みんなが知ってる『ボレロ』だけじゃないベジャール!
ベジャールをより深く知るための映画、オススメです。

広田レオナ(映画監督)

一斉に手を繋ぎ、前に進むダンサー達
人種の壁も国境もない
優れた芸術の前で人は争わない
「第九」に平和への強いメッセージをこめたベジャールの想いはジルによって、
またその子供達によって永遠に続く美の王国

安藤美姫(プロフィギュアスケーター)

静(生・聖)と動(道)との優美な共存。
ベジャールの代表作の一つである bolero 私も1度滑らせていただきました、
静からのエネルギーを演じる難しさを感じたものです。
音・ダンサー・そして幾何学的にも見える演出
何よりも 人間の持つ個々の力の終結による歓喜に魅せられました。
生きるということは 簡単ではないことをあらためて心に留め、頑張れないときも
歓喜の時をつかむ そんな瞬間を感じられる人でありたいという思いを受けとめ・・・
最後に 目で音を感じられる作品に感謝を込めて。

斎藤綾子(作家)

人の声に身体を重ねるのが気持ちいいと言う
ソリストO・シャコン。耳の聞こえないベートーヴェンが
音楽を見ると話す指揮者Z・メータ。
多民族の集団であるバレエ団が一つのもの
に取り組む面白さを語る芸術監督G・ロマン。
五感が歓喜する第九を綴った83分。

えれな(モデル)

様々な人間ドラマがある中。
最高のステージを目指す気持ちは皆んな一緒。
愛と情熱を感じる作品です。

操上和美(写真家)

魂と肉体・苦悩と喜びが舞う感動!
“希望は常に勝利である”
ベジャールの言葉は僕の宝物になった。

佐伯日菜子(女優)

様々な思いを内包して本番の幕が上がる。
美しいダンスシーンに人間ドラマに鳥肌が立ちっぱなしの83分!
この映画こそ歓喜と希望。

小林十市(ダンサー)

思想という幻想を捨て、五感を感じて今を生きる。音楽も踊りも人生も流れているけれど、人と人がつながれる瞬間は「喜び」の他ならない。響く旋律、響く肉体、全ては国境を超え人間である事を平和を謳歌するために!

吉田良一郎さん(吉田兄弟)

一つの点に向かい、ゆったりとうっとりと、
今までに感じたことのない「美」が流れる。
心温まるものが円となり、刺激的にうったえる。
これが愛、生命のかたちなのかもしれない。

FISHBOY(ダンサー・振付師)

第九の中で人種が溶け合っていき、音楽そのものになっていく。
私やそれを包むもの全ては共同体であり、元々一つであったことを思い出させてくれる。
その役割を持つ者の如何に過酷なことか。それにしても美しい。

近藤良平さん(振付家・ダンサー・コンドルズ主宰)

これはまさしく人類の出来事。時間と場所を
超えて、このように映像で再び確かめられる
ことは幸せなことである。そして日本人として
これを観たとき、不思議な豊かさをいただく。
それにしてもやっていることが「でかい!」

BEETHOVEN_sub1_oonuki

『ダンシング・ベートーヴェン』
2017年12月23日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA他にて公開
振付:モーリス・ベジャール
監督:アランチャ・アギーレ
音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲「交響曲第9番 ニ短調 作品125」
出演:マリヤ・ロマン モーリス・ベジャール・バレエ団(エリザベット・ロス ジュリアン・ファヴロー カテリーナ・シャルキナ 那須野圭右 オスカー・シャコン 大貫真幹) 東京バレエ団(上野水香 柄本弾 吉岡美佳) クリスティン・ルイス 藤村実穂子 福井敬 アレクサンダー・ヴィノグラードフ 栗友会合唱団 ジル・ロマン(モーリス・ベジャール・バレエ団芸術監督) ズービン・メータ(イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督)
配給:シンカ

【ストーリー】 スイス、ローザンヌ。「第九交響曲」出演のために過酷な練習に取り組むモーリス・ベジャール・バレエ団のダンサーたち。第二幕のメインをジル・ロマンから任せられた才能豊かなソリスト、カテリーナは踊る喜びに満ち溢れていた。しかしある日、カテリーナは妊娠が発覚し、メインを下ろされてしまう。一方で、お腹の子の父となるオスカーは生まれてくる子のために良き父親になろうとしていた。キャリアが中断されることへの不安と産まれてくる子供への愛情のあいだで揺れ動くカテリーナ。様々な想いを抱えながらダンサーたちは、東京での第九のステージに挑む。

© Fondation Maurice