トミー・リー・ジョーンズ、永瀬正敏らが登壇! 第30回東京国際映画祭コンペティション国際審査委員&受賞者記者会見レポート

<日本映画スプラッシュ部門 作品賞>
『Of Love & Law』
戸田ひかる(監督)

Q:弁護士カップルのどこに興味を持ったか?
「最初は純粋に彼らのラブストーリーに惹かれました。とても不完成なふたりがその不完成な部分を、お互いが受け入れあっている二人のカップルとしての姿に惹かれました。私は海外での生活が長いのですが、みんな同じで当たり前の日本社会で、当たり前から外れたゲイのカップルのオープンでいるふたりが、どうやって生きているのかに興味が湧きました」

<アジアの未来 部門 作品賞>
<国際交流基金アジアセンター特別賞>
『僕の帰る場所』
藤元明緒(監督/脚本/編集)

Q:本作はどう演出し、どう作ったのでしょうか?
「映画を見た方々から、ドキュメンタリーのように演じられているとよく言われ、嬉しいのですが、僕はドキュメンタリータッチにしようとは思っていなくて、同じ思いを持って、脚本に共感してくれた方々が出てくれたので、演じるというかそのままの、ありのままの姿を見せて頂きました。あのシチュエーションの中で生きている姿を取ろうとしていたので、真実の言葉で怒ったり、泣いたり、笑ったりしている姿を撮ったのでドキュメンタリーの印象を与えたのかと思います」

<観客賞>
『勝手にふるえてろ』
大九明子(監督)
Q:観客賞を取れると思っていましたか?
「ノミネートさせて下さった時に、『よくぞこんなに小さな作品を見つけてくださった』と思いましたが、本心では『もらえるとしたら観客賞かな』などとも思っていました(笑)」

Q:東京国際映画祭について、今後どういった発展を希望していますか?
「これまで、東京国際映画祭にはあまり来たことが無かったのですが、今回ノミネートさせて頂き、あらゆる仕事を排除して出来るだけ多く劇場に足を運び作品を観て映画祭の空気に触れるようにしました。そこでこれまで来なかったことに、なんて勿体無いことをしていたのかと思いました。
今年の東京国際映画祭にはアル・ゴアさんやトミー・リー・ジョーンズさんが来ているのに、世間の目がこっちに向いていないのが悲しいです。映画を愛する全ての人々でどうにか気付いて頂く工夫が大切なんだと思うので、学生は当日券500円で観られるようなシステムをタダにしてしまう勢いで、若い人たちがタダで遊べる空間にして、その遊びの一環に映画が組み込まれて行動してもらえるようにすればいいなと思いました」

<最優秀脚本賞 Presented by WOWOW>
『ペット安楽死請負人』
ヤニ・ポソ(プロデューサー)
Q:この映画を誰に一番観てもらいたい?
「この作品の場合は、中年のある種の主義主張を持った男性たちに観てもらいたいです。そういった男性たちがどれだけ馬鹿げているのかを語った映画ですので」

<最優秀芸術貢献賞>
『迫り来る嵐』
ドン・ユエ(監督/脚本)
Q:撮影日数はどれくらいで、実際に雨が降っていたのは何日ほどだったのでしょうか?
「この映画64日間で撮影しましたが、雨は最初から最後まで全て人工的に降らせていました。この撮影は3月だったのですが現地の雨季は11月〜12月で、想像を絶するほど厳しい現場でした。しかし、今回の雨を降らせる技術のチームは中国では最も優れたチームだったので、彼らのおかげでこの映画を撮ることが出来ました」