10月9日、【没後50年】を迎えたキューバ革命の英雄“エルネスト・チェ・ゲバラ”。革命家、反帝国主義のカリスマとして、また、革新を想起させるシンボルとして今もなお世界中でゲバラの存在は明確に息づいている。そんな彼の“意志”に共感し、ボリビアの軍事政権との戦いで、1967年8月に25歳の若さで散った実在の日系人、フレディ前村の知られざる生涯を、日本・キューバ合作で描く映画『エルネスト』が10月6日(金)より公開され、大反響を呼んでいる。
そして、チェ・ゲバラの命日である10月9日の本日、福岡愼二映像文化支援基金により2016年から広島国際映画祭に創設された賞、“ヒロシマ平和映画賞”を本作が受賞した旨が広島で行われた舞台挨拶イベントで発表された。この賞は、「ヒロシマ映画祭2017」開催期間中に上映される全作品(2016年以降制作された作品)を対象とし、ヒロシマの心を世界に発信することに最も寄与したと思われる作品を制作した者の、さらなる制作活動に対して贈られる。昨年は、『この世界の片隅に』(監督:片渕須直)が受賞。これを皮切りに、映画賞を独占、大ヒット映画となり今もロングラン上映が続いている。
登壇した阪本順治監督は、「平穏や平和な日々をそれほど多く描いてはいないし、平和を直接訴える映画ではないので、本当に頂いていいのかなと思いながら、広島の方に選んで頂いたというのが一番嬉しいです」と感想を述べ、主演のオダギリジョーさんは「広島は自分が生まれて育った岡山から近く、思い入れのある土地でもあるので、そこで賞を頂けるのはとても嬉しく思います。また平和の象徴である広島という場所に、この作品が少しでも寄り添えることができたのであれば非常にありがたいことだと思います」と受賞の喜びを語った。