女性建築家アイリーン・グレイの知られざる愛憎劇『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』冒頭シーン公開!

近代建築の巨匠ル・コルビュジエと、彼が生涯で唯一才能を羨んだと言われる女性建築家、アイリーン・グレイの間に隠された波乱万丈のストーリーを美しき映像で描く極上のドラマ『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』が、10月14日(土)より Bunkamura ル・シネマ他にて全国順次公開する。

本作の冒頭では、その歴史的なオークションの模様がリアルかつスリリングに描かれている。このたび、思わず息を呑むオークションシーンの映像が解禁になった。

初めて手がけた建築<E.1027>でル・コルビュジエに衝撃を与えたアイリーン・グレイは、建築家としてデビューする前から、インテリア・デザイナーとしてフランスで高い評価を受けていた。劇中にも彼女が手がけた様々なインテリアが登場し、<ビバンダム>や<アジャスタブル・テーブル E.1027>は今でもたくさんのコピーが作られ、強い人気を誇っている。

▲ドラゴンチェア複製品
▲ドラゴンチェア複製品

歴史的なファッション・デザイナー、イヴ・サンローランと、公私共に彼のパートナーであり、9月8日 に死去した実業家のピエール・ベルジェも、アイリーンのインテリアに魅了された一人。2009 年に開かれた二人のアート・コレクションのオークション『イヴ・サンローラン&ピエール・ベルジェ・コレクション世紀のオークション』では、アイリーンがデザインした<ドラゴン・チェア>はインテリアとして当時史上最高額の1950万ドル(約28億円)で落札され、世界を驚かせた。

『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』
10月14日(土)より Bunkamura ル・シネマ他にて全国順次公開
監督・脚本:メアリー・マクガキアン
出演:オーラ・ブラディ ヴァンサン・ペレーズ ドミニク・ピノン アラニス・モリセット
配給:トランスフォーマー

STORY モダニズム華やかなりし1920年代、のちの近代建築の巨匠ル・コルビュジエは、気鋭の家具デザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイに出会う。彼女は恋人である建築評論家のジャン・バドヴィッチとコンビを組み、建築デビュー作である海辺のヴィラ<E.1027>を手掛けていた。陽光煌めく南フランスのカップ=マルタンに完成したその家はル・コルビュジエが提唱してきた「近代建築の5原則」を具現化し、モダニズムの記念碑といえる完成度の高い傑作として生みだされた。当初はアイリーンに惹かれ絶賛していたル・コルビュジエだが、称賛の想いは徐々に嫉妬へと変化していく。そして1938年、事件は起こる。ル・コルビュジエは、アイリーンの不在時に何の断わりもなく、邸内に卑猥なフレスコ画を描いてしまう。これを知った彼女はル・コルビュジエの行為を「野蛮な行為」として糾弾し、彼らの亀裂は決定的なものになった。その後、大戦とともに、<E.1027>は人々から忘れられ、打ち捨てられてしまう。戦後、すっかり荒れ果てた物件は、競売にかけられる。海運王アリストテレス・オナシスも参加したこの物件を買い戻すために奔走したのは、他でもない――ル・コルビュジエだった。

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