鈴木敏夫「それは魂の乱交」映画『J:ビヨンド・フラメンコ』天才バグパイプ奏者カルロス・ヌニュス“魂の名演動画”公開!

「フラメンコ三部作」と話題を呼んだ『血の婚礼』(’81)、『カルメン』(’83)、『恋は魔術師』(’86)。トップに君臨するアーティストらのパフォーマンスを格調高くスタジオで捉えた、オムニバス形式による『フラメンコ』(’95)、『イベリア 魂のフラメンコ』(’05)、『フラメンコ・フラメンコ』(’10)。数々の舞踊音楽の芸術作品を世に送り出してきたスペイン映画界の巨匠、カルロス・サウラ。5年ぶりの待望の日本公開となる最新作『J:ビヨンド・フラメンコ』で描かれるのは、監督の生まれ故郷、スペインのアラゴン地方が発祥とされる「ホタ」。フラメンコのルーツのひとつである「ホタ」を通し、フラメンコのフィールドの彼方に広がる「ホタ」の奥深い魅力に迫っていこうという、至福のダンス&音楽エンターテインメント‼めくるめく映像美で描かれる数々のダンスシーンで構成される本作を観れば、あたかも絢爛豪華なエンターテインメントショーを鑑賞しているような、アート空間に迷い込んだかのような気分にさせられるだろう。

集結した豪華アーティスト陣は、フラメンコおよびスペイン舞踊ファン、ワールドミュージック・ファンなら絶対に見逃せない最強の顔ぶれ。自身を追ったドキュメンタリー『パッション・フラメンコ』(公開中)美貌と表現力を兼ね備える国民的フラメンコダンサー、サラ・バラス。パコ・デ・ルシアの後継者と目され、世界的に活躍するスーパーギタリスト、カニサレス。「ホタ」ダンスの第一人者で『イベリア 魂のフラメンコ』にも出演した、アラゴン州サラゴサ出身のダンサー兼振付師、ミゲル・アンヘル・ベルナ。アラゴンの伝統「ホタ」を現代化して歌うポップスター、カルメン・パリス。土地固有の味わいを継承するベテラン歌手と演奏家に加え、国際的に活動するトップミュージシャンらも異彩を放つ。

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カルロス・サウラ監督 コメント 本作について

数年前に、私の故郷の舞踊音楽である「ホタ」について作品を作りたいと考えた。友人たちからは「いつになったら作るんだ?」といつも聞かれていた。これまで数々の作品で音楽を題材としてきた。この経験を生かして、アラゴンの地で生まれたこの音楽に愛と熱意、そして敬意を表しつつ、新たなゴールにアプローチする。ホタは非常に力強い民俗音楽であり、リスト 、サン=サーンス 、マスネ 、ファリャ 、グラナドス 、アルベニス 、タレガ 、ブレトン など数多くの著名な音楽家たちを魅了してきた。その影響は、カスティーリャ、ナバラ、バレンシア、ムルシア、エストレマドゥーラ、アンダルシアなどスペインの大部分に及んでいる。さらに、フィリピンやラテンアメリカ、特にメキシコにおいて現在でも大きな存在感を示している。「ホタ」という名称は、中世の「跳び上がる」を意味する言葉が変化したものだと言われており、それにはとても共感できる。しかし「ホタ」は、単に跳ぶだけの音楽ではない。独特なリズムを持つ陽気な音楽であり、長きに渡って各地に広まり、成長し、進化を遂げている。現在、多くのダンスアカデミーで踊り方や歌い方が指導されている。「ホタ」はどうやって成長を遂げているのか。今回の最大の挑戦は、リズムの新しい可能性を探ることであり、過去、現在において似たようなリズムを復活させることである。私は、このテーマに関する最高の素材を集め、映像的に非常に価値のあるドキュメンタリーを作りたいと思った。現代のアーティストや、行方が分からなくなったアーティスト、正統なもの、異端なもの、すでに伝統的だと考えられているもの等、この作品で取り上げる意味のある歌やリズムについて扱っていきたい。        

『J:ビヨンド・フラメンコ』
2017年11月25日(土)、Bunkamuraル・シネマ他、全国順次ロードショー
監督:カルロス・サウラ
出演:サラ・バラス カニサレス カルロス・ヌニェス ミゲル・アンヘル・ベルナ  
配給:レスぺ 

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