西原孝至監督作 ドキュメンタリー映画『もうろうをいきる』 「健常」の私は、盲ろうのみなさんの世界を想像することからはじめた

ドキュメンタリー映画『もうろうをいきる』が、8月26日(土)よりポレポレ東中野にて公開が決定した。『もうろうをいきる』は、目が見えなくて耳が聞こえない“盲ろう者”を、宮崎、宮城、広島、新潟、東京などに訪ね、その日常と、共にいきる人々を描いたドキュメンタリー映画だ。

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監督は学生団体SEALDsの活動を追った『わたしの自由について〜SEALDs 2015〜』が大きな注目を集めた西原孝至。前作に続き、不安を抱えながらも手探りで新しい一歩を踏み出そうとしている人々の姿を、透徹した柔らかい眼差しで見つめている。

監督の言葉―—―—西原孝至

光と音のない世界。目が見えて、耳も聞こえる「健常」の私は、盲ろうのみなさんの世界を想像することから、この映画の撮影をはじめた。他の身体障害に比べ、生活サポートや教育の面で課題が多いといわれる「盲ろう」という重複障害。全国各地に暮らす盲ろう者の日常や思いを撮影することを通して、人がどう生きていくか、という答えのない問いを考え続けた。
慌ただしく過ぎ去っていく時間。全てにおいて効率化が優先され、物事が進む現代社会。2016年7月26日未明、相模原市の津久井やまゆり園で起きた殺傷事件。容疑者の男性は「重度の障害者は生きていても仕方がない」と語ったという。
生きる喜びや悲しみ、人生の豊かさという命題を、私たちがいま一度考えるべき時がきていると、強く感じている。願わくば、この映画を通して、新しい世界を共に発見することができたならば、これほど嬉しい事はない。

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『もうろうをいきる』
8月26日(土)より、ポレポレ東中野にて公開
監督:西原孝至 製作:シグロ 企画:NPO法人バリアフリー映画研究会 
企画・製作:山上徹二郎 大河内直之 北岡賢剛 
プロデューサー:小町谷健彦 山上徹二郎 
撮影:加藤孝信 山本大輔     
協力:全国盲ろう者協会 各地の盲ろう者友の会 東京大学先端科学技術研究センター・福島研究室ほか

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