チリの俊英セバスティアン・レリオ監督作『ナチュラルウーマン』ポスタービジュアル

『グロリアの青春』を手がけたセバスティアン・レリオ監督の映画『ナチュラルウーマン』が、2018年2月より上映される。それに先立ち、ポスタービジュアルが公開された。

NW_ポスタービジュアル

ポスタービジュアルは、主人公のマリーナを演じたダニエラ・ヴェガの力強い眼差しを捉えている。愛する人にさよならを伝えるために健気に闘いを挑むマリーナを、役柄同様に自身もトランスジェンダーであるヴェガが抑えた演技でありながら喜びと悲しみ、怒りをエモーショナルに表現して熱演し、各国の映画祭で脚光を浴びた。歌手として活躍していたところを主演に抜擢されたヴェガは、劇中でもその美声を披露する。スクリーンデビューとなった本作はベルリン国際映画祭で絶賛された。

メガホンをとったチリ出身のセバスティアン・レリオは、2009年には『Navidad』(原題)がカンヌ映画祭監督週間でプレミア上映され、続く『デストロイ8.8』を2011年ロカルノ国際映画祭に出品。4作目である2013年公開の『グロリアの青春』は、主演のウリーナ・ガルシアがベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞し、ジュリアン・ムーア主演でハリウッドリメイクが決定している。レリオ監督は、難しい境遇の女性を描く本作の意図を、「幼い頃からずっと隅に追いやられていたこの人物を、ジャンヌ・モローやブリジット・バルドーのような大女優と同じように、この映画の中心にしたかったのです」と語る。さらに、キャスティングについて、「最初はトランスであるダニエラにこの映画について相談していました。でも、話をするうちにダニエラの人生経験が脚本に色濃く反映されるようになったんです。“目の前に女優がいるのに、どうしてわざわざほかの女優を探しに行こうとするんだ?”と思ったんですよ。マリーナはダニエラを通して立体的なキャラクターになっていきました」と、主演のヴェガに絶大の信頼を寄せている。

『ナチュラルウーマン』
2018年2月 シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
監督・脚本:セバスティアン・レリオ
出演:ダニエラ・ヴェガ フランシスコ・レジェス ルイス・ニェッコ
配給:アルバトロス・フィルム

【ストーリー】 チリ、サンティアゴ。トランスジェンダーでナイトクラブのシンガー、マリーナは歳の離れたボーイフレンドのオルランドと暮らしていた。マリーナの誕生日を祝った夜、自宅に戻ると突然オルランドが意識を失い亡くなってしまい、マリーナは思いもかけないトラブルに巻き込まれていく。それでもマリーナは女性として生きていく権利を胸に、自分らしさを守るための闘いに挑むことを決める。

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