永瀬正敏「ジャームッシュは昔と変わらず、すごい監督!帰りたくない現場」映画『パターソン』初日舞台挨拶レポート

8月26日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開がスタートした映画『パターソン』。本作の初日舞台挨拶が、8月26日、新宿武蔵野館にて行なわれ、ジム・ジャームッシュ作品に『ミステリー・トレイン』以来27年ぶりに出演を果たした永瀬正敏が登壇した。

『パターソン』は、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(’15)や、『沈黙-サイレンス-』(’16)に出演し、今やハリウッドの次世代を代表する俳優となったアダム・ド ライバーが主演。「君の事を思いながらこのシーンを書いた」という監督たっての希望で、永瀬正敏が『ミステリー・トレイン』(’89)以来 27年ぶりにジャームッシュ作品に再出演を果たした。本作でもジャームッシュの独特でオフビートな作風は健在、カンヌでも絶賛を受け、まさにこ れまでの彼のフィルモグラフィーの一つの到達点と呼べる傑作となっている。

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27年ぶりにジャームッシュ作品に出演について
永瀬:最初、ジャームッシュ監督からメールをいただいて、事務所に確認をせずに、すぐに出演すると返事をしました。友情出演のみのカメオかと思っ たのですが、重要な役と知って驚きました。ちゃんと演ろうと思いました。普段もちゃんとやっていますが(笑)。

完成した作品について
永瀬:ジャームッシュファンとして、とてもうれしかったです。大きな事件も起きないのに、こんなにあたたかな物語を作れるジャームッシュ監督はすごいです。あと、犬が最高でした!

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ジャームッシュ監督と、ジャームッシュ組の現場について
永瀬:27年前の『ミステリー・トレイン』と変わらず、スタッフは昔と変わりましたが、ジャームッシュの現場はみな分け隔てなくあたたかくて、帰りたくない現場でした。ジャームッシュ組を経験した人はみんな帰りたくなくなると思います。ジャームッシュ監督自身も、とてもあたたかな人ですからね。 あと、僕が本作の現場についたときに監督とランチをしたのですが、「すごいだろ!トレーラーハウスがあるんだよ!君の分もね」と、嬉しそうに話していました。あんなに世界的な監督なのにね。改めてこの人好きだな〜と思いました。演出も、撮影のときは、細かい指示はしないのですが、作品の背景や撮り方はきちんと説明してくれましたね。監督は、僕の俳優としての視野を広げさせてくれましたし、とても人との出会いを大切にする人。僕もそんな出会いを大事にしたいと改めて思いました。

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アダム・ドライバーとの共演について
永瀬:世界的なスターなのに、おごることがないですし、現場にも一人で来てました。なんといってもフォースが使える人ですからね(笑)。とてもあたたかな人で、私の芝居を助けてくれました。やっぱりジャームッシュ監督の選ぶ人はみんないい人なんですよね。

現場でのエピソードについて
永瀬:監督と会ったときに、パターソンのグッズや『ミステリー・トレイン』のポスターなどたくさんお土産をもらいました。また、パターソンの街を二人で歩いていたときに、枯葉が落ちていたのを拾って、「落ち葉も祝ってくれてるよ」と監督が言ってくれたんです。その落ち葉は日本に持ち帰りました。ジャームッシュは監督してだけでなく、人としても好きです。

観客に向けて
永瀬:ちょうど昨日、監督とプロデューサーからメールが来て、観客のみなさんに「日本に行けなくて、スイマセン。公開されることを光栄に思っている」と伝えてほしいと連絡がありました。本作は、2度、3度、4度、10度、みなさんには観てもらいたいです。 (自身のジャケットにつけている缶バッジを指差して、)来週もジャームッシュ監督の『ギミー・デンジャー』という新作が公開されるので、こちらも観てください。みなさんに観てもらえれば、次のジャームッシュの新作も見ることができると思いますので。

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『パターソン』
8月26日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ 出演:アダム・ドライバー ゴルシフテ・ファラハニ 永瀬正敏
配給:ロングライド

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