スイス人女優が安泰寺で修行したドキュメント『ZEN FOR NOTHING〜何でもない禅〜』

ZEN表

兵庫県の日本海沿岸部にある深い山間に位置する曹洞宗の禅道場「安泰寺」。自給自足と厳しい坐禅修行の場として、世界中の人々に門が開かれている。住職は、ドイツ人禅僧ネルケ無方。この安泰寺に、スイス人女優サビーネ・ティモテオが2013年11月から2014年5月にかけて修行したドキュメント『ZEN FOR NOTHING』は、かつての安泰寺住職でもある伝説的禅僧、澤木興道の思想と安泰寺の日々が織りなす、静かに激しく自己を見つめる人々の記録である。

【メイン】sabine reispflanzen

音楽は、90年代に話題となった音楽映画『step across the border』に出演する前衛音楽家フレッド・フリス。今回『step across the border』の監督ヴェルナー・ペンツェルと再びタッグを組み、全編を通しフレッド・フリスのサウンドによって独特の世界観を生み出している。

『ZEN FOR NOTHING〜何でもない禅〜』
2018年1月2日より、ポレポレ東中野にてお正月ロードショー
監督:ヴェルナー・ペンツェル 茂木綾子
出演:サビーネ・ティモテオ ネルケ無方 
音楽:フレッド・フリス
配給:silent voice

【ストーリー】 長時間のフライトの後、サビーネは長距離バスに疲れて座っている。窓の外には、神戸付近の海岸にある産業地帯の風景が流れてゆく。鈍行列車に乗り換え、風景は日本海側の寂れた景色に変わっていく。リュックサックを背負い、さらに徒歩で山奥へと向かう。森の中の道はやがて長い石段に続き、石段を終わりまで登るとようやく曹洞宗の禅道場安泰寺に着く。修行僧のあいさつを受けた後、サビーネに禅寺での作法が示される。まだ暗闇い早朝3時45分に起床し、禅堂で白い壁を前に座り続ける長い坐禅の日々が始まる。初心者には難しい作法での食事、作務としての掃除、農業、林業、薪割り、建物の修復など多くの厳しい労働が待っている。寺の修行者のほとんどは世界各地から集まった男女の若者たちで、コミュニケーションは身振り手振りを交えた 数カ国語が使われている。冬になると最高4メートルにも及ぶ雪に埋もれ、屋根の雪かきが繰り返し行われる。その間も休む事なく坐禅の日々は続く。春になり、托鉢を行うため住職のネルケ無方、尼僧の時水、修行僧の慈念とサビーネは、列車で大阪に向かい、安ホステルでの最後の夜を皆で過ごした後、サビーネの禅寺の冒険は終わりを迎える。

【サブ1】Muho

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