映画『三度目の殺人』興収12億円突破!!「こんなところまで観られているなんて怖いなぁ(笑)」是枝裕和監督、観客との濃厚トークに驚きと感謝!

東宝・ギャガ共同配給による是枝裕和監督最新作『三度目の殺人』は、9月9日(土)より絶賛公開中。全国314スクリーンで封切られ、公開3週目を迎えた本作は、平日も息の長い興行が続きリピーターも続出!10月2日時点で興行収入12億円を突破した。

この度、10月2日(月)に、現在大ヒット中の映画『三度目の殺人』の是枝裕和監督登壇ティーチインイベントを実施した。是枝監督作品恒例のティーチインイベントということもあり、会場には本作独特のモヤモヤを少しでも晴らそうと、大勢のファンが大集結!会場には本作を4回も観たというツワモノたちが集まり、たくさんの手が挙がった。先日開催された、福山雅治、是枝監督登壇の公開記念イベント時に負けず劣らず、映画の隅々までチェックしたファンが鋭い質問を続々と投げかけ、監督も「こんなところまで観られているなんて怖いなぁ(笑)」と驚く場面も。さらに、日本人だけでなく海外から来た観客からも質問が飛び出し、監督も落ち着いた様子で丁寧に質問に応え、大盛り上がりのイベントとなった。

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是枝裕和監督:今日はありがとうございます。三度目のティーチインだけど、知ってる顔が結構あって嬉しいですね。今日はみなさんのお土産になるようなことが話せればいいなと思います。

Q:根岸季衣さんが演じるアパートの大家さんのシーンは、監督らしいドキュメンタリータッチを感じましたが、彼女のセリフはアドリブですか?また、接見室で三隅が火傷の跡のいじるシーンが好きなのですが、監督のアイデアでしょうか?

是枝監督:裁判では、公判が始まる前に、三者で公判前整理手続きというものをやるんです。脚本を書くときに、弁護士さんに相談していたら、「日本の裁判はつまらない。公判前に証拠などを見せ合うから、始まる前にほぼ終わっているんですよ」と言われました。国会で事前に質問を渡しておくのと同じことなんですね。それは映画で観れることはなかなかないし、ドキュメンタリーでも撮れないので、実際に弁護士さんにやってもらってシーンに残しました。僕も今回の撮影で初めて知って、面白いけど、怖いなって感じました。こうやって人が裁かれていく、その力が持つ怖さと知っていただければと思いました。
僕もあの(三隅のアパートのおばさんの)シーンは大好きです。セリフは全部書いていましたね。(三隅の)傷をむしって、なめるというのも台本に書いていました。でも、実際に役所さんがあの場でやっているのを見たら、台本を書いた時よりずっとゾッとしました。役所さんはご自身のなかで役をたくさん膨らましてくださっていたので、あの役を自分で書いたとは思えませんでしたね。

Q:この映画のエキストラに参加しました。当時はタイトルに(仮)がついていましたが、どのような経緯で決定したのですか?

是枝監督:最初の企画でつけていたタイトルには(仮)をつけていて、もっといいものがあるんじゃないかとスタッフたちとも話していました。『そして、父になる』のときは何度も変更がありましたから。でも、脚本を書く時に”一度目は獣、二度目はにんげんが殺した。三度目の殺人”というテーマを目指していたので、ブレることなく、このタイトルに決定しました。