ダグ・リーマン『ザ・ウォール』、クリストファー・ノーラン『ダンケルク』2大監督による戦争映画連続公開

『ボーン・アイデンティティ』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のダグ・リーマン監督の最新作で、次世代スターの筆頭アーロン・テイラー=ジョンソンが主演をつとめる映画『ザ・ウォール』が9月1日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開する。

『ザ・ウォール』ポスター

今秋、ハリウッドから2人の監督によるそれぞれ実話を元に全く毛色の異なる究極のシチュエーションを舞台にした戦争映画が日本に上陸する。9月9日公開、第二次世界大戦時、フランス北端ダンケルクに追い詰められた英仏連合軍40万人の兵士を救うべく、イギリスは民間船までもが動員された命をかけた史上最大の救出作戦を究極の映像体験で描いたクリストファー・ノーラン監督作『ダンケルク』。そして『ダンケルク』より一足早く公開する、イラク戦争時、死神とも呼ばれる正体不明の最恐スナイパーとアメリカ兵との一枚の壁を挟んだ一瞬の隙も与えない狙撃戦が極限のワンシチュエーションで繰り広げられる、ダグ・リーマン監督作『ザ・ウォール』だ。

ダンケルク

2つの作品はどちらも実話が元になっており、絶体絶命の戦地での緊迫感と登場人物の心理描写で、観る者をスクリーンの中へ惹きこむ究極の映像体験映画である。しかし、その作品性は根本で対となる似て非なる映像世界へと導く。これまでノーラン監督は、VFXなど最新技術を多様に織り交ぜ、『ダークナイト』、『インセプション』、『インターステラー』など世界を驚嘆させる圧倒的なスケールと斬新かつ複雑に絡み合う世界観で観る者を魅了してきた。『ダンケルク』では、逃げ場のない海でからの脱出と、激しい空中戦の中で巻き起こる様々な人間模様をスクリーンいっぱいに描く。

リーマン監督は『ボーン』シリーズ、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などはアクション映画でありながら主人公の心理描写もメインに据え置き、その緊張感で観る者をスクリーンへ否応なしに引きずりこんでいく。『ザ・ウォール』ではさらにそのリアリティを究極のワンシチュエーションで表現し、『ダンケルク』とは対照的に、水もない荒野でたった一人の敵を相手に、地獄へ足を踏み込んだ主人公と彼を狙うスナイパーの会話のテンポとともに息苦しくなるほどの緊迫感を持続させながら極限状態を描き切っている。リーマン監督はアクション映画を制作するにあたり「キャラクターが現実的な状況に置かれた時、どのように自分自身と向き合い、自身を見出していくのかに興味がある」と述べ、本作では、1000メートルも離れたイラク人の狙撃兵に狙われ、その銃声を聞く=死に直結するという極限の状況に追い込まれた主人公の心理描写を描く。

陸・海・空を使い分けた『ダンケルク』に対し、『ザ・ウォール』は、ワンシチュエーション。だが、その撮影は、監督が「地球上とは思えなかった」という猛暑と風速100キロの風が吹き荒れた7月の砂漠というロケーションで行われ、「14日間以上の撮影は強いることができなかった」と言わしめた過酷な状況下での撮影により、リアリティある演出をとことん追求している。近年では静かな宇宙空間が逆に恐怖と緊張を煽る『ゼロ・グラビティ』や、オール自然光かつ極寒での命がけで撮影された『レヴェナント』など一つのシチュエーションへこだわった作品に名作が並ぶ。ハリウッドを代表する2人の巨頭監督による、戦争映画を題材にした究極の映像体験を!

『ザ・ウォール』
2017年9月1日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:ダグ・リーマン 
出演:アーロン・テイラー=ジョンソン ジョン・シナ
配給:プレシディオ

STORY 2007年、イラク。アメリカ兵のアイザック(アーロン・テイラー=ジョンソン)とマシューズ(ジョン・シナ)は、想定外の場所から突然の銃撃に遭う。マシューズはその場に崩れ落ち、アイザックは瓦礫の壁の背後に命からがら逃げこむ。脚を撃たれ身動きが取れなくなったアイザックは助けを呼ぼうと無線を手にするが、そこから聞こえてきたのは“死神”としてアメリカから恐れられていたスナイパー<ジューバ>の声だった。止まらない脚からの出血、容赦ない日差し、迫り来る喉の渇き…。圧倒的不利な状況で始まった最恐のスナイパーとの頭脳戦(ルビ:ゲーム)に、己の能力フル回転で挑む!はたしてそこに生きて帰る術はあるのか?!

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